ドイツちゃんは衆愚に振り回されすぎているのでは?

https://www.fepc.or.jp/library/kaigai/kaigai_kaisetsu/1238416_4141.html

川口  二〇一一年の福島の後の脱原発の決め方はひどい決め方でした。
 ドイツ人は現実的な頭脳とロマン主義的な精神を併せ持つ複雑な人たちです。
当時はロマン主義が勝ち、国会議員も市井の人々も、「自分たちは、唯一、物質主義に侵されない倫理的な国民である」と酔いしれました。

東海 自己陶酔ですか。

川口  「理想のために値段が少しくらい上がってもいい」とみんな言ったのです。
 私はドイツ人は値段が上がっていいという人たちではないことを知っていましたから、そのうち絶対にいやだと言うだろうと思っていましたが、今、皆が正気に返って、不安を感じ始めています。
 「北の方で風力発電ができます。特に海は一年中風が吹くから、沖合でたくさんやればドイツの電力は全部賄えるのです」と言った人たちがいました。
 でも、「産業のあるのは南です。北の風力電気を大送電線で南に引っ張ってこないといけない。どれだけ大変でお金がかかるか」と警告した人たちもいました。
 しかし、当時のアンケートでは、「あなたの家の近くに送電線が走ったらどうしますか」と聞くと、「やむを得ない」と言った人たちが八〇%もいた。
今は、五%くらいしかいないと思います。