彗星33型は金星エンジンに交換し昭和43年には試作が完成していた
したがって五式戦闘機の一年前には現物があって、左右をエンジンのスリット、推力排気管にしたのもおなじ
ただ応急の濫造品故にブリキの缶詰を無理やり機首にくくりつけたようで美しさは無かった
土井が嫌悪をしめしたのは彗星33型の醜さだろう
とはいえ速度はほとんど低下しなかった。1400馬力の後期型にくらべてもわずかに579キロから575キロに落ちたが
1200馬力の前期型にくらべれば当然全ての性能は勝ってる545キロから575キロの、30キロ向上だ

当初の案では・・キ100の胴体はもっと太い予定でフィレット、覆いは大型になる
それに最小限のフィレットにとどまる第二案は上から見ると頭でっかちで急激にしぼりこむ
はるかに軽くなり製造も容易である。結局、背に腹は変えられずそちらが採用されたが
プロペラ後流が収縮することを考えると、プロペラ効率は高まり上昇力や加速は良い結果をもたらした

キ100のまとめかたはベストだろうがフィレットが雑なため580キロと速度が落ちたことはあきらか。
土井氏はなにぶん時間がなかった、もっと詰める作業があればさらに性能は出せたと言ってる
オイルクーラーは円型を顎下に「でん」と置いただけだがこんな芸のない配置で良いのかと悩んだという
ただ、おそらく時間があれば主翼左右に埋め込むとか、胴体後部などもっといい場所はあったのだろう
それらのツメが完全に行われればキ100はおそらく650キロ前後は出せた