>>306
> 一応、米海兵隊の揚陸艦をF-35B専用母艦として運用する構想はあるけどね

他の人も書いているが、現代の強襲揚陸艦LHD/LHAの原型とも言うべきタラワ級LHDが(フォレスタル級以前の)の先駆けとして建造され
空母と同様にフラットデッキの艦型を採用したイオージマ級LPHが出現した時、「この規模なら補助空母として使えるじゃないか」という発想の下に、
AV-8A母艦として運用するという制海艦(SCS: Sea Control Ship)構想というのが生まれた

この制海艦(要するに今風に言えばSTOVL軽空母)のアイデアは単なる構想だけでなく現実のLPH/LHD/LHAを使用して繰り返し試されてきたが
その結論は常に同じ、つまり要するに「航空脅威のない海域でなら使えるが、本当に空母を必要とする航空脅威を無視できない海域では制海艦単独では使えず
フォレスタル級やそれ以降の大型空母and/or空軍航空戦力の傘の下でなければ作戦展開できない」というもので
コストの割には軍事的効用は大型空母よりもずっと低い(P/C比が低い)、そして自立性を高めようとすれば(つまり早期警戒能力や常時滞空哨戒能力を持たせようとすれば)
非常に高額な船になってしまいその割には総合的な能力(つまり軍事的効用Performance)で大型空母に大きく劣るという結論に毎回落ち着いて来た

そりゃF-35Bは昔のAV-8A/Bよりは遥かに強力な機体で搭載する対空レーダーの性能は桁違いだし、直掩艦もかつての普通の駆逐艦・巡洋艦から
艦隊防空能力を持つイージス艦に替わったから、制海艦とイージス艦数隻の直掩でもそれなりの防御力はあるだろうが、所詮はOTH(水平線の向う)については
早期警戒能力が欠落している(F-35Bという戦闘攻撃機で常時OTH早期警戒をさせるのはF-35Bの搭載機数および飛行時間の上限を考えると現実的でない)