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13年度から戦闘機用エンジン目標明示

 コアエンジンで1800度Cの作動を確認

 IHIはXF9-1の設計製造に先立ち、将来の戦闘機用エンジンを実現するための研究試作として、2010年度に防衛装備庁(当時は技術研究本部)より「次世代エンジン主要構成要素の研究試作」を受注した後、
最先端技術を取り入れた戦闘機用エンジンを提案し、圧縮機・燃焼器・高圧タービンの試作などの要素研究を実施した。

 続いて同社は、2013年度に「戦闘機用エンジン要素の研究試作」を受注し、コアエンジンを設計製造し、
2017年6月に防衛装備庁航空装備研究所に納入した。防衛装備庁航空装備研究所による試験では、コアエンジンの目標である高圧タービン入口温度1800℃における作動健全性の確認が完了している。

 そしてIHIは引き続き、2015年度に「戦闘機用エンジンシステムの研究試作」を受注し、「次世代エンジン主要構成要素の研究試作」で提案した世界最先端技術をエンジンとしてインテグレートするため、
国内企業の協力も得ながら、コアエンジンをベースとして前部にファン、後部に低圧タービン・アフターバーナ・排気ノズルを装着したXF9-1の設計製造を推進した。
その結果、2018年6月に所定の機能性能を満足することを確認し、納入の運びとなったもの。
 IHIは今後も防衛装備庁航空装備研究所を万全の態勢でサポートし、戦闘機用エンジン研究開発の技術基盤の構築を図っていくとしている。
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一連の研究試作の設計やコンポーネントの一部製造にはIHIだけでなく、川崎重工、三菱重工のエンジン技術者も参画しており、
コンピュータシミュレーションではJAXA(宇宙航空研究開発機構)、耐熱合金の研究ではNIMS(物質・材料研究機構)、さらに大直径ディスク材の鍛造では日本エアロフォージなど、研究機関、産業界の協力も あり、オールジャパン態勢が今回のXF9-1の完成を支えている。