>>901
塗装に使う塗料はステルス塗装よりもレーダー波に対する反射率は高いからNG

つまり、ステルス機のステルス塗装の外側に通常の塗料による塗装をするということは、
ステルス機のレーダー断面積(RCS)をわざわざ大きくして敵のレーダーに映りやすくすることに他ならない

原理的なことだけを言えば、可視光の帯域の電磁波に対する反射率とレーダー波の帯域の電磁波に対する反射率とは全く違い得るので、
可視光の幾つかの波長では高い反射率を持ち(つまり黒や濃灰色以外の色があり)
なおかつレーダー波などの電波に対しては従来のステルス塗装と同じく極めて低い反射率しかない塗料は存在し得るだろうが
現実にそのようなカラフルなステルス塗装を実現するためには、塗料の候補物質の開発と
それら候補物質の電波反射率の測定や機体に塗布した場合の耐熱・耐摩擦(気流との摩擦)性のテストを繰り返して、
カラフルだがステルス性を損ねない塗料を全く新たに一から生み出さねばならず、それには長い時間と莫大な開発費用や人員が必要になる

現在のステルス塗装が黒や濃灰色なのは、どの帯域の電磁波に対してもまんべんなく吸収率が高い(反射率が低い)ならば
レーダー・ステルス性(電波に対する反射率が非常に低いという性質)の面では確実だと考えている(その考えは正しい)から過ぎず

だが、その逆(レーダー・ステルス性が優れた物質は全ての帯域の電磁波に対して吸収率が高いという命題)は必ずしも真ではない
可視光と電波とでは同じ電磁波と言っても物質(分子レベルや原子レベルでは)に対する振る舞いも大きく違うので
可視光の幾つかの波長では反射率が小さくないが電波に対しては反射率が極めて小さいというのは原理的には可能だ

だけど、その原理的な可能性を満たすカラフル・ステルス塗料を現実のものとするには莫大なコスト(色んな意味で)が
必要で成功の保証すらないから軍事的に大したメリットもないので誰もやらないというだけだ