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亀レスだが八八式海岸射撃具について。これは何のための機材なのか

当初の要塞砲は、敵艦を測遠機で照準し、その角度から、計算尺で諸元を求め、計算で出た答を,
伝声・電話・電磁石応用の計数器などを使って砲側に伝えた。
しかしこの方式だと観測所を砲台の近くに設置しないといけない。

戦艦は強力な発電機を搭載して大きな電力を使えるため、セルシンモーターを動かして砲側にデータを伝えることができた。
しかし陸軍の要塞には発電施設も予算もない。

そこで考案されたのが乾電池数十個で動かせる八八式海岸射撃具。多田礼吉中佐が考案したもので
ホイートストンブリッジ (Wheatstone bridge)の原理を利用し、微弱電流でもデーターを伝えることができた。

観測所の測遠機は依然として明治以来の古い機材のままだが、主にデータの伝達手段を効率化させたもの

後に八八式海岸射撃具を軽易化した九六式海岸観測具も制定された