という訳でハリスは日米間の貨幣交換率の是正に赴いたのだが、この時ハリスは
「実質価値に満たない名目貨幣としての銀貨という理屈は国内では通用しても国際的には無理っすよ」
と正論吐いて貨幣交換率を一分銀三枚=1ドルとする事には成功。その際国内貨幣の取り扱いに関して

・日本の貨幣の国外持ち出し禁止
・貨幣両替時には改鋳経費として6%の手数料を幕府に納める

という普通に妥当な条項の採用を提示したのだけれども、幕府側は何故かこれを拒否していてハリスはその困惑具合を日記にも残している。
幕府としてはこの3年後に貿易用に金銀の含有量を調整した安政小判と安政二朱銀を対外交易限定貨幣として発行しているので、これにより国内外の金銀比価を合わせる事まで織り込んだ上の事かもしれない
(なお当然というか案の定というかこれに対しアメリカとイギリスが日本の物買おうとして両替するだけで貨幣価値ダダ下がるやろがクソボケがーッ!と切れたので速攻で鋳造は停止されている)が、
まあその時の幕府側の思惑はともかくハリスも困惑はするがそれはそれとしてだったらワイも有効活用させてもらうわという事で一稼ぎしているけどもこれに関しては幕府の責任十割でハリスは悪ないよなぁ…
ここらへんロシア革命の時に日本が手に入れたロマノフ金貨の扱い見てもどうも日本は国際市場における金銀貨幣の価値の読みが甘いというか心の片隅で軽く見てるのではないかと感じるけど