>>934
ガス噴射式の無反動砲を実用化したドイツのクルップ社の研究結果だと、ガス噴射式の場合、砲身長が同一の砲身から同重量の砲弾を通常の火砲と同じ初速で発射する(要は、全く同じスペックで)には、4倍から5倍の発射薬が必要である、とされてる。
倍では済まないのだ。
イギリスのバーニーって人(発明狂で貴族だという変人(褒め言葉)が開発した「昇圧チェンバー付きノズル噴射方式」(通称バーニー砲)はそこまでの発射薬を使わなくても同重量同初速の弾を発射できるし、バーニー砲を元に開発されたアメリカの「昇圧チェンバー付きスリット噴射方式」(クロムスキット式)も同様だけど、これらは砲身が長くて砲尾が重いので、大口径にすると砲架が複雑で大きく重くなるっていう問題があった。

初速をそこまで求めない、というなら発射薬少なくして砲身短くできる(砲尾も大きくしなくていい)けど、初速が低いと精度が落ちていく(飛翔時間が長いと風とコリオリ力の影響が増大してどんどんズレが大きくなる)し、標的が少しでも移動しているなら発砲から着弾までの時間が長くなると単純に外れやすくなる。

なので、初速を追求しづらい無反動砲は命中率を追求するのに向かない。