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64式小銃選定の裏側【自衛隊】

津野瀬氏をはじめとする64式を開発した関係者は、なんとしても国産自動小銃を開発し、自衛隊に配備したいと考えていたのだろう...
...M14を目の敵にするのは無理もない。アメリカが強引にM14を売り込んできたとき、日本がそれを跳ねのけるには、もっと優れた国産銃があるという事実をぶつけるしかない。
あの時、津野瀬氏をはじめとした開発チームは、“M14に勝るものを作る。ただそれだけに集中した”のだ。裏を返せば、“FALやG3に勝る必要はなかった”ということになる。
しかし、64式を真の意味で世界最高のライフルにしたいのであれば、世界中で配備が進むFALやG3を入手し、それを徹底分析するべきだっただろう。
AKMもその対象だし、AR-10も同様だ。しかし、それをやった形跡はない...
...その中で山森氏は、64式開発に際し、「FALやG3を研究用に入手しようとしたができなかった」と明記している...
...日本には銃器文化がない。身近に銃がある環境でないと、真の意味で優れた銃を独自開発することは難しい。それでも優れた銃を作り出したければ、パクるしかない。
文化がなくてもモノマネならできる。
そうしてみると、64式小銃が持つ、チグハグな部分はすべて腑に落ちる...
...お手本にするものが手元にないまま作ったので、こんなことになってしまった…自分で徹底的に撃って試す環境がないので、何がどうであるべきかがわからない…。銃器文化があれば、「銃とはこうあるべき」という基本が根底にあるので、そんなおかしなものにはならないだろう。
あの時、唯一あったお手本がアメリカのM14だ。M14は優れたライフルであり、実に使いやすい。しかしそれを目の敵にしていたので、
そこからは何も学ぼうとしなかったのかもしれない。
設計スタッフがM14を手にフィールドを駆け、次々と現れるターゲットをマガジン交換しながら撃破していく。
これを繰り返していけば、銃はどうあるべきかが見えてくる。そして本来ならFALやG3でもこれをやるべきだった...