>>579
後期の漸減作戦の中で空母に最も期待されていたのは戦艦の艦隊決戦の前に敵艦隊の中の米空母を優先して無力化し制空権を奪っておく事
龍驤までの空母で研究を重ねた日本海軍は30年代初頭の時点で既に艦隊決戦における制空権の重要性に気付いていた
仮に当時の雷爆撃機の性能で戦艦の撃沈が難しいにしても制空権を取られると戦艦同士の砲戦で邪魔が入るだけでなく自慢の観測機を飛ばす観測射撃が不可能になるから
そこで初の本格的艦爆である九四式艦爆の制式化と同年から先制奇襲爆撃で米空母を発着艦不能に追い込むために
艦爆を多数艦載(赤城加賀と違い艦攻は少数しか積まない)する蒼龍以降の中型高速空母から成る「空母キラー」機動部隊の整備を始めている
急降下爆撃を用いる艦爆というカテゴリー自体が戦艦より水平装甲が薄く飛行甲板を撃破するだけで無力化される空母を潰す事を主任務とする「空母キラー」だった
(爆弾の着弾速度に劣る急降下爆撃は戦艦の水平装甲を抜くには向かない戦術で
戦艦攻撃には水平爆撃能力で艦爆に勝る艦攻で水平爆撃をかけて爆弾を高速で着弾させる方が有望視されていた)
同時期に米海軍も同様の結論に達していてBG・SBCといった米艦爆第一世代を艦載し日本海軍の中でも空母を優先的に狙い始めた