黎明期の軍用機は何でもありのアイディア大喜利だが、計器の進歩は概ね機体よりも遅れていた

怪しいコンパスと精々が携帯用の六分儀程度を頼りに飛ぶので、一説にはWWIでは洋上飛行でのパイロット死亡率は陸上の5倍に及んだという

そこでほぼ全員が名士でもあるパイロットをどうにか助けようとしたロイヤルネイビー

無線の本家を自認して伝書鳩は時代遅れなフランス野郎のペットと馬鹿にしていたのだが、その伝書鳩をなんと飛行機と組み合わせた

邪魔なのを承知で鳥籠と3羽の伝書鳩が海軍機には搭載され、偵察の成果や救難信号が鳩に託された

ところが鳩が翼にぶつかってしまったり、低速や着水後に飛ばすと機体に鳩が留まってしまうトラブルが頻発した

そこで英国面が爆発。鳩を確実に飛ばす方法はないかとあれこれ試され、ついには鳩射出装置が開発された

コクピット脇にパイプが垂直に通され、ここに頭から鳩を入れると鳩は目を回しながら機体下に落ち、上手いタイミングで飛び出してくれるという仕組み

しょうもない仕掛けだが、空母と航空無線の普及まで、かなりのパイロットが鳩に助けられた