ISW評価
https://www.understandingwar.org/backgrounder/russian-offensive-campaign-assessment-may-20
概況
ロシア軍はウクライナの反撃に備え、ハリコフと南軸の守備陣地の掘り下げと強化に注力しているが、
活発な攻撃活動の大部分はイジュム-ドネツク市弧、特にポパスナ-セベロドネツク地域に留まっている。
ウクライナ参謀本部は、ロシア軍が南軸に第二次防衛線を設定していると報告し、この地域のロシア軍が
大規模なウクライナ反攻と紛争の長期化に備えている可能性を示唆した[i]。ロシア軍は、5月5日から
ウクライナ反攻の成功を受けてハリコフ市の北で防衛位置を保持していると伝えられ、ロシア軍がロシアへの
再配置を適切に完了する時間を与えるために、あるいはハリコフ州の領域を防衛するために増援が到着できるよう
限定的に破壊攻撃を行ってきた。ロシアの重要な攻撃作戦は、セベロドネツクの地域に限られている。
ロシア軍はセベロドネツクを制圧するため、市の北、西、南、特にポパスナ周辺に限界的な利益を上げている。

重要点

ロシア軍は南からセベロドネツクへの攻撃を継続するため、ポパスナの北、西、南でわずかな利益を得た可能性がある。

ロシア側は、ウクライナ兵と交換可能なロシア人捕虜の数を最大化するため、
あるいは「数百人」のウクライナ兵を相手に数ヶ月に及ぶ包囲攻撃を行ったことを恥ずかしく思わないために、

アゾフスターから避難させたウクライナ兵の数を過大評価している可能性がある。

ロシア軍は、ハリコフ市北部のウクライナ軍の反攻によって奪われたいくつかの陣地を取り戻したと伝えられている。

ロシア軍は、ウクライナの大規模な反攻と南軸での紛争の長期化に備えているものと思われる。

今後の注目点
ロシア軍はハリコフ市近辺からの撤退を完了させるだろうが、Vovchansk の西側でベルゴロドから
Izyum までの GLOC を守るためのラインを維持しようとするはずである。 成功するかどうかは不明である。

ロシア軍は、セベロドネツクとリシチャンスクを少なくとも南側から包囲する努力を続け
おそらくセベロドネツク-リシチャンスクとウクライナの他の地域を結ぶ最後の高速道路を遮断することに重点を置くだろう。

ロシア軍はウクライナの反撃に備え、ウクライナ南部での長期的な作戦に腰を据えているようだ。