ISW論評
https://www.understandingwar.org/backgrounder/russian-offensive-campaign-assessment-june-6
セベロドネツクの市街地での戦闘は、ロシア軍が市の大部分を支配していると思われるが、
市内の地形を支配しているという報告は、その性質上、難解であると思われる。
ルハンスク州政府代表のセルヒイ・ハイダイは6月5日、ウクライナ軍がセベロドネツクの大部分を奪還し、
都市部の反撃でロシア軍を市外に追いやったと主張した[1]。
しかしウクライナ人ジャーナリストのユーリー・ブツソフは6月5日にハイダイの主張を否定し、
ウクライナ軍がセベロドネツクのアゾート工業地区のみを支配していると主張した。ハイダイは6月6日に主張を修正し、
セベロドネツクの状況が著しく悪化していると報告し、6月6日にウクライナ軍がアゾット工業地帯内で実際に戦闘を行っていると付け加えた[2]。
ハイダイとブトゥソフの報告の矛盾の理由は不明で、市内で激しい市街戦が継続中である。

ウクライナ海軍は黒海北西部におけるロシアの支配に挑戦しており、ロシア軍艦の海岸線近くでの活動を阻止していると主張している。
ウクライナ海軍は6月6日、ロシア黒海艦隊の一団をウクライナ沿岸から100km以上遠ざけることに成功したと報告したが、
この声明には時間枠が明記されていない[3]。 さらに報告書は、ロシア海軍はその後黒海での戦術を変更せざるを得ず、
海上防空システムよりも、占領地ケルソンとクリミアにおけるバルおよびバスティオン
沿岸防衛システムに大きく依存していると述べている[3]。英国国防省は、ロシア軍がスネーク島の防空資産を強化していると主張し、
ウクライナ国防省は、ロシア軍がクリミアに S-300 防空大隊を追加配備したと報告した[4]。 これらの報告を総合すると、
英国やその他の国から提供されたと考えられるウクライナの海軍圧力と対艦ミサイルが、黒海北西部のロシア集団に、
ウクライナ海岸線から押し離されて沿岸および航空防衛により依存しなければならないことを意味している。ウクライナは、
こうした成果を活用して、ロシアによるウクライナの港湾封鎖による経済的圧力を緩和し、
ウクライナへの国際支援の新たなルートを開拓するなど、西側からの追加経済支援を求める可能性がある。