南雲忠一中将を再評価するスレ（４６代）

**名無し三等兵** · 2022/11/06(日) 13:22:33.22

南雲忠一中将はもっと再評価されるべき!（４６代）

前スレ
[４５代]南雲忠一中将を再評価するスレ（比）
https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/army/1661053459/
（>>236～ニミッツ長官考察の章）

過去スレとテンプレはまとめwikiを参照されたし
admiralnagumo@ウィキ
http://www10.atwiki.jp/admiralnagumo

**ＧＦ長官** · 2023/02/14(火) 23:20:06.88

>>566の続き

「猟官運動」という言葉があります。
希望のポストを得るために自分を売り込むこと。

よく自民党政権を批判するときに「お友達内閣」と揶揄されますよね。

アメリカの場合、大統領が変わると各省長官は総入れ替えになりますが、
その人事は、完全な大統領選挙の論功行賞です。
そっちはスルー

**ＧＦ長官** · 2023/02/14(火) 23:21:11.07

>>567の続き

そして面白いのは、軍人もこの”猟官運動”をやるのです。
この場合、航空局長をめぐってキングとタワーズがそれぞれ奔走することになる。

客観的にみれば、
航空局長、空母艦長など航空関係の経歴をつんで少将になった
キングが有利

しかしそう簡単に決まったわけではありません。

**ＧＦ長官** · 2023/02/14(火) 23:22:13.62

>>568の続き

なにせタワーズには現航空局長モフェット少将の強力な後押しが
ありますから。

キングもタワーズも有力な人物に手紙を書くことから始めます。

政治家の間では、モフェットの根回しもあって、タワーズ推しが多い。
タワーズも個人的に知り合いだったコーヘン上院議員に
大統領宛の推薦状を書いてもらう確約を得ていた。

**ＧＦ長官** · 2023/02/14(火) 23:23:13.61

>>569の続き

一方、海軍内はキング推しが多い。
>>566の通り、プラット作戦部長やアップハム航海局長はキングを推薦
さらに海軍次官だったヘンリー・ルーズベルトはキングとアナポリス同期
だったこともあり、キング派

キング自身はノーフォーク海軍基地司令（>>547）だったときの縁で
地元の雑誌「バージニアンパイロット」のハリス編集長に依頼して
大統領宛の推薦状を書いてもらっている。

日本人の感覚からすると、軍人が政治家のようにロビー活動を
するなんて違和感ありまくりですが、アメリカでは普通のようですね。

**ＧＦ長官** · 2023/02/15(水) 23:27:10.58

>>570の続き

これだけの盛り上がりを見せた、
米海軍航空の次期センターを決める総選挙？ですが、
意外な形であっさりと決着がついた。

１９３３年４月４日、飛行船アクロンの墜落事故で
航空局長モフェット少将が殉職してしまったのです。

東海岸のニュージャージー州（ニューヨークの近く）で暴風雨に遭い、
気圧の低下で浮力を失い海上に墜落、乗員７６名中生存者は３名

**ＧＦ長官** · 2023/02/15(水) 23:27:36.28

>>571の続き

後ろ盾を失ったタワーズは勢いを無くし、
最初はタワーズ派だったスワンソン海軍長官もキング派に寝返ったことで
航空局長はキング少将に決まった。

キングは１９３３年５月から１９３６年６月までの三年間、航空局長を務めた。
東西両岸の航空基地整備に尽力したと言われています。

一方失意のタワーズ大佐は、海軍大学校、サンディエゴ航空基地司令、
そして１９３６年には再び航空艦隊参謀長に返り咲いた。

**ＧＦ長官** · 2023/02/18(土) 00:02:56.49

>>572の続き

これで二人の因縁は終わったと思いきや、
まだまだ続きます。

キングは１９３６年６月、航空局長を退任し、
基地航空部隊司令官としてサンディエゴ基地に着任

主に各基地の視察や訓練の指導が仕事で、
真珠湾やジョンストン島、フレンチフリゲート礁にも寄っている。

特に飛行艇による長距離哨戒態勢の構築に尽力し、
太平洋戦争でも大いに貢献したとされています。

**ＧＦ長官** · 2023/02/18(土) 00:03:51.17

>>573の続き

１９３７年１０月、基地航空部隊が偵察艦隊に編入されたことにより、
キング少将も偵察艦隊航空部隊司令官となった。

１９３８年１月に航空艦隊司令長官、中将に昇進
すなわち米海軍の全空母を指揮下に置くことになった。

その編成は>>344の通りで、
第一空母戦隊（キング中将直率）空母レキシントン、サラトガ、レンジャー
第二空母戦隊（ハルゼー少将）空母エンタープライズ、ヨークタウン

**ＧＦ長官** · 2023/02/18(土) 00:04:40.54

>>574の続き

このときのサラトガ艦長がタワーズ大佐だったのです。

タワーズ大佐は半年前まで航空艦隊参謀長でしたが、
１９３７年６月にサラトガ艦長となり、入れ違いでキングと一緒になることは回避できた。

ちなみにサラトガ艦長の前任者がハルゼー大佐で、
ハルゼーは少将に昇進して、第二空母戦隊司令官になるわけですね。

**名無し三等兵** · 2023/02/18(土) 13:44:21.06

ミッドウェー前に頭上演習やって赤城加賀撃沈の結果が出たあれ、あの前提は史実通りにこちらのミッド攻撃ジャストのタイミングで敵空母が出現した設定、それともミッド攻略後(無力化後)のどちらなんだろ？
前者なら予想できたことなのにそれをしなかった日本海軍の作戦面に問題ありとなるし、後者なら対等な空母戦だから順当な結果となるだろうし。

**名無し三等兵** · 2023/02/18(土) 13:47:36.87

>>576
それってあなたの頭の上での演習ですよね
何か史料でもあるんですか？

**ＧＦ長官** · 2023/02/19(日) 00:52:05.76

>>576
公刊戦史には「ミッドウェー攻略作戦の最中」とあるだけなので、
これだけだとどっちかは分かりませんね。

本職は中間の
友永隊の攻撃が終わってから（友永隊を収容してから）上陸日までの間に
米空母部隊が出現、と考えています。

すなわちミッドウェー基地航空兵力はまだ完全制圧していない状態です。
史実のように友永隊基地空襲の”最中”に出現するのは相手に都合良すぎですから。

>>577
うむむ
頭上演習は必ずしも誤字と言えないところが面白い
　

**名無し三等兵** · 2023/02/19(日) 01:00:40.80

結局9発命中が妥当だったか。

**ＧＦ長官** · 2023/02/19(日) 01:12:39.74

>>575の続き

その半年後の１９３８年１月に、
キング中将が航空艦隊司令長官として>>574
旗艦サラトガに乗り込んでくる。

すなわち、空母サラトガの艦橋に
・航空艦隊司令長官キング中将
・サラトガ艦長タワーズ大佐
がそろってしまった。

**ＧＦ長官** · 2023/02/19(日) 01:13:40.85

>>580の続き

またしてもですねぇ
前任者であったフレデリック・ホーン中将は、
航空艦隊の細かい運用をタワーズ参謀長に任していたので、
タワーズの好きなようにできたのですが、

キングはなんでも一人で決めてしまう性格なので
タワーズの進言など聞く耳は持たない。

タワーズの方も、相手が中将といえどもＪＣＬ（>>527）であり、
ペンサコラで初級訓練を受けただけの人間が、さも専門家面をして
航空部隊指揮官や航空行政を仕切っているのが我慢ならない。

**ＧＦ長官** · 2023/02/19(日) 01:23:46.48

>>581の続き

当然サラトガ艦橋はギスギスした雰囲気になるわけですね。
当直将校は胃が痛くなっただろうなぁ

ただ”艦橋に同居”とはいえ、サラトガの艦橋は上下に分かれていて、
上部艦橋が司令部（キング）
下部艦橋が艦長艦橋（タワーズ）
直接顔を合わせていたわけではないようです。

**ＧＦ長官** · 2023/02/19(日) 01:24:51.87

>>582の続き

幸い、航空艦隊参謀長のパトリック・ベリンガー大佐は
タワーズの親友だったので、
キング長官からの命令の意図がよくわからないときは
ベンリガー参謀長に質問するのですが、
参謀長もキング長官の意図が分からない・・・

幕僚が何か進言してもキングはイエスかノーでしか答えないし、
ノーの場合も、どこが気に入らないのかを説明しないから分からない。
キングにとって参謀たちは命令を伝えるメッセンジャーボーイに過ぎなかった。

**ＧＦ長官** · 2023/02/19(日) 01:25:26.91

>>583の続き

前掲書（>>546）によると
「サラトガ飛行運用士官だったバン・ドウスによると、
司令部と艦長との間は、とげとげしい雰囲気で、
互いに目と目を合わすことは避けるありさまだった」p105

やーれやれだぜ

**名無し三等兵** · 2023/02/19(日) 05:26:56.67

人の好き嫌いが人事にまかり通っている後進国が当時のアメリカ海軍

**ゲショゲショ** · 2023/02/19(日) 05:49:24.97

>>580
キング長官はなぜ、犬猿のタワーズ艦長がいるサラトガを旗艦に選んだんですかね？
自分が艦長をしていたレキシントンを選びそうなもんですが。
レキシントンも過去に旗艦になっていますし。

まあその場合でも、レキシントンが定期入渠整備等になったら、
嫌でもサラトガに旗艦の一時変更をすることになりますが。

仮に私がキング長官の立場で、タワーズ艦長等に歩みよる気が無いなら、
最悪ヨークタウン（就役1937年9月30日）かレンジャーを米空母部隊旗艦に選びますかね。

**名無し三等兵** · 2023/02/19(日) 12:01:17.86

>>578
要するに味方上陸部隊がミッド上陸作戦をしていて機動部隊は支援中で動けない時に敵空母が出てくるという設定なんですね。

**名無し三等兵** · 2023/02/19(日) 12:50:52.86

>>585
好き嫌いがまかり通らないから、嫌いな相手が同じ艦にいることになるのでは？
まかり通るなら排除されるっしょ

**名無し三等兵** · 2023/02/19(日) 12:57:09.55

>>588
>>586

**ＧＦ長官** · 2023/02/19(日) 17:25:33.18

>>585
組織の人事って軍隊に限らず、好き嫌いに帰着するとは思いますが、
ここまであからさまなのはさすがアメリカンと言うべきか

こんなにいがみ合っても勝てるほど優秀な人材がそろっているのか、
いがみ合ってても勝てるほど余力を残しているのか

ほんと米帝、恐ろしい子！
こんなん相手に戦争しちゃダメですねぇ

**ＧＦ長官** · 2023/02/19(日) 17:26:52.34

>>586
そうですね。
旗艦の選択なんか、司令部の一存で決められそうなものですが・・・
サラトガの方が司令部設備が整っていたのかな

>>588
排除は無理でも旗艦変更はできますよね
航空艦隊司令長官なんだし

>>589
んだんだ

**ＧＦ長官** · 2023/02/19(日) 17:27:27.15

>>587
その通りです。
基本は米空母はミッドウェー攻略後に出てくる前提ですが、
攻略完了前に出現する場合も想定はしていたでしょう。

ただし第一撃の友永隊空襲中（６月５日午前中）に出てくるのは想定外
だったと思われます。

**名無し三等兵** · 2023/02/19(日) 22:53:38.23

>>592
ミッド守備隊の抵抗は激しく攻略に手間取ってる、近海には上陸部隊を乗せた船団とその護衛艦艇、機動部隊はその援護が任務である。
こういう時に敵空母が出現したら上陸作戦支援を一時中止して敵空母に向かうのが正解だろうか？
敵空母はこちらをスルーして船団を攻撃するなんてことをやってくるかも。

**名無し三等兵** · 2023/02/20(月) 05:23:30.39

>>593
ハルゼーじゃないからそうなるな

**ＧＦ長官** · 2023/02/21(火) 00:11:00.08

>>593
船団の直接護衛は攻略部隊（近藤長官）の仕事ですからね。

>>594
ハルゼーも意外に慎重に行動したかもしれませんね。

**ＧＦ長官** · 2023/02/21(火) 00:42:03.71

松本御大

前にイタリアで倒れたときから心配ではありましたが
ついに

メーテルと峰不二子は日本の少年にとって
永遠にあこがれの理想像なのでしょう。

本職はいつも寝る前に『ザ・コクピット』を読んで男の死にざまを学んでいます。
「俺はとうとう俺の運命と出会ったような気がするよ」（『消滅線雷撃』）

ご冥福を

**名無し三等兵** · 2023/02/21(火) 17:41:03.99

44 名無しなのに合格 [sage] 2023/02/13(月) 19:15:45.34 ID:u0OffwLY
日大法科大学院47
https://medaka.5ch.net/test/read.cgi/shihou/1531654117/l50

日大は生まれ変わったんだ
司法の日大目指して頑張ってほしい
あと官僚の日大も付け加えよう
昔は実際そうだったんだから

言い続けることが大事
だんだんその気になってくる。

**ＧＦ長官** · 2023/02/21(火) 23:01:40.03

>>597
嬢からチョコレートもらいました。
やったぜ
しかも手書きメッセージ付き

コロナでずっとキャバクラに行けてなかったので三年ぶりくらい
感無量ですねぇ

**名無し三等兵** · 2023/02/22(水) 20:55:28.51

>>598
長官にカストロ議長プレイのご趣味がおありとは初耳でした

**ＧＦ長官** · 2023/02/22(水) 23:15:49.16

>>599
嬢のすべてを愛してますから！

**ＧＦ長官** · 2023/02/22(水) 23:32:35.19

>>584の続き

実はキング中将は航空艦隊司令長官時代に
画期的な提案をしています。

当時の航空艦隊は空母だけで編成されているとはいえ、
戦闘艦隊所属で、あくまで戦艦部隊の補助兵力だった。

そこで空母に巡洋艦や駆逐艦を加えて独立させ、
「３３ノットの航空母艦を２１ノットで足手まといの戦艦群から
分離すべきである」（p104）

**ＧＦ長官** · 2023/02/22(水) 23:33:49.58

>>601の続き

おや、どこかで聞いたような・・・

偶然にも、同じ頃日本海軍では、第一航空戦隊司令官だった
小沢治三郎少将が、空母の集中運用を具申し、
昭和１６年４月の第一航空艦隊新設へとつながります。

なんと、米海軍でも同じことが行われていたのです！
このままいけば、
南雲機動部隊ＶＳキングタスクフォースの戦いとなりそうですね。

**ＧＦ長官** · 2023/02/22(水) 23:34:25.70

>>602の続き

ところが、この提案は実現しなかった。

「キングの意見に、アンドリュース航海局長は仰天した。
戦艦論者のアンドリュースが、キングの航空戦力独立論に賛成するはずがない。

アンドリュースは、航空母艦は防御面できわめて弱く、戦艦の掩護が不可欠で
現体制変更の要なし、とキングに返答する」

**ＧＦ長官** · 2023/02/22(水) 23:35:19.14

>>603の続き

やれやれ、
年功序列で硬直した人事制度の大艦巨砲主義日本海軍が
世界に先駆けて空母集中運用を具体化させたというのに、

柔軟な人事制度で実力主義のはずの米海軍が却下していたとは。
頑固ですね！
わらわら

**名無し三等兵** · 2023/02/23(木) 04:59:15.04

魚雷一本しか積めない飛行機より一門で百発は打てる大砲の方が上論がアメリカには有ったからな

**名無し三等兵** · 2023/02/23(木) 11:09:22.72

空母の防御が弱いからと戦艦と別行動させないって足を縛ってるだろ。戦艦が空母と走れる高速戦艦ならその論理も分かるのだが。

**名無し三等兵** · 2023/02/23(木) 11:16:03.68

でもアメリカの空母の周囲を戦艦で護衛する輪形陣が
幾多の日本機を墜としたのも事実だよ

**スプルーアンス** · 2023/02/23(木) 12:55:13.80

初耳だな

**ＧＦ長官** · 2023/02/23(木) 22:47:36.83

>>605
そもそもあの低速ではねぇ

>>606
全く。防御云々以前に共に行動するには速度差がありすぎる。

>>607
今は開戦前の話でっせ

>>608
おおっと、ご本人登場ですか。
まぁ日本機を墜としたのはＦ６Ｆ＋防空システムでしょうね。

**ＧＦ長官** · 2023/02/23(木) 23:45:23.68

>>604の続き

ただし、空母サラトガの艦橋で
キングとタワーズがいがみ合っていたのは
半年ほどの間だけでした。

１９３８年６月には、タワーズ大佐がサラトガ艦長から転出し、
二度目の航空局次長に戻ります。

その後もキング中将は、航空艦隊司令長官としてとどまり続ける。

翌７月にはサラトガが整備のためにブレマートン工廠に入ったため、
旗艦をレンジャーに変更。
さらに１９３９年２月には艦隊演習２０参加のため、旗艦をレキシントンに変更

**ＧＦ長官** · 2023/02/23(木) 23:46:47.88

>>610の続き

そして１９３９年６月、タワーズ大佐は少将に昇進し、
航空局次長から航空局長へ就任

キングが航空局長時代には航空基地の整備に尽力したのに対し、
タワーズ局長は自らがパイロット出身ということもあり、
パイロットの養成に力を入れます。

これらの活動が太平洋戦争中の米海軍航空隊を下支えしたと言えますが、
人事を担当する航海局とは、しばしば対立することになります。

**ＧＦ長官** · 2023/02/24(金) 00:02:00.21

>>611の続き

航海局としては将来いろいろな部署に配属されても対応できるように、
水上艦、陸上勤務、幕僚など様々な任務を経験させたいと考えるのに対し、

タワーズ局長は、優秀な人材はアナポリス卒業後、すぐにペンサコラに入れて
飛行士の免許を取らせ、（海上勤務等を挟まずに）航空関係のポストに就ける
ことを望んだ。

このときの航海局長が、後に太平洋艦隊司令長官となる、
チェスター・ニミッツ少将です。

ここでもタワーズは政治力を発揮してニミッツを困らせることになる。

**ゲショゲショ** · 2023/02/24(金) 23:46:45.27

>>610
>翌７月にはサラトガが整備のためにブレマートン工廠に入ったため、
旗艦をレンジャーに変更。
さらに１９３９年２月には艦隊演習２０参加のため、旗艦をレキシントンに変更

>>586で私の考えたとおりに、空母部隊の旗艦変更をしているじゃないですか！？
あれですかね、キング提督は自分達のギスギスが周囲に影響することを気にしないタイプなんですかね？
というか、周りで誰も進言しなかったのか・・・

**ＧＦ長官** · 2023/02/25(土) 00:39:32.89

>>612の続き

１９３９年９月、ドイツのポーランド侵攻により第二次世界大戦

この前の月、１９３９年８月１日に、キング中将は航空艦隊司令長官から転出し、
海軍将官会議メンバーに選ばれた。

これは特定任務を持たない提督の集まりで、大統領の諮問機関
その中でキングは巡洋艦および駆逐艦の担当となった。

まぁ会議室で茶すすってるだけの相談役みたいなものですね（ｵｲ

**ＧＦ長官** · 2023/02/25(土) 00:41:07.55

>>614の続き

大戦勃発により、ルーズベルト大統領から南米大陸の権益保護について
いくつか諮問がなされ、日本軍によるパナマ運河攻撃対策といったテーマも
あったようです。

大統領は中立を宣言はしているものの、１９３９年１１月には中立法を修正して
イギリスに対する武器輸出を可能にした。

１９４０年５月、ドイツがフランス侵攻を開始した頃、
合衆国艦隊は演習でハワイに向かっていたが、大統領命令で
そのまま真珠湾に常駐することになった。

当時の長官だったリチャードソン大将はこれに不満を示したことで
大統領の不興を買い、解任される。
１９４１年２月に後任としてキンメル少将が就任した。

**ＧＦ長官** · 2023/02/25(土) 00:42:36.42

>>615の続き

これより少し前の１９４０年１２月に、キング少将は
大西洋分遣隊司令官に就任。

当時の合衆国艦隊は、主力の戦闘艦隊と偵察艦隊が
真珠湾の太平洋艦隊に所属しており、
大西洋に配置されていたのは、
旧式戦艦＋巡洋艦/駆逐艦＋空母レンジャーの小規模な部隊だった。

>>342のように米海軍では、中将と大将は役職によって決められており、
キングは大西洋分遣隊司令官になっても少将のままでした。

**ＧＦ長官** · 2023/02/25(土) 00:43:34.09

>>616の続き

ところが、１９４１年２月のキンメル長官就任に合わせて、
合衆国艦隊が廃止され、

・太平洋艦隊（キンメル大将）
・アジア艦隊（ハート大将）
・大西洋艦隊（キング大将）
に三分割された。

よく見ると、キングは少将から大将になっています。
これは戦闘艦隊司令長官の階級が大将から中将に格下げされたので、
空いた大将のポストが大西洋艦隊司令長官にまわってきたからですね。

やったぜ

**ＧＦ長官** · 2023/02/25(土) 00:45:51.05

>>613
そうなんですよね

サラトガのドック入りは予め予定されていただろうし、
かつて艦長をやったレキシントンには愛着があるだろうから、
旗艦に選べば良かったと思いますが、

なんでわざわざサラトガを旗艦にしたんだろ

**名無し三等兵** · 2023/02/25(土) 09:57:58.02

サラトガの航空隊は練度が高いからとかではないかな。知らんけど

**ＧＦ長官** · 2023/02/26(日) 23:58:46.43

>>619
やつは米空母四天王の中でも最弱・・・

**ＧＦ長官** · 2023/02/27(月) 00:20:48.68

>>617の続き

運命の１９４１年１２月７日、キング大将は大西洋艦隊旗艦である
重巡オーガスタに乗り組み、東海岸に居た。

すぐにワシントンの海軍省に出頭を命じられます。
そこで合衆国艦隊司令長官を命じられた。

**ＧＦ長官** · 2023/02/27(月) 00:22:18.79

>>621の続き

すでにキンメル大将が更迭され、後任にニミッツが就任することは決まっていた。
既述の通り、この年のはじめに合衆国艦隊は廃止されたのですが、
対日対独宣戦布告と合わせて復活することに。

ではその指揮官を誰にするか。
・太平洋艦隊司令長官ニミッツ大将（１９０５年卒）
・アジア艦隊司令長官ハート大将（１８９７年卒）
・大西洋艦隊司令長官キング大将（１９０１年卒）

ニミッツはまだ着任前なので、
この中で最年長のハート大将が推薦されましたが、
ルーズベルト大統領は拒否

**ＧＦ長官** · 2023/02/27(月) 00:23:25.84

>>622の続き

その理由は「気に入らないから」
冗談ではありません、本気です！

ルーズベルトは大統領になる前、長く海軍次官を務め、
マイネイビー（我が海軍）と言うくらい、海軍に愛着を持っていましたが、
ルーズベルト・サークルの名のとおり、どんな有能な人物であっても
次官時代に交流がなかった人物は登用しなかった。

**ＧＦ長官** · 2023/02/27(月) 00:24:57.12

>>623の続き

特に自分に立てついた人間は、どんな些細なことでも忘れなかった。
ハート大将が何をやらかしたのかというと、

ルーズベルトは政治家であるだけに選挙が何よりも大事で、
選挙前になると票を集めるためにばらまき政策を宣伝するのは
洋の東西を問いません。

例えば労働者層の票が欲しいために労働者の権利を保護する政策を
打ち出す等々
ハートは当時、魚雷工廠長で労働者のストライキに悩まされていたので、
ルーズベルトの労働者保護政策と対立していた。

**ＧＦ長官** · 2023/02/27(月) 00:26:01.95

>>624の続き

ルーズベルトは、その時のことをずーーーっと根に持っていて、
ハート大将の合衆国艦隊司令長官就任を認めなかったのです。

ちなみにハートが魚雷工廠長だったのは少佐時代の話。
そんな昔の話を覚えているなんて、セコイですよねぇ

米海軍の実力主義（笑）

**ＧＦ長官** · 2023/02/27(月) 00:26:30.37

>>625の続き

そんなわけで、キングはルーズベルトサークルの一員ではなかったのですが、
”消去法”で、米海軍のトップに立つことができたのです。

やったぜ

**名無し三等兵** · 2023/02/27(月) 06:53:32.13

>>620
最弱なのか。なら俺が鍛えてやるって理由だな

**ＧＦ長官** · 2023/02/28(火) 00:14:54.88

>>627
龍驤沈めたし、鍛えた甲斐があったというもの

**ＧＦ長官** · 2023/02/28(火) 00:23:03.20

>>626の続き

日本海軍と米海軍では組織が異なるので、
単純な比較はできませんが、

＜日本海軍＞　　　　　　　　　　　　　　　　　＜米海軍＞
海軍大臣（嶋田繁太郎）　　　　　　　　　　　　海軍長官（ノックス）
軍令部総長（永野修身）　　　　　　　　　　　海軍作戦部長（スターク）
聯合艦隊司令長官（山本五十六）　　　　　合衆国艦隊司令長官（キング）

こんな感じかな

**ＧＦ長官** · 2023/02/28(火) 00:37:39.66

>>629の続き

日本海軍の場合、軍政と軍令が明確に分かれているので、
軍政を担当する海軍省が、予算や人事、艦艇の建造計画、教育訓練
軍令を担当する軍令部が作戦計画立案、作戦指導

ところが米海軍の場合、
海軍長官が軍政と軍令の両方をみていたようです。

文民統制ってことですかね。

**ＧＦ長官** · 2023/02/28(火) 00:39:25.90

>>630の続き

それをキングが合衆国艦隊司令長官に就任したときに
軍令を軍政から独立させて、ノックスから奪い取った。

つまり海軍長官から全体方針の指導は受けるが、
あくまで大統領直属の作戦部隊になる。

お前の言うことなんか聞くか、
好きなようにやらせてもらうぜってことですね。

**スプルーアンス** · 2023/02/28(火) 04:34:59.43

アメリカは原始的な組織だったと言う事

**ＧＦ長官** · 2023/02/28(火) 22:48:43.97

>>632
せやかて、スプルーアンスさん！
新キャラ定着ですかな

**ＧＦ長官** · 2023/02/28(火) 23:16:06.54

>>631の続き

ここで気になるのは、
米海軍において作戦部長って何やってるの？

スターク大将が何やってるのか
いまひとつわかりませんよね。

**ＧＦ長官** · 2023/02/28(火) 23:16:55.11

>>634の続き

どこの国でもそうですが、
ドイツの参謀本部をお手本にした制度は、
軍備計画、作戦計画、作戦指導の効率化を目的としたものですが、

最大の特徴は
「政治からの干渉を受けずに作戦遂行に専念できる」
点にあります。

宰相ビスマルクでさえ、参謀総長モルトケのやることには
口を出せないというわけです。

**ＧＦ長官** · 2023/02/28(火) 23:18:14.06

>>635の続き

その米海軍版が作戦本部なのですが、
この制度はアメリカにはなじまなかったようです。

アメリカは民主主義を”国是”とする国なので、
選挙によって選ばれた大統領や議会、
その大統領が選任した海軍長官が口を出せない組織など
あってはならない。

どこかの国の軍令部（おっと）みたいに
「統帥権干犯だー！」と暴走してもらっては困りますからね。

**ＧＦ長官** · 2023/02/28(火) 23:19:15.87

>>636の続き

そのため海軍作戦本部の権限は弱く、
「海軍長官の指示の下に、艦隊作戦、戦争計画の樹立の任にあたる」
と規定されていた。

海軍省が予算と人事権を握っているため、
作戦部長は海軍省の各部局に対し、指揮命令は出来ない
弱い立場にあった。

**ＧＦ長官** · 2023/02/28(火) 23:20:24.39

>>637の続き

キングもそれはよく分かっていたので、
合衆国艦隊司令長官を引き受けるときに、
「海軍省各部局への指揮命令権を与えろ」
と要求した。

ルーズベルト大統領は、これに難色を示す。
その実現には法律を改正しないといけないし、
議会がそれを認めるわけがないから。→>>636

**ＧＦ長官** · 2023/02/28(火) 23:20:52.92

>>638の続き

ただ譲歩案として、
「合衆国艦隊司令長官に協力しない部局長を解任できるように協力する」
と約束した。

やったぜ

**名無し三等兵** · 2023/03/01(水) 03:56:35.92

軍政と軍令を分けるのは軍人が政治に関わるのを防止するためでもある。日本の場合は武家政権が700年近く続いた事を反省している

**ＧＦ長官** · 2023/03/01(水) 23:13:03.10

>>640
我が国は、権威（朝廷）と権力（幕府）が分かれていますからね。

**ＧＦ長官** · 2023/03/01(水) 23:33:48.29

>>639の続き

さらに１９４２年３月、スターク作戦部長が更迭された。
真珠湾奇襲の引責とも言われますが、

その後、欧州派遣艦隊司令官としてロンドンに着任するので、
左遷とは言えないでしょう。

そして作戦部長の後任が・・・キングだった！
すなわち、合衆国艦隊司令長官兼海軍作戦部長（長い！）
文句無しの米海軍のトップに就いたわけです。

やったぜ

**名無し三等兵** · 2023/03/02(木) 13:06:54.38

イギリスは文官が軍部大臣をやるよう軍政と軍令の分離は徹底された。但しそれで海軍大臣になったチャーチルの評価は散々

**名無し三等兵** · 2023/03/02(木) 19:53:14.83

海軍長官がトップじゃないの？

**ＧＦ長官** · 2023/03/03(金) 23:39:19.84

>>643
イギリスは海軍内の派閥争いみたいなのはあったんですかねぇ

>>644
まぁ制服組のトップといったところですね。

**ＧＦ長官** · 2023/03/04(土) 00:29:42.98

>>642の続き

戦争の遂行において、権力を一人に集中させることは重要で、
命令系統の多元化は負けフラグ、
民主主義で戦争はできません。

特に米海軍の場合、欧州優先という全体方針の中で
太平洋に兵力を回すにはキングのような強引さが必要だったでしょう。

また太平洋にはマッカーサーという強烈な”個性”が存在するので、
彼らに主導権を握られないためにも同様のことが言えます。

**ＧＦ長官** · 2023/03/04(土) 00:31:13.69

>>646の続き

また、海軍長官ノックスとの関係ですが、
ノックスは共和党の副大統領候補にもなったことがあり、
民主党のルーズベルト大統領と対立する立場にあった。

１９４０年６月、欧州ではフランスが降伏した頃に、
大統領はノックスを海軍長官に任命。

これは共和党を入閣させることにより、挙国一致政権をつくり
議会運営をしやすくする狙いもあったようですが、
ノックスは共和党から除名されました・・・

**ＧＦ長官** · 2023/03/04(土) 00:32:21.90

>>647の続き

そもそもノックス自身は第一次世界大戦で”陸軍少佐”として
参戦しており、戦後、予備役大佐となっていた。

そのため議会では、
「ミスターカーネル（陸軍大佐殿）、海軍での経験はお有りですか？」
などと質問される始末・・・

>>567の通り、米大統領の閣僚人事は論功行賞なので
本人の適性なんか二の次三の次、とんだ実力主義ですね（笑）

そんなわけでノックスは、作戦面に関してはキングに一任していたので、
キングは米海軍の事実上トップだったと言えるのです。

**ゲショゲショ** · 2023/03/04(土) 02:53:49.66

>>648
フランク・ノックスは元々軍備増強論者ですので、予算面で米海軍の大拡張に関わっている一人ですね。
この点、キング提督は「予算拡大」や「軍備計画」の"意見"しか言えません。
合衆国艦隊長官に就任したときには、既に両用艦隊法案が成立していて建艦作業は着手済み。

そしてシカゴ・デイリー・ニュースのオーナー。
みんな大好きシカゴ・トリビューン系列はルーズベルト大統領の政敵ですけど、そのライバル紙です。

**ゲショゲショ** · 2023/03/04(土) 03:10:02.76

>>645
>イギリスは海軍内の派閥争いみたいなのはあったんですかねぇ

これは派閥争いとはちょっと違うかもしれませんが、
あのフィッシャー提督は、英海軍の本流ではないですからね。
英海軍組織の大改革を行い、ドレッドノート、巡洋戦艦その他を産み出したにも関わらず。

次に試作艦のドレッドノートに巡洋戦艦の高速を与え「高速戦艦」を建造する構想でしたが、
英海軍の大半がドレッドノートの量産型で満足したことに、いたく失望したそうですから。

**ＧＦ長官** · 2023/03/05(日) 22:13:59.29

>>649
次の海軍長官のフォレスタルもプリンストン大学で校内新聞を発行していたようですし、
アメリカでは新聞屋に有能な人が多いのかも
>そしてシカゴ・デイリー・ニュースのオーナー

ちなみにキングは作戦上の機密をノックス長官にも報告しなかったそうです。
「新聞屋は知ってることを全部国民に知らせようとするから」

同感ですね。
オフレコだろうが、守秘義務だろうが、正義の代弁者オレカッコイイのマスゴミですからねぇ

>>650
なるほど、
平賀”不譲”とはまた違うんですね>フィッシャー

**ＧＦ長官** · 2023/03/05(日) 22:31:18.60

>>648の続き

そして、キングとタワーズの因縁は開戦後も続いていました。

タワーズ少将はずっと海軍航空局長
一方キング大将は合衆国（ry　→>>642

もはや差がつきすぎて勝負にもならないと思われますが、
>>638の通り、キング作戦部長といえども、航空局に対する
指揮命令権は持たないので、タワーズを押さえ込むことはできない。

**ＧＦ長官** · 2023/03/05(日) 22:33:10.04

>>652の続き

しかし思い出してください。
キングは作戦部長を引き受ける際に、大統領にひとつの条件を認めさせていたのです。
>「合衆国艦隊司令長官に協力しない部局長を解任できるように協力する」>>639

これを利用して、１９４２年９月に
「米太平洋艦隊航空部隊」
を新設し、
タワーズ航空局長を解任し、その新司令官に転任させたのです。

**ＧＦ長官** · 2023/03/05(日) 22:35:37.87

>>653の続き

タワーズにとっては中将に昇格だから栄転ですが、
実質ワシントンからハワイへ厄介払いしただけ。

いくら作戦部長が解任権を持っているといっても、
正当な理由もなくパイロットたちの信望厚いタワーズを更迭すれば、
強い反発が予想される。

そこで”栄転”という形をとって追い出したわけですね。

**名無し三等兵** · 2023/03/06(月) 10:18:46.43

東大の学長に栄転したのが居たな

**ＧＦ長官** · 2023/03/06(月) 22:59:42.78

>>655
と言いますと？

**ＧＦ長官** · 2023/03/06(月) 23:20:32.66

>>654の続き

太平洋艦隊航空部隊司令官ですから、
太平洋艦隊の空母、基地航空隊、基地施設、機体の配備、パイロットの訓練など
航空関係全般を統括する仕事。

太平洋戦争を遂行するうえで、米海軍のかなめとも言える
重要な役職ですが、自らが前線で指揮するわけではない、
あくまでも後方担当です。

**ＧＦ長官** · 2023/03/06(月) 23:24:40.40

>>657の続き

もちろん、それに満足するタワーズではありません。

１９４３年５月以降、空母エセックス級の就役が続々と始まり、
いよいよ中部太平洋方面における本格的な反攻に備え、
その主力となる機動部隊を新設することになった。

空母１１隻を基幹とする艦艇２００隻以上、
上陸部隊や輸送部隊を含む至上空前の大艦隊です。

**ＧＦ長官** · 2023/03/06(月) 23:29:12.29

>>658の続き

その指揮官を誰にするか。
タワーズ中将は意見を求められた際に、

「この有力な部隊を活用できる能力と創造力の程度によって、
太平洋における合理的かつ迅速な勝利か、長期消耗戦か、
の差が生じるだろう。

空母航空作戦は高度に専門的であり、徹底的にその訓練を受けた
士官によって実施されるべきである」
　　　　　　　　　　　（『米軍提督と太平洋戦争』谷光太郎/著）p410

**ＧＦ長官** · 2023/03/06(月) 23:29:42.36

>>659の続き

理屈っぽい言葉が並んでいますが、
要は「俺にやらせろ」ってことですね。

高度に専門的！
徹底的に訓練！
素人なんかに任せられるわけがない！！
該当するのは俺しかいないだろ！！！

**ＧＦ長官** · 2023/03/08(水) 00:02:52.42

>>660の続き

しかし、指揮官になったのはタワーズ中将ではなかった。

「太平洋方面作戦をパイロット出身者でかためて、その強い個性で
コントロールしようとするタワーズの野心を嫌っているキングの意向を
知るニミッツはこれを許さず、

艦隊指揮官にスプルーアンス、高速空母群司令官にパウノールを選んだ」（p263）

**ＧＦ長官** · 2023/03/08(水) 00:03:46.82

>>661の続き

まぁお前が言うな（ry
という感じですが、

ニミッツにしてみれば、航海局長時代にさんざん
煮え湯を飲まされてきただけに（>>612）
タワーズを使いたいとは思わなかったでしょう。

その点、スプルーアンスならば
長らく太平洋艦隊司令部の参謀長として
気心の知れた仲だったので、やりやすいと
思ったのかもしれません。

**ＧＦ長官** · 2023/03/08(水) 00:04:31.74

>>662の続き

しかし冷静になって、この人事を考えてみましょう。
後に第五艦隊と呼ばれることになるこの大艦隊は、

日本海軍でいえば、（真珠湾を奇襲攻撃することになる）
第一航空艦隊の司令長官を誰にするか、
に匹敵する大問題です。

**ＧＦ長官** · 2023/03/08(水) 00:05:57.28

>>663の続き

南雲長官に関しては、二言目には
水雷屋だの、航空分野の素人だの、
経歴や経験を指摘するわりには、

この第五艦隊司令長官となるスプルーアンスについて
スルーなのはどういうことなんですか。

**ＧＦ長官** · 2023/03/08(水) 00:06:44.46

>>664の続き

スプー様なんて、
ＪＣＬどころかパイロットの免許すら持っていない、
空母艦長の経験もない、
ハルゼーの代理として一海戦だけ空母任務群を
率いただけですよ。

こんな”ド素人”に任せていいのですか？
なぜ南雲長官ばかり素人素人と叩かれるのでしょうか。

**名無し三等兵** · 2023/03/08(水) 00:38:58.75

スプルーアンスも本国では結構叩かれてなかった？