大型開発案件は技術力も大事だけどタイミングが同じくらい大事

イギリスがFCAS計画に残っていたら、エンジン技術を利用して有利な立場だったかもしれない
しかし、今から開発費持参で参加を申し入れても屈辱的な待遇しか得られない
政治的な確執を抜きにしても、今から開発体制を変更するのは迷惑な話でしかないから

日本の次期戦闘機開発だって同じこと
イギリスが2020年頃に開発参加を表明していれば、例え日本主導でも大きな役割を担ったかもしれない
開発スタートから3年以上も経過してしまえば、設計担当は既に決まっており
日本はイギリスに出資要請してたわけではないので、これから変更するのは開発遅延リスクを背負う日本にはデメリットしかない
だから日本は開発方針も変えないし、開発作業を止めたりしない
カスタマイズ部分に絞った共同開発、生産やカスタマイズ権利の話に絞って話を纏めようとしている

結果論ではあるが、あくまでもテンペスト構想実行を目指していたので
他の計画に合流して有利な立場を取るにはタイミングを外してしまった
イギリス主導の構想が頓挫した以上は、他の開発計画に参加して有利な立場が得られないのは当然
カスタマイズ権や国内生産の権利があるだけでも破格な待遇

日本だって2018年末にF-2後継機開発を先送りしたら、間に合わない問題に直面していた
防衛政策策定のタイミングで開発を決めないと全く違う展開になっていた
2018年末までにX-2実験機やXF9-1を開発して成果を出したのも大きかった
こうした技術開発のタイミングを間違えてたら、やはり間に合わない問題に直面した
単に技術開発すればよいのではなく、タイミングよくやることも大事

テンペストに関してはタイミングが全ての面で悪かった
開発スケジュールのタイミングも悪いし、技術開発のタイミングも悪かった
巨大事業ほどタイミングよく必要なことをやることが大事
イギリスは将来戦闘機に関してはタイミングをことごとく外した