BBC ウクライナ軍、ロシア軍の「竜の歯」を突破したのか?
2023年9月18日

・今のところ、ロシアの防衛線を越えているのはウクライナの歩兵隊のみ
・その突破口からウクライナの装甲車列が次々とロシアの陣地に入り、そのまま国土を奪還し掌握したという様子はない
・ヴェルボヴェ近くの野原の様子を、8月21日と9月7日の衛星画像で比較すると、緑だった場所が9月7日には穴だらけになっている
・ウクライナ軍は6月にこの地雷原を一気に突破しようとしたが、それはあっという間に失敗
・ウクライナが軍はその後、ロシアの地雷を個々に撤去する作戦に変更
・作業のほとんどは夜間で、しばしば砲火の下で行われ、ウクライナ軍の前進が遅いのはそのため
・ウクライナの戦車や装甲車がまとまって前進するには、地雷原を無事に通過できる、一定の幅がある通路が確保される必要がある
・ロシアは兵や装備の補給を送り込んでおり、この戦線は流動的に動いている
・ウクライナが奪還した領土を、ロシアが再度奪い返す可能性もある
・ロシア軍の精鋭、空挺軍が、ヴェルボヴェ村の近くに配備されたという情報を裏付ける、ロシアのドローン撮影映像を私たちは確認
・ウクライナ軍は依然として戦場で、ロシア軍の抵抗に遭っている
・ウクライナ軍は、沿岸までの距離の約10%しか前進できずにいる
・ウクライナの反転攻勢が始まってから3カ月。激しい攻撃にさらされ、ロシア軍の兵士たちは、疲れ果て、士気が下がっている可能性もある
・ウクライナ軍が残るロシア軍の防衛線を突破し、トクマクの町まで到達できれば、ロシアの補給線がウクライナ側の砲撃の射程圏に入る
・もしそれが実現すれば、今回の反転攻勢は一定の成果を収めた成功と評価できる
・この戦争は2024年に入っても、あるいはさらにその先までも続く可能性がある
・しかし、今回の反転攻勢が成功すれば、ロシア側の戦争遂行を大きく損なうことになる
・そうすれば、いずれ和平協議が始まった時、ウクライナは強い立場で交渉に臨めるようになる
・とはいえ、ウクライナに残された時間は限られている
・さらにその先には、アメリカ大統領選がどうなるかわからないという、不安要素が控えている
・プーチン大統領は、そこまでなんとか持ちこたえなくてはならないと理解している