フォンデアライエン欧州委員長はこの日の記者会見で、「首脳たちの支持が得られたことをうれしく思う」と述べた。欧州委員会は会議前日の20日、域内で凍結されているロシア中央銀行の資産から生じる利子や配当などの「利益」から、手数料や税金などを引いた25億ユーロから30億ユーロ(約4112億〜4935億円)の活用を提案。このうち9割を武器調達の基金に、1割を復興などが目的の基金に配分するとし、今回の首脳会議の議題の一つになっていた。

 ただ、資産から生じる「利益」であっても活用する法的根拠を明確にする必要があることや、使途が人道目的だけでないことへの抵抗感から、オーストリアとハンガリーがこの提案に反対。今後、加盟国の閣僚らでつくるEU理事会の作業部会で合法性や使途を検討した上で、EU理事会で諮られる。そこで全会一致が得られれば、ロシアの凍結資産に関連する資金を活用する世界初の試みとなる。