米陸軍は年間3万発の155mmクラスター弾を製造したいと考えている
https://www.defensenews.com/news/your-military/2025/11/25/us-army-wants-to-manufacture-30000-155mm-cluster-shells-per-year/

米陸軍は新型155mmクラスター砲弾XM1208を年間最大3万発生産できる複数企業の募集を開始した(2025年11月20日公表)。
背景にはウクライナ戦争による砲弾需要の急増と、次世代クラスター弾への更新計画がある。
米国は現在、通常の155mm砲弾を月4万発生産中で、欧米全体で生産力増強が進行している。
XM1208は分散生産可能設計で、各社に最低維持生産量と最大能力の提示を求めている。

XM1208はM109 PaladinおよびM777A2で使用可能。
搭載子弾はM99 Advanced Submunition×9発、最大射程は約22.5km。
電子時限信管M762/A1により空中放出、姿勢安定後、地上約1.5mで炸裂。
1発あたり約1200個のタングステン破片を放出する。

最大の開発目的は不発率の低減。
信管は近接・着弾・火工・二重電子の4重バックアップ構成。
従来型クラスター弾が抱えてきた民間人被害リスクの大幅低減を狙う。

冷戦期の主力DPICMは、M864(72子弾)、M26ロケット(644子弾)などが存在。
不発率は2〜14%、ロシア製では最大40%とされる。
このため戦後も小型地雷として民間人を長期に殺傷してきた。

国防総省は2008年に不発率1%以下を義務化したが、2017年に撤廃。
現在もDPICMは緊急用在庫として維持されている。

次世代計画はC-DAEMで、対戦車用XM1180、対人・軽装甲用XM1208を含む。
目標は殺傷力向上、対砲兵射程拡張、GPS妨害耐性、不発リスク最小化。

CSISのMark Cancianは、DPICMは「依然として実戦上有効」と指摘。
最大の技術課題は、不発率1%未満をコストと重量を抑えて達成することで、過去は未達成だった。