「本質は、自分自身の否定性を通じて自己を自己 へ媒介する有であるから、他のものへ関係することによってのみ、自分自身へ関係するものである」
(ヘーゲル「小論理学」)

「一般的ではない」(柄谷)、ところが、柄谷の言う「単独的」というのは、
「個的」だったわけですよ。柄谷の言う「他者」というのは、
「非対称的関係」の一方、ようは、たんに非本質の様態のことであった。
当時の柄谷は、ヘーゲル哲学を拒否しながら、低俗化したヘーゲル哲学的言辞を弄していただけだ、
と私は思う。