モニタなにつかってる?
1920*1080なら 23インチと24インチどっちがいいかね? 今1600*900の23インチ使ってるけど、FHDが欲しい スペース的に小さい23の方が良いけど、見やすさは24インチだったりするんだろうか? 使ってる人、詳しい人いたら教えて 店頭で見てきてからの方がいいよ 世間の評価と自分の目は結構別物 趣味でCG作る人、作らないで視聴者に徹する人は、モニター選びも設定も好き勝手にできる。 だが仕事でCG作る場合、金払う客が画質にクレーム付けてくる危険性がある。 そういう状況に備え、モニター選びや設定方法の裏付けとなりそうな資料を拾い集めた。 うちは研究者レポートを参考にして、画面表示を品質管理しています。 もっと良い手段があれば、お客様のほうから資料ご提示下さい。 ただし新たな設備投資が必要となったら、その費用はお客様にご負担願います。 感情的になって言いがかりつけてくるお客様でも、こういう案内で冷静に戻ることがある。 画面のドットが見えてしまう距離と密度は、その1 JEITAシンポジウム ディスプレイの利用実態から見た画素密度の要件 ttp://home.jeita.or.jp/device/lirec/symposium/fpd_2015/pdf/3a_kubota.pdf 大学生の近距離視力とスマートフォンの視距離 学生の平均視力1.32とした場合に 目から画面までの距離 / 画素が見分けできる限界 12cm以下 / 1000ppiでも見分けがついてしまう 15cm / 750ppi 20cm / 580ppi 25cm / 450ppi 30cm / 380ppi 35cm / 330ppi 40cm / 290ppi 45cm / 250ppi 50cm / 230ppi (ppi=pixel per inch) アプリケーション別の画面サイズと視距離の範囲 2Kの場合、画角33度 距離3Hよりも遠ければ画素は見えない 4Kの場合、画角61度、距離1.5Hよりも遠ければ画素は見えない ※JEITAシンポジウム2015の資料はいずれも興味深い。 ttp://home.jeita.or.jp/device/lirec/symposium/fpd_2015/index.htm 画面のドットが見えてしまう距離と密度は、その2 大阪大学 竹村研究室 - 広画角ディスプレイ ttp://www.lab.ime.cmc.osaka-u.ac.jp/~kiyo/cr/kiyokawa-2002-03-Hikari-Report/kiyokawa-2002-03- Hikari-Report.pdf ・人の目の最小分解能は、視力2.0の場合視角にして約0.5分(1/120度) ・1画素が視角0.5分で見えるための画素密度=画素が見分けられる限界 ・目からスクリーンまでの距離が 10cmの場合 900ppi 60cmの場合 150ppi 200cmの場合 45ppi (ppi=pixel per inch) 目から画面までの距離と視野角について 東京工芸大学 - 視機能からみた将来のディスプレイ ttp://www.gankougaku.gr.jp/pdf/contents_24_3_book.pdf ・作業しやすい近距離範囲 40〜70cm ・無理なく情報受容できる水平視野角 ±15度 (合計30度) ・無理なく情報受容できる垂直視野角 上向き8度 下向き12度 (合計20度) 写真や絵画を鑑賞する場合 ・手に取り、画像の細部に注目して見る ・離れて、画像全体を見る のでは、画像から感じる印象は違う、関連する視覚特性も違う ・前者 視機能の閾値(視力) ・後者 実際に見ている視野の広さと情報受容特性 見込む画角が30度(画面横幅の約2倍の観察距離)以上になると、 画像から迫力や臨場感を感じ始める。 ・20度以内 身体動揺が生じにくい範囲 ・20〜50度 2D視聴時と3D視聴時であまり差がない範囲 ・50〜110度 3D視聴時の方が身体動揺の大きい範囲 ・110度以上 身体動揺が飽和する 画面の適切な明るさ設定、その1 日本眼光学学会 ttp://www.gankougaku.gr.jp/pdf/contents_24_3_book.pdf 4ページ目 階調 (明暗の調子再現状態) ・人間が安定して情報利用できる輝度範囲 3〜500cd/u これよりも明るいとまぶしさなどの残効が発生 これよりも暗いと補助照明が必要 この場合のコントラスト比 250〜1000 ・2003年時点の平均的なディスプレイ輝度 平均200cd/u 最低輝度 3〜5cd/u 最高輝度 120〜550cd/u この場合のコントラスト比 40〜150 ・眼に負荷となる輝度 150cd/u以上 長時間見るとまぶしさなどの残効が発生 この場合のコントラスト比 10以上 ・眼に優しい輝度 80cd/u 背景輝度のほうが表示輝度よりも高い状態が望ましい この場合のコントラスト比 3以上 ※印刷紙でも、特殊紙以外はコントラスト5〜10以内 ・高忠実・高品質映像と眼に優しい表示とは相反する条件になる ・表示内容、作業動作、使用環境に応じて 表示特性が調整・切り替えできる機能が必要 画面の適切な明るさ設定、その2 JEITAシンポジウム - FPDへの人間工学的要求 ttp://home.jeita.or.jp/device/lirec/symposium/lcd_2007/doc/5C_kubota070215.pdf (1) 一般的なユーザーのPC画面輝度、実態は 成蹊大学 情報処理センター227台の測定結果(2006年) 1位 211-220cd/u 16% 2位 221-230cd/u 15% 3位 191-200cd/u 11% (同) 201-220cd/u 11% (同) 231-240cd/u 11% 6位 131-140cd/u 5% 211-240cd/uの状態が、全体の64%を占めていた 1〜3位のモニターは、ほとんど輝度調節していない 6位のモニターは輝度調節したと思われる (2) テレビ映像とPC画像の平均輝度レベル(ALL)は違う サンプル1.映画 ALL=7.97 (とても暗い) サンプル2.スポーツ中継 ALL=30.8 (やや暗い) サンプル3.Webブラウザ ALL=83.2 (とても明るい) (3) PC画面の適切な明るさは 44名で実験 (高齢者24名、若年者20名) 見やすく画質がよく長時間疲れないよう調整してもらう 17インチPCモニターを用意、輝度調整範囲 20〜400cd/u 高齢者の実験結果 100〜300cd/u未満 若年者の実験結果 70〜200cd/u未満 (4) テレビ画面の適切な明るさは 調査結果から、黒浮きせずまぶしさ控えめな輝度を試算 家庭向けの試算値 画面照度100lx 視野の平均輝度 10cd/u 適切な白輝度 300cd/u 適切な黒レベル 0.77cd/u その場合のコントラスト比 387 量販店向けの試算値 画面照度1000lx 視野の平均輝度 100cd/u 適切な白輝度 672cd/u 適切な黒レベル 2.04cd/u その場合のコントラスト比 330 最後に余計なお世話なんですが、画面までの距離とインチ数の2つ入力するだけでいろんな値を計算する表計算シートを作りました。 こんなかんじです。 ttp://i.imgur.com/oZhvbmK.jpg Libre Officeデータとcsvデータ両方作ってうpしてます。 ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org1114883.zip ダウンロードしたのがうまくいかない場合は、以下の文言を各セルにコピペしてください。 たぶん動くと思う・・・計算方法間違ってたら直してくださいよろしく A1セル 目からディスプレイまでの距離(センチメートル), B1セル ※ ここに数値を入れると計算されます C1セル 画面の対角(インチ), D1セル ※ ここに数値を入れると計算されます A2セル 画面の横幅(cm), B2セル 画面の縦幅(cm), C2セル 視野を占める角度 横方向, D2セル 視野を占める角度 縦方向, E2セル 視角1度当り画素数(ppd) 1920x1080の場合, F2セル 視角1度当り画素数(ppd) 3840x2160の場合 A3セル "=ROUND(D1*(16/SQRT(337))*2.54, 0)", B3セル "=ROUND(D1*(9/SQRT(337))*2.54, 0)", C3セル "=ROUND(DEGREES(ATAN(A3/2/B1))*2, 0)", D3セル "=ROUND(DEGREES(ATAN(B3/2/B1))*2, 0)", E3セル "=ROUND(1920/C3, 0)", F3セル "=ROUND(3840/C3, 0)" A4セル (使わないので空白) B4セル (使わないので空白) C4セル "=IF(C3>109,""これ以上ムダ"",IF(C3>29,""ゲーム向き"",""一覧性が良い""))", D4セル "=IF(D3>19,""ゲーム向き"",""一覧性が良い"")", E4セル "=IF(E3>61,""セーフ"",""画素バレ注意"")", F4セル "=IF(F3>65,""セーフ"",""画素バレ注意"")" 👀 Rock54: Caution(BBR-MD5:68f2ed3dc652fce4c9169aaf2a727f10) 10ビット色深度や、HDRの話題が増えつつあるので追記しておく 黒から白まで10ビット、つまり1024階調をすべて見たければ 0.05〜4000cd/uを出せる表示パネルが必要 1000cd/uでは811階調しか区別できない 輝度と、人間の目が見分けられる最小階調(JND) 0.05cd/uを真っ黒(1JND)としたとき 100%白の輝度 / 黒から白まで / 増えるJNDの段数 150cd/u / 532JND 300cd/u / 630JND / +98 450cd/u / 690JND / +60 600cd/u / 733JND / +43 750cd/u / 767JND / +34 1000cd/u / 811JND / +44 4000cd/u /1023JND / +212 0.05〜150cd/u間、約532JNDと比べた倍率は 100%白の輝度 / 明るさ倍率 / JND倍率 150cd/u / 1倍 / 1.00倍 300cd/u / 2倍 / 1.18倍 450cd/u / 3倍 / 1.30倍 600cd/u / 4倍 / 1.38倍 750cd/u / 5倍 / 1.44倍 1000cd/u / 6.7倍/ 1.52倍 4000cd/u / 26.7倍/ 2.00倍 上記データは、アメリカの医療学会と電子機器業界で取り決めた DICOM規格の、GSDFという対応表から引用。21ページ ttp://dicom.nema.org/dicom/2006/06_14pu.pdf 日本語でグラフ付きの解説はこちら、4〜5ページ ttp://www.eizo.co.jp/products/tech/files/2004/wp_jp_04_001_grayscale.pdf テレビ業界規格のガンマカーブについて調べたことを書きます 理解できる人に見て頂いて間違いがあれば、訂正いただけるとありがたいです ・ITU-R BT.709 のガンマカーブは、単純な2.2乗ではない ブラウン管の特性を考慮したせいか、複雑な計算式になっている ・ITU-R BT.1886 のガンマカーブは、単純な2.4乗ではない フラットパネル(プラズマや液晶)の特性を考慮したせいか、複雑な計算式になっている ・表計算ソフトにBT.709/1886計算式を入れてグラフを作る 単純な2.2乗/2.4乗カーブと比べると、ぴったり一致しないことがわかる BT.709 カメラで撮った明るさL -> ビデオ信号V への計算 [式1] V=4.500L for 0.018>L≧0 明るさが1.8%未満の場合 4.5倍すると、ビデオ信号にできる [式2] V=1.099L^(0.45乗)-0.099 for 1≧L≧0.018 明るさが1.8%以上の場合 0.45乗->1.099倍->マイナス0.099 すると、ビデオ信号にできる ・表計算ソフトのセルに入れる式 =L^0.45*1.099-0.099 ・Windows関数電卓では Lx^y0.45*1.099-0.099= (Lの部分を計算したい値に替え、電卓にコピペすると、Vの答えが出ます) ーーーーーーーーーーーーーーーーーー BT.709 ビデオ信号V -> テレビ画面の明るさL への計算 [式1] L=V/4.500 for 0.081>V≧0 ビデオ信号が8.1%未満の場合 4.5で割ると、テレビ画面の明るさにできる [式2] L={V+0.099^(0.45の逆数で累乗)} ÷ 1.099 for 1≧V≧0.081 ビデオ信号が8.1%以上の場合 0.099を足す->1.099で割る->0.45の逆数で累乗すると、テレビ画面の明るさにできる ・表計算ソフトのセルに入れる式 =(V+0.099)/1.099^(1/0.45) ・Windows関数電卓では (V+0.099)/1.099x^y(1/x0.45)= (Vの部分を計算したい値に替え、電卓にコピペすると、Lの答えが出ます) BT.1886 カメラで撮った明るさL -> ビデオ信号V への計算 ※ これは存在しません ーーーーーーーーーーーーーーーーーー BT.1886 ビデオ信号V -> テレビ画面の明るさL への計算 [式1] a = { Lw^(1/γ) ー Lb^(1/γ) }^γ [式2] b = Lb^(1/γ) ÷ { Lw^(1/γ) ー Lb^(1/γ) } [式3] V = (D ー 64) ÷ 876 [式4] L = a ( max[(V + b), 0] )^γ [式5] γ = 2.40 [前提1] Lw: ある特定のディスプレイが出せる、最高の明るさ=白 (絶対値 cd/m2) [前提2] Lb: ある特定のディスプレイが出せる、最低の暗さ=黒 (絶対値 cd/m2) [式1] a: 可変ゲイン (ある特定のディスプレイで表現できる、黒から白までの幅) [式2] b: 可変黒レベル (ある特定のディスプレイに生じてしまう、黒浮きによる上げ底の割合) [式3] D: 外部から送り込まれる映像データの明るさ値 (ビット) V: データの明るさ値を、黒(0=0%)から白(1=100%)までの間に割り当てる [式4] L: 表示させたいV値が、ある特定のディスプレイに出たときの、物理的な明るさ (cd/m2) max[(V+b),0] は、(V+b)とゼロを比べ、数字が大きいほうを計算に使うという意味 [式5] ^γ: ガンマ2.4乗 ^(1/γ): 逆ガンマ1/2.4乗 BT.1886 なぜこのような計算式なのか推測 1/2 ・ディスプレイの明るさはメーカーや機種によって違う ・バックライト光量が少ないと白が弱い ・バックライトが漏れると黒が浮く ・黒から白までの明るさ範囲が違うディスプレイを並べると、同じ絵を出しても見え方が異なってしまう ・どのディスプレイでも、明暗の表示バランスが似たような傾向に見える仕組みを用意したい [式1] 可変ゲインa = { 白の画面輝度^(1/2.4乗) − 黒の画面輝度^(1/2.4乗) } ^2.4乗 ある特定のディスプレイが出せる、白から黒までの明るさ範囲はいくらか [式2] 可変黒レベルb = 黒の画面輝度^(1/2.4乗) ÷ { 白の画面輝度^(1/2.4乗) ? 黒の画面輝度^(1/2.4乗) } 明るさ範囲を100%としたとき、それと比べて黒浮きの量は何%になるか ※バックライト漏れが多いと、この割合は増える BT.1886 なぜこのような計算式なのか推測 2/2 [式3] 入力信号V = (外部から送り込まれる映像データ値D ー 64) ÷ 876 Dが10ビットの場合、黒から白までの階調は1024段 だがテレビの規格では、0〜63の間と、941〜1024の間はなるべく使わない 前段の装置が異常動作してはみ出した値を送り込まれたとき、非常受入範囲に使う 正常な映像データとして受け付けるのは 64(黒0%)〜940(白100%) までの、876段 映像データ値D−64を876で割ると、黒0%〜白100%の明るさ範囲の中で、何%に達するかわかる 割り算でマイナスが出たり、1を越えたら、はみ出した値だとわかる [式4] 実際の画面に出す明るさL = 可変ゲインa × (入力信号V + 可変黒レベルb) ^2.4乗 876で割って出した%値と、黒浮きの%値を足す 特定ディスプレイの明るさ範囲に、この%値を掛ければ、物理的な明るさを決められる [式5] 累乗でガンマカーブを作る理由 ウェーバー・フェヒナーの法則 人間の五感は、値が小さいとき、少しの変化でも気付きやすい 値が大きくなると、少しの変化では気付かない、大きく変化させてようやく気付く それをグラフにすると、××倍ではなく、××乗で描いたほうが近い形になる >>674 に書いた内容の一部が間違っていたので訂正 BT.709 ビデオ信号V -> テレビ画面の明るさL への計算 誤: [式2] L={V+0.099^(0.45の逆数で累乗)} ÷ 1.099 正: [式2] L={ (V+0.099) ÷ 1.099 }^(0.45の逆数で累乗) ツイッターとかで絵描きが「安物と高級品のディスプレイではこんなに違う!」みたいな比較画像上げて騒ぎ立てるのを稀に見るけど ステマか何かなんかね? 誤差を大袈裟に加工したイメージ並べられても、それを安物ディスプレイで見てる俺らに何を訴えかけたいのか >>666 ・人間が安定して情報利用できる輝度範囲 3〜500cd/u に補足 この学説、最も古いものは1963年 IRT(ドイツ放送技術機構)の研究員 Rainer Grosskopf がCCIR(現ITU)会合で発表したデータ モニターがある部屋全体の照明が明るくなったり暗くなったり変化すると 人間の目は輝度下限と輝度上限の幅を一定に保ちながら、スライドするという概念 のちの映像業界でたびたび引用されることになった http://i.imgur.com/zjO8DRc.png 日本機械工業連合会 「平成19年度 高質感映像に関する調査研究 報告書」29ページ http://www.jmf.or.jp/japanese/houkokusho/kensaku/pdf/2008/19kodoka_06.pdf http://i.imgur.com/mFsUMfs.png 東芝 2010年度 一般論文 「周囲の明るさによらずLCD画面を見やすく表示する視聴環境適応表示技術」 https://www.toshiba.co.jp/tech/review/2010/10/65_10pdf/f01.pdf 海外の論文でも類似のグラフが散見される これに真っ向から反論する学説も見当たらなかったので 一応、古典的な定説として認められているらしい さらに補足 > 人間の目は輝度下限と輝度上限の幅を一定に保ちながら、スライドするという概念 は、動物実験データから得られたものだった 「生きた猫の目に電極を刺して」測定したという。いや、ちょっとそれは・・・ ともかく、グラフはこちら (グロ写真は無いので安心してください) http://i.imgur.com/QFV4bsY.png # 図の特性を得るには生きている動物の眼に # 電極を刺して測定しなければならないので # 人間の特性を筆者は見たことはないが # 人間の特性も大きな違いはないであろうと # 視覚研究者に教えられた。 古い時代に行われた実験のようだが、さすがに現在では倫理的に不可能だろう 原文PDFはこちら パナソニック技報 2011年 招待論文 視覚に挑む高画質技術の課題と期待 https://www.panasonic.com/jp/corporate/technology-design/ptj/pdf/v5604/p0202.pdf 後味が悪い内容だったので、口直しに >>673-678 の補足 BT.709、BT1886計算式のカーブを表計算ソフト上で再現するには 下図のような表を作り、入力する値を変えると http://i.imgur.com/UdGxT5o.png グラフを作ったとき、カーブの形が変化するのを実際に見て確かめられる http://i.imgur.com/neZMbHG.png http://i.imgur.com/1STl39M.png 各セルに入れる文言と計算式 B1セル Lw:白のスクリーン輝度(cd/m2) C1セル Lb:黒のスクリーン輝度(cd/m2) D1セル 単純なガンマ値 E1セル BT.709 逆ガンマ値 (規定 0.45) F1セル BT.1886 ガンマ値 (規定2.4) B2セル ※ 表完成後に任意の値を入れると、4行目や7行目以降の値が計算される C2セル ※ (同じ) D2セル ※ (同じ) E2セル ※ (同じ) F2セル ※ (同じ) B3セル a:可変ゲイン(従来のコントラスト) C3セル b:可変黒レベル(従来のブライトネス) E3セル BT.709 復元用ガンマ値 (上記値の逆数) B4セル =($B$2^(1/2.4)-$C$2^(1/2.4))^2.4 C4セル =$C$2^(1/2.4)/($B$2^(1/2.4)-$C$2^(1/2.4)) E4セル =1/$E$2 続きます A6セル パソコンRGB値 16-235 で入力 B6セル パソコンRGB値を カメラセンサーが受光する明るさ率に換算 値L C6セル BT.709逆ガンマ (0.45) をかけたビデオ信号率 値V D6セル 単純計算で復元 (上記ガンマ値を使用) E6セル BT709計算式で復元 (上記ガンマ値を使用) F6セル BT1886計算式で復元 (上記ガンマ値を使用) G6セル BT1886で画面に復元した明るさ絶対値 I6セル BT709を基準とし、単純ガンマはどのくらい乖離しているか J6セル BT709を基準とし、BT1886はどのくらい乖離しているか A7セル ※ ここへ 16〜235 まで任意の値を入れる B7セル =(A7-16)/219 C7セル =IF(B7>=0.018, (B7^0.45)*1.099-0.099, B7*4.5) D7セル =C7^$D$2 E7セル =IF(C7>=0.081, ((C7+0.099)/1.099)^(1/$E$2), C7/4.5) F7セル =(G7-$C$2)/($B$2-$C$2) G7セル =(C7+$C$4)^$F$2*$B$4 I7セル =E7-D7 J7セル =E7-F7 ・7行目の1列をコピーし、8行目〜246行の範囲へ単純にペースト ・表が出来上がったら、B2〜F2のセル5個に値を入れる ・上記セルの値を替えると、4行目や7行目以降の値が変化する ※ グラフの作り方はソフトによって異なるので、自力で調べて下さい 例1) http://i.imgur.com/bCnnWxq.png ガンマを単純に2.2で計算したカーブは、RGB値75付近で誤差4%越えてしまう 例2) http://i.imgur.com/KLFfnYh.png BT.1886計算式で 最高輝度80cd/m2 最低輝度1cd/m2 に設定すると、誤差は1%未満 例3) http://i.imgur.com/lQHQusW.png しかし、暗部階調を増やそうとして最低輝度を0.05cd/m2まで落とすと、誤差は5%越えてしまう 例4) http://i.imgur.com/hJF9f1I.png 単純ガンマカーブを2.0に設定すると、誤差は最大でも1.5%程度で済む カメラマン・CGクリエーター・ビデオ編集オペレーターにとってマスターモニターは必要な道具だが、 モニター設定基準となる資料が見つからず苦労している人のために、下記資料の抜き書きをまとめる ARIB(電波産業会) 規格書TR-B28 1.0版 策定 平成18年(2006年)12月12日 平面ディスプレイ(LCD、PDP)に対するマスターモニターとしての要求条件 2.1 ピーク輝度/全白輝度 ・Yレベル 940 (白 100%) 入力時、輝度 100〜250cd/m2 どのレベルにも調整可能なこと ・Yレベル 64 (黒) 〜 1019 (白 109%) まで入力時、それぞれのレベルで階調表現できること ・100%〜109%においても 1/ガンマ乗 (=約2.2乗) に従っていること ※ 注1 ・色温度 D93、D65 のいずれでも上記を満たすこと ・ABL (Automatic Brightness Limiter) 機能はなるべく働かないこと (PDPのみに適用) ※ 注1 10ビット表示の値は レベル1019 映像データの最大値 レベル940 白ピーク(白100%) レベル64 黒 2.2 黒 ・Yレベル64 (黒) の信号を入力した時、輝度が 0.01cd/m2 以下であること 続きます 2.3 コントラスト比 ・350:1 以上であること 黒レベルを調整し、100%白輝度を 100cd/m2 に調整した状態で、100%白部分と黒部分の測定比率 2.4 ガンマ特性 ・Rec. ITU-R BT 709 規定ガンマの逆特性に従うこと 正面方向だけでなく、画面中心垂直軸の上下、左右、斜め±45度で測定 白100%〜109%の間も709規定ガンマの逆特性に従うこと ・R, G, B の各特性が一致していること 2.5 階調性 ・R, G, B それぞれの階調が10bit以上であること。※ 注2 注3 ※ 注2 FRCを用いた10ビット階調ではなく、1フレームにおいて10ビット階調を確保すること ※ 注3 レベル64〜1019をそのまま扱えばよく、この間の956レベルを改めて1024に分割しなくてもよい 2.6 色再現域 ・Rec. ITU-R BT-709 規定の3原色色度点、輝度方程式に一致する信号が入力された場合、 FPDの持つ色再現域にかかわらず Rec. ITU-R BT 709 で規定された値で表示すること 続きます 2.7 (白色) 色温度 ・D65、D93 のどちらも表示できること ※ 注4 ・信号レベルによって色温度が変動しないこと ※ 注4 どちらかの色温度を中心に設計すると、光源は共通なので、 もう一方の色温度は信号処理により実現することで、10ビット精度を確保できない場合、 どちらの色温度を中心にするかは設計上の自由とする 2.8 視野角 ・画面中心垂直軸±45度範囲いずれの方向からも、色の変化や輝度の変化が検知されないこと ・上下、左右、斜め±45度の各方向で ±30度範囲の輝度 垂直方向と比べて90%以上 ±30度〜45度範囲の輝度 垂直方向と比べて80%以上 2.9 動画ボヤケ ・動画ボヤケがCRTと同程度、もしくは検知されない範囲であること 2.10 解像度 ・R, G, B それぞれの映像表示領域は 1920x1080 であること 2.11 ユニフォーミティ ・輝度信号レベルごとに画面全体にわたって測定された書く測定店での輝度値に対して、 (最大値−最小値)/平均値≦0.10 を満たすこと 2.12 ムラ ・再現された輝度および色度にかかわらず、ムラが検知されないこと 続きます 2.13 スミア ・画面中央がYレベル64 (黒) の矩形、その周りがグレーになっている信号 画面中央がYレベル940 (白) の矩形、その周りがグレーになっている信号 を入力したとき、 矩形に垂直水平で隣接するグレー輝度と、斜め方向のグレー輝度が同じであること 2.14 ノイズ ・誤差拡散によるノイズが目立たないこと ・擬似輪郭が目立たないこと (PDPのみに適用) 2.15 安定性 ・電源投入後30分以上経過したら画質に影響する要素の時間変動は気付かない範囲であること 2.16 サイズ ・サイズの選択はメーカ、ユーザの自由裁量だが、アスペクト比16:9で18〜32インチが適当である 2.17 画素欠陥 ・極力ないこと ・連結欠陥は絶対にないこと 2.18 リンギング ・CRTと同程度であること 2.19 焼き付き (長期残像) ・CRTと同程度であること 以上です が、ARIB TR-B28 は全部で91ページあります 抜き書きには収められなかった内容もあるので、できれば原本に目を通して下さい 映像制作系会社なら職場にあるかもしれません そういう環境にいない人は、図書館で取り寄せてもらうか、ARIBから非会員扱いで購入して下さい InterBEE2017会場で各ブースにヒアリング実施 メーカーに対する質問 販売するマスモニの出荷時デフォルト値 社名: ルミナンス値100%時の輝度 / ガンマ値 / 色温度 ソニー:100nits / 2.4 / 6500k パナソニック: (有識者を探し当てられず不明) 池上通信機: (有識者を探し当てられず不明) キー局に対する質問 局内マスモニ・ピクモニの設定基準 局名: ルミナンス値100%時の輝度 / ガンマ値 / 色温度 NHK:明答を避ける / 明答を避ける / 6500k 日テレ: (有識者を探し当てられず不明) テレ朝: (有識者を探し当てられず不明) TBS: 明答を避ける / 明答を避ける / 9300k CX: (有識者を探し当てられず不明) テレ東: (有識者を探し当てられず不明) 上記ヒアリング 追加情報 ソニーブース ご回答者様 BVM・PVM展示コーナー技術説明員 SMPTE・ARIBなどの標準規格が定める値には極力従う方針だが、過去販売製品の一部には例外があった SD/HDサイマル放送時期、モニター設定画面の言語表示を日本語にすると デフォルト色温度が9300kに切り替わる機種も存在した模様 しかし、現在販売するBVM・PVMシリーズは、デフォルト色温度6500kで出荷 デフォルト最大輝度100nitsという値は、過去のブラウン管モニターなどと整合性を取るため 設定変更すればもっと輝度を上げられる 現行ハイエンド機種BVM-X300は、全画面白表示状態で最高1000nitsに設定可能 BVM・PVM調整の対応キャリブレーターは、コニカミノルタ製CA-310以外に x-rite製i1 Pro、i1 Display Proなども使用可能 ただしx-rite製は安価で精度もそれなりなので、暗部階調に誤差が出る可能性あり それをご了承のうえ運用いただきたい キャリブレーション作業にはソニー製ソフト “Monitor_AutoWhiteAdjustment” を使用する事 ソニーWebサイトから無償ダウンロード可能 キャリブレーションはソニービジネスソリューションに有償依頼することも可能 現地訪問作業も応じるのでご相談いただきたい 上記ヒアリング 追加情報 NHK・JEITAブース ご回答者様 8Kモニター展示コーナー技術説明員 局内すべてのモニターは技術局員が調整を行う サブ運用スタッフや各編集室オペレーターが独断で調整する事は無い キャリブレーターは、コニカミノルタ製CA-310などの業務用を必ず使う x-rite製i1 Pro、i1 Display Proなどの半民生品を使うことはあり得ない 白表示時の輝度設定は、モニター設置ルームの照明環境を考慮して決める 室内照明器具は、局舎全体でなるべく同じ機種に統一する方針 局舎が巨大なので、部屋ごとに異なる照明器具を使われると故障交換時に調達が困難になるため 色温度については6500kに統一した、9300k設定機は存在させない方針 上記ヒアリング 追加情報 TBSブース ご回答者様 スケルトンオペレーションルーム技術説明員 白表示時の輝度設定、ガンマ値については記憶が確かでなく即答しかねる 色温度の設定基本方針は9300kである ただし、私(本件のご回答者様)は技術作業の一線から退いており 現時点の基本方針や最新情報を確約するわけでは無い ソニー、NHKは担当スタッフが現役技術者らしく自信もって回答していた TBSは現場から足を洗ったシニアエンジニアのようで、何かと明言を避ける様子が見られた 不用意な発言で言質を取られることを警戒していた模様 悪意は無く、キー局運用実態の把握が目的だったので、この場を借りてお詫び申し上げたい HDRコンテンツ制作の輝度レンジについて規格策定各社の見解 1/3 ドルビージャパン(株)ディレクター・真野克己氏 (記事 2015年3月) > ドルビーが500人以上の被験者を対象に行ったテストによると、 > 84%の人が自然に近く、好ましい映像と感じるのが、 > 最大10,000Nitsまで表示できるディスプレイ。 > 一方で下限については0.005Nitsあれば、 > ”艶やかな黒”として受け入れられるという検証結果が出た。 https://www.phileweb.com/review/article/201503/17/1558.html HDRコンテンツ制作の輝度レンジについて規格策定各社の見解 2/3 パナソニック(株)AVCネットワーク社 技術本部 小塚雅之氏 (記事 2015年1月) > 「まず、消費電力や安全性などの問題もあり、 > 家庭用では1,000NIT程度までが適当であると考えています。 > ただし、この絶対的な明るさについては映画スタジオさんによって考え方が異なっており、 > あるスタジオでは4,000NITくらいでマスタリングしたい、 > あるスタジオは1,000NITでいいけど、将来的に使うかもしれないから > 規格としては10,000NITまで入れたいといった要望があり、 > 上限として10,000NITとしました」 https://www.phileweb.com/news/d-av/201501/08/36191_4.html HDRコンテンツ制作の輝度レンジについて規格策定各社の見解 3/3 パナソニック(株)AVCネットワーク社 技術本部 小塚雅之氏 パナソニック(株)アプライアンス社 技術本部 森美裕氏 (記事 2015年8月) > オーサリングガイドラインでは > 1,000nitを超える領域は小さな面積の鏡面反射のような部分に限定すること > 平均が400nitを超えないこと https://www.phileweb.com/news/d-av/201508/18/37210.html https://www.phileweb.com/news/photo/d-av/372/37210/hdr10.jpg ヒトの目が輝度を認知するとき起こる現象についてはひとまず筆を置き 次は色相と彩度について調べていきます ヒトの視覚認知は以下の傾向を持っているようです 輝度 かなり細かく判別できる 色相 そこそこ細かく判別できる 彩度 おおざっぱな判別になってしまう 詳細は後日 誰でも簡単にネットで稼げる方法など 参考までに、 ⇒ 『半藤のブブイウイウレレ』 というサイトで見ることができます。 グーグル検索⇒『半藤のブブイウイウレレ』 T2XYA4BHV7 HDR輝度モニターの設定を論じるWebサイトは多いが そもそも、これまでのSDR輝度モニター規定値はいくらだったのか? を記述したWebサイトが見当たらない ここにまとめる ITU-R BT.500-8 (1998年) 解像度を限定しない場合のテレビのピーク輝度 200 cd/m2 ITU-R BT.710-4 (1998年) HD解像度テレビのピーク輝度 150-250 cd/m2 の間でユーザーが任意に決めてよい ITU-R BT.1886 (2011年) ブラウン管とフラットパネルを並べて目視する場合 性能が低いブラウン管のほうへ合わせ込むためには 100 cd/m2 まで下げてもよい DCI Digital Cinema System Specification V1.0 (2005年) 映画館で上映する作品をスクリーンに投射する場合 画面中央に表示される白い被写体 48 cd/m2 SDR輝度モニター規定値については上で述べた 次に、HDR輝度モニター規定値を述べる ITU-R BT.2408-0 (2017年) HDR環境で映像制作する際の、暫定的な推奨値 調整の目安にする被写体 | 推奨輝度 | PQ値 | HLG値 中間の灰色(18%グレー) | 26 cd/m2 | 38% | 38% 白に近いグレー (83%) | 162 cd/m2 | 56% | 71% 白に近いグレー (90%) | 179 cd/m2 | 57% | 73% 光沢反射しない物体白色 | 203 cd/m2 | 58% | 75% 森林樹木 | 30-65 cd/m2 | 39-47% | 40-55% アイススケート競技面 | 155 cd/m2 | 55% | 71% 一般的な物体白色 | 140-425 cd/m2 | 54-66% | 69-87% ITU-R BT.2408-0 (2017年) 続き 室内撮影と野外撮影では、設定輝度を変えると場所の違いを見分けやすい 室内で目安にする被写体 | 推奨輝度 | PQ値 | HLG値 中間の灰色(18%グレー) | 17 cd/m2 | 34% | (記述無し) 光沢反射しない物体白色 | 140 cd/m2 | 54% | (記述無し) 野外で目安にする被写体 | 推奨輝度 | PQ値 | HLG値 中間の灰色(18%グレー) | 57 cd/m2 | 45% | (記述無し) 光沢反射しない物体白色 | 425 cd/m2 | 66% | (記述無し) ITU-R BT.2408-0 各値に関する注意点 注意点1. HLGの%値は、モニター最高輝度を1000cd/m2に設定した場合の値 注意点2. BT.709(SDR)・PQ・HLGは、波形モニターの%値が同じでも、ピクチャーモニターから実際に出る発光輝度はそれぞれ違う PQ/HLG映像を作る時、波形モニターがBT.709モードのままだと正しく計れない PQ映像を作る時、波形モニター設定はPQモードに切替が必要 HLG映像を作る時、波形モニター設定はHLGモードに切替が必要 注意点3. この値は強制ではない、推奨である 映像の加工調整時、この値を基準に輝度を上げ下げすれば迷いが減る 映像制作担当者に明確な狙いがあるなら、完成品がこの値から外れていてもよい ただし、音声にオーディオラウドネス規制が出来たように、将来は映像も輝度規制される可能性はあり得る 注意点4. これらは2017年時点の暫定値である 今後、実験と研究が進むと、これらの値は変更される可能性がある 各自、最新情報を随時調べて頂きたい 映画・テレビの映像に関する標準規格は SMPTEが取り決め -> ITUが採用 -> 各種民生規格に流用 この流れをたどる事が多い 日本におけるHDR基礎研究レポートの例 2015年 映像情報メディア学会技術報告「情報ディスプレイ」 8Kスーパーハイビジョンテレビに適した画面輝度の基礎調査結果 NHK放送技術研究所 池田善敬氏 家庭用テレビは 黒輝度 0.1〜0.3 cd/m2 ピーク輝度 500 cd/m2 が適切であろうと報告している 実験方法と結果詳細は下記URL参照 http://www.stellacorp.co.jp/media/conference_past/1507display.html HDR映像の上にかぶせるテロップ・CGの輝度はいくらが適切か テロップ文字の周りを取り囲む白い四角形を テレビ業界では "ザブトン" と呼ぶ 最高輝度1000nitsのディスプレイで ザブトンの白色 (8ビット時255、10ビット時1023) を1000nitsで出してしまうと、まぶし過ぎて直視できない場合がある そこで、ザブトンを乗せる前のベース映像の平均輝度 (APL=Average Picture Level) を計算し、 APL値ごとにザブトンの適正値を割り出す研究が行われた いずれもHLG映像の%値である APL / ザブトン白色 54% / 85% 40% / 80% 30% / 75% 映像情報メディア学会誌 年報2017年9月号 7/16ページから引用 http://www.ite.or.jp/contents/annual-rep/1709nenpo.pdf >>702-707 内容をふまえ CG制作者・カラーグレーディング作業者が HDR映像を制作するときの目安となる値をまとめる あくまで2018年時点の筆者私見である事に留意されたい 黒=物体色の最低輝度 0.1 cd/m2 これより低い輝度を使って暗部階調を描画しても 一般家庭の照明環境では黒つぶれして見えない可能性がある 白=物体色の最高輝度 光沢が無い、理想的な物体白色 (ディフューズホワイト) 基本 203 cd/m2 室内 140 cd/m2 野外 425 cd/m2 テロップ・CGの白輝度 203 cd/m2 (HLG 75%) ただし、APL値が30%越えたら映像内容に応じて上げる 鏡面反射・光沢表現 (スペキュラーハイライト) 203〜500 cd/m2の範囲を使って描画する 現時点で使うには不安がある輝度範囲 500 cd/m2以上 2018年時点で市販される民生用ディスプレイの性能を考慮すると 正しく描画されない可能性がある ここまでの記述を読み 人間の目は、物理的な光の強弱を、絶対値として読み取れると 誤解された方がおられるかもしれないが、それは違う 以下の記述を参照されたい 米国放送機器展 NAB デジタルシネマサミット (2004年4月17日) 講演(2) The "White" Paper Matt Cowan氏 (RealD社 元サイエンテフィックオフィサー) Loren Nielsen氏 (Xperi社 現ヴァイスプレジデント) > 映画製作時から上映までに用いられるホワイトには、 > 「製作時のホワイト」、 > 「エンコーディング時のホワイト」、 > 「ディスプレイにおけるホワイト」 > が存在する。 > > この中で一番重要なのが、製作時のホワイトであり、 > ストーリーやシーンの内容によりさまざまな値が用いられている。 > > 視 聴 時 の 感 覚 は 相 対 的 な も の で あ り、 > > 物 理 的 な 絶 対 量 で は な い 。 > > この相対的な感覚により、 > 実際の世界では広いレンジを必要とするホワイトでも、 > スクリーン上で表現することを可能としている。 > > 例えば、「雪のホワイト」、「雲のホワイト」、「明るい物体のホワイト」 > などは、実際の世界では非常に広い物理的なレンジを必要とするが、 > 人間の知覚が相対値であるため、 > 限られたレンジしか表現できないスクリーン上でも表現が可能となる。 「デジタルシネマに関する調査研究」報告書 財団法人デジタルコンテンツ協会 https://hojo.keirin-autorace.or.jp/seikabutu/seika/16nx_/bhu_/it_/h16_it_digitalcontentskyoukai-8.pdf アンセル・アダムス ゾーンシステム モノクロ風景写真の大家、アンセル・アダムス氏が提唱したフィルム撮影技法 画像の明るさを調整するとき 黒から白まで、明暗のバランスをどのように割り当てると 多くの人に自然に見えるよう調和させられるか 11段のゾーンに分類した 美術大学・芸術大学で学んだ方はとっくにご存知で読むのも馬鹿馬鹿しいだろうが 学ぶ機会が無いままCG制作・映像制作に手を染めた者にとってはとても役立つ基礎知識なので ここに提示する ゾーン 0 完全な黒 ゾーン10 純白 テクスチュアル・レンジ 質感を得られ材質を認識できる範囲 ゾーン2 から ゾーン8 まで 映画撮影で物体色の表現に使う領域 ゾーン3 から ゾーン7 まで https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BE%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%A0 ゾーンシステムは、映画・テレビ業界で広く応用されているが 上記のゾーン解説内容をかたくなに守っているわけでは無い コンテンツ内容・出力表示デバイスの違いによってアレンジしている テレビ番組の典型例として、NHK報道オンエア映像を示す 画像下部グラフは、ビデオ編集ソフトの波形モニター 明暗の分布をパーセントで表したもので、ルミナンス値と呼ぶ ニュース スタジオ映像 サンプル1 https://i.imgur.com/2HqxopH.png ニュース スタジオ映像 サンプル2 https://i.imgur.com/6t6rHkH.png ニュース 外出取材撮影 室内 https://i.imgur.com/xiJWds4.png ニュース 外出取材撮影 野外 https://i.imgur.com/HpUZPvk.png ・ルミナンス値20%以下、ゾーン0〜2領域はほとんど使わない ・ルミナンス値50%以上、ゾーン5〜11領域に多くの被写体を収める これは報道・バラエティ系映像の大きな特徴となっている 映像内容全体の明るさをパーセント値で平均化したものを APL (Average PictureLevel) と呼ぶ 10年ほど前、日本のテレビ放送の実態調査が行われた 2009年7月31日〜8月7日 計1週間 総計測時間 829時間 総番組数 1211番組 番組分類 / APL / 放送時間に占める割合 ワイドショー/ APL 49.3% / 27% ニュース / APL 47.7% / 22.5% バラエティ / APL 49.6% / 22.2% ドラマ / APL 36.0% / 10.5% その他 / (APL不明) / 17.8% 映画 / (APL不明) / 10%以下 賛否は別として、我々日本人はこの状態の動画を見慣れている この値からかけ離れた映像を作る場合、視聴者から反発を買わない工夫が必要だ 消費電力の低減と視覚疲労の軽減のためのハイビジョン液晶テレビの適正視聴条件 JEITA主催 FPDの人間工学シンポジウム https://home.jeita.or.jp/device/lirec/symposium/fpd_2010/doc/5b_kubota.pdf 以下リンク先のJPG画像2点を参照いただきたい 現実の世界を光度測定器で計り、絶対輝度値を示した画像である テクトロニクス社提供 HDR映像サンプル 一般的な室内 天井の照明 5,000nits 窓から入る日光 500,000nts以上 https://i.imgur.com/xOdziAV.jpg ドルビー社&ソニー社提供 HDR映像サンプル 昼の野外駐車場 路面 2,100nits 草木 3,600nits 自動車の側面 330,000nits https://i.imgur.com/pdiy9hL.jpg しかし、表示デバイスは2018年現在、そこまでの高輝度を出せない ソニーが開発製造するCrystal LEDディスプレイシステムを展示会でご覧になり 高輝度に驚かれた方もおられると思うが、それでも物理的には1000nitsしか出ていない ディスプレイユニット ZRD-2 輝度 最大 約1,000cd/m2 https://www.sony.jp/products/catalog/SPC_ZRD-2.pdf つまり「光量の物理測定的な正しさ」は再現できていないのだ 物理的にはまったく不足なのに、なぜ高輝度と感じるのか それは >>710 で述べた > 視 聴 時 の 感 覚 は 相 対 的 な も の で あ り、 > > 物 理 的 な 絶 対 量 で は な い 。 事が理由だ。 ・カメラRAWデータ現像 ・3D-CG作画 ・実写とCGの合成 ・カラーグレーディング これらの作業で色を加工・変化させる際 絶対量ではなく、相対量を動かしているという認識で >>703 に述べた値 (18%グレー PQ, HLG, いずれも38%) を中心に、上へ浮かせる率、下へ沈める率を伸縮させる ただ、解釈や把握の価値観は人によって異なるので、個々人で考えること Photoshopなどのヒストグラム表示ではルミナンス値の正確な把握が難しい ・波形モニター専用機 ・ビデオ編集ソフトの波形・ベクトル表示 などを活用すればわかりやすくなる HDR解説グラフでPQガンマカーブを描いたものは多いが HLGガンマカーブを描いたものはWeb検索でも少ない。 そこで海外資料を査読し BT1886、PQ、HLG、各ガンマカーブの比較をグラフにまとめた。 全図 https://i.imgur.com/WTn9wP8.png 比較 BT1886 と HLG https://i.imgur.com/mw3RYiP.png 比較 PQ 10ビット と HLG https://i.imgur.com/JYVICC7.png 比較 PQ 12ビット と HLG https://i.imgur.com/b17f0Dp.png 比較 BT1886 10ビット、PQ 10ビット、HLG 10ビット https://i.imgur.com/Xl4URMf.png 注目すべき点は、次の投稿で述べる。 HLGガンマカーブのユニークな形状には、以下の特徴がある。 ・20 〜 110 cd/m2間は、 PQカーブの下へ潜る ・45 cd/m2付近で、Barten曲線にほぼ近づく 18%グレー 〜 スキントーン 間はテレビ番組において多用されるが この領域の明暗階調をきめ細かく刻むという点では、HLGのほう優位だ。 スキントーン (人間の皮膚の色) は誤差や劣化が少しでも生じると 多くの人に違和感を持たれてしまう。 この領域をきめ細かく刻むことは、テレビ業界にとって合理的である。 ただ、技術的制約からやむを得ずこの形状になったのか 意図的に狙ってこの領域にピークを作ったのか、現時点では不明。 来年、NHK技研公開を訪れる機会があれば、質疑応答してみたい。 本図、第三者の引用は制約しないが、内容の正確さについては免責とする。 資料作成に引用した資料URLを紹介するので 疑義をお持ちの際は、原典を査読し、各自でご確認いただきたい。 SMPTE Perceptual Signal Coding for More Efficient Usage of Bit Codes (2012) https://www.smpte.org/sites/default/files/23-1615-TS7-2-IProc02-Miller.pdf BBC A “Display Independent”High Dynamic Range Television System (2015) https://www.bbc.co.uk/rd/publications/whitepaper309 Dolby RRERENCE LEVEL GUIDELINES FOR PQ(BT.2100) (2016) https://www.dolby.com/us/en/technologies/dolby-vision/operational-guidelines-for-pq.pdf grass valley HDR A Guide to High Dynamic Range Operation for Live Broadcast Applications (2018) https://www.grassvalley.com/docs/WhitePapers/broadcast/technology/hdr/GVB-1-0676A-EN-WP_HDR_Live_Guide.pdf スキントーン処理の優劣は、画質評価に極めて大きな影響を与える 重大な問題をはらんでいるので、関連情報を紹介する > 2015年12月11日の情通審放送システム委員会・同HDR作業班合同会合において、 > HLG方式とPQ方式の映像比較デモを行った。 > > 1.目的 > HDR放送の2つの映像方式(HLG方式及びPQ方式)を > HEVC Main10によって符号化する場合の画質を確認する。 > > 3.2 ΔEによる客観評価 > ΔEは映像信号の視覚的な劣化量を示すため、 > 値が小さいほど原画と符号化映像が視覚的に近いことを意味する。 > 図4-2(a)に示すように、 > > HLG方式がPQ方式に比べΔEが小さい結果となった。 詳細を次の投稿に記載する 情通審放送システム委員会・同HDR作業班 報告 (続き) > 4.4:2:0符号化のための信号処理の影響 > > HLG方式とPQ方式の原画像をそれぞれ > Y?C?BC?R 4:2:2からY?C?BC?R 4:2:0へ変換し、再び > Y?C?BC?R 4:2:0からY?C?BC?R 4:2:2へ変換し、 > > 原画像と信号変換後の画像について > ΔEを比較することで信号変換のみの視覚的な劣化を算出した。 > > その結果、 > HLG方式ではフレーム内平均ΔEが2.69であったのに対し、 > PQ方式ではΔEが3.71であり、 > PQ方式がHLG方式に比べ視覚的な色の劣化がΔEで1以上高かった。 > > 画面内のΔEの分布を確認すると、特に彩度の高いインコの赤い胴体部分においてPQ方式のΔEが顕著に高く、 > 彩度の高い32×32画素領域を切り出しΔEを測定すると、HLG方式に比べ4以上高くなっていた。 > > この結果は、[4]で報告されたPQ方式の色劣化を定量的に裏付けるものであり、 > 彩度の高い映像においては、PQ方式の信号処理に起因する視覚的な劣化が現れることが示された。 総務省 情報通信審議会 情報通信技術分科会 放送システム委員会 HDR作業班 平成28年3月報告 http://www.soumu.go.jp/main_content/000417995.pdf PQ方式は、強い圧縮をかけると赤色系の劣化が多めに出る問題を抱えている 強い圧縮をかけるネット配信が主流となった現在、これは深刻だ PQ方式を推す映画業界は 劇場は画質が良く、自宅は画質が悪い状態でも差し支えない 劇場へ足を運ぶよう訴え、観客動員につなげられるからだ テレビとネットは、そうはいかない ・電波も通信網も、帯域逼迫にあえいでいる ・少しでも強く圧縮をかけ、データを小さくしたい ・圧縮のせいで 赤色系の劣化が多い=スキントーンの劣化が生じると 視聴者クレーム増加の危険性が増える 画質にも、電気製品にも、全く興味が無い層の消費者であっても 画面に映った人の顔色が不自然だとさすがに気付く 放送業界がHLG方式を選んだ理由は 赤色系=スキントーン品質の優先も含まれているだろう >>721 実際に見比べるとHLGのNHK8KってSONYのHDRに比べて明らかに劣るけどね。 それなりにまともな視聴環境用意してUHD BDやギガ回線で視聴するならHDRが圧倒的に優位。 ただ偽HDRテレビで4Kがやっとな回線だとHLGの方が良いかもしれんね ちなみにSONYの技術者と話したついでにHLGのメリットってなんかあるの?って話をしたんだが HDR10にすりゃいいのにね、画質って意味じゃメリット無いよ、ってな感じだった。 > PQカーブは絶対値方式なので > (中略) > 一方、HLGカーブは相対値方式なので > (中略) > このように、これら2つのHDR用伝達関数は > 根本的に異なる性質を持っているので、 > > ど ち ら が 優 れ て い る の か > > と い う 比 較 は 意 味 を 持 た ず、 > > 目的に応じて正しく使い分ける必要がある。 ソニービジュアルプロダクツ株式会社 TV事業部 技術戦略室 主幹技師 小倉 敏之氏 https://www.ituaj.jp/wp-content/uploads/2017/05/2017_05-04-Spot-HDR.pdf 予言しといてやるよ。 おまえら正月三が日も延々とここにクレーム書き続けてる。 それが「正義」とかなにか意味のある立派な行為と信じてなw 正月過ぎてもずーっと今のまんま虫みたいな低い知能で延々クレーマーしてるだけw まさにゴミだな。2019年もせいぜい惨めな人生を極めてくれw >>686-690 で紹介した ARIB TR-B28 マスターモニター要求条件 が発表されたのは2006年だが、この資料を下敷きにITU-R BT規格書が作られ、2009年に発行された。 ITU-R BT.2129 User requirements for a Flat Panel Display (FPD) as a Master monitor in an HDTV programme production environment HDTV番組制作環境におけるマスターモニターとしてのフラットパネルディスプレイ(FPD)のユーザー要件 ARIB TR-B28の内容から、日本固有の状況説明などを省き、2006年以降に判明した事柄を追加しているようだ。 だが、大筋の内容は同じである。 TR-B28は有償なのですぐに閲覧できない。 BT.2129は無償公開なので、取り急ぎ確認に迫られた場合は便利であろう。 https://www.itu.int/dms_pub/itu-r/opb/rep/R-REP-BT.2129-2008-PDF-E.pdf ITU (国際電気通信連合) について 情報通信分野の国際標準規格を取りまとめる機関 世界中の企業、業界団体、研究機関などが作成したレポートや規格を元に 国際標準規格をまとめ、世界中に告知することが目的 ITU内部組織 3部門 ITU-R 無線通信部門 ITU-T 電気通信標準化部門 ITU-D 電気通信開発部門 ITU-Rが発行する規格書の分類 BO 衛星配信 BR コンテンツ制作の記録、保存と送出; テレビ用フィルム BS 放送 (音声) BT 放送 (テレビ) F 固定サービス M 携帯、無線測位、アマチュアおよび関連衛星サービス P 電波伝搬 RA 電波天文学 RS リモートセンシングシステム S 固定衛星サービス SA 宇宙応用と気象学 SF 固定衛星と固定サービスシステム間の周波数共有と調整 SM スペクトル管理 ITU-R BT規格書のうち、テレビ導入機種選考、画質評価、カラーマネージメントなどに関わりそうなもの 下記22点について、投稿を分割しながら簡単に紹介していく。 500 / 601 / 709 / 710 / 814 / 815 / 1127 / 1128 / 1129 / 1210 / 1846 / 1886 / 2020 / 2022 / 2035 / 2087 / 2095 / 2100 / 2129 / 2246 / 2390 / 2408 BT.500 Methodology for the subjective assessment of the quality of television pictures テレビ画像品質を主観的評価するための方法論 映像機器の画質評価にはさまざまなテスト方法、設定条件がある。 その基礎と位置付けられる規格書が、IRU-R BT.500だ。 初版発行は1974年だが、最新13版は2012年1月。時代の変化に合わせ、改訂を13回も行っている。 テスト条件を加えたり、条件を絞り込む場合は、他のBT規格書も併用する。 ・映像機器を人間が目視し、主観的な印象で画質に5段階評価をつける (実際には複数の評価方法があるので、規格書の精読が必要) ・以下2パターンを見比べ、優劣をつける 1. 映像ソース -> テレビ直結 2. 映像ソース -> 検査対象の映像機器 -> テレビ直結 ・評価用映像ソースは、かつては35mmフィルムスライドスキャナーを想定していた ・テレビ設定値と室内照明は、以下二通り、それぞれ条件設定されている (1)研究所実験室 (2)一般家庭に準じる環境 ・観察者は、最低でも15人以上そろえる ・評価集計レポートには、観察者の属性を書き添える (例 映像機器専門家 or 非専門家, 映像制作関係者 or 無関係, 学生 or 社会人, など) ・観察者の目視作業時間は、1人当り30分以内にする ・観察者全員の評価記入シートを集め、指定された計算式を使い、スコアを出す https://www.itu.int/rec/R-REC-BT.500 BT.601 Studio encoding parameters of digital television for standard 4:3 and wide screen 16:9 aspect ratios 標準4:3およびワイドスクリーン16:9のアスペクト比に対するデジタルテレビのスタジオエンコーディングパラメータ SD解像度時代のテレビ規格、色空間を定義したもの。 HD解像度向けのBT-709とは、白色点の位置が違う。 編集ソフトによっては、白色点の自動合わせ込み機能が誤動作する可能性もある。 古いSD素材を、HD解像度プロジェクトへインポートする際は注意が必要。 https://www.itu.int/rec/R-REC-BT.601/en BT.709 Parameter values for the HDTV standards for production and international programme exchange 番組制作および国際番組交換用のHDTV規格パラメータ値 HD解像度のために定義された色空間。 ブラウン管を前提としており、液晶やプラズマなどフラットパネルを考慮していなかった。 ブラウン管互換のガンマカーブをフラットパネルへ当て込むため、 のちにBT.1886が策定されることになる。 https://www.itu.int/rec/R-REC-BT.709/en BT.710 Subjective assessment methods for image quality in high-definition television HD解像度テレビの画質に対する主観評価法 観察者が目視するテレビ設定値を述べたもの。 画面上のピーク輝度 150-250cd/m2 、画面色温度D65、などの記述がある。 https://www.itu.int/rec/R-REC-BT.710/en BT.814 Specifications of PLUGE test signals and alignment procedures for setting of brightness and contrast of displays PLUGEテスト信号仕様、ディスプレイの明るさ、コントラスト設定の調整手順 テレビ調整時に表示させる、単純な図形映像(プルージ)の取り決め。 以下の記載が見られる。 ・ピクチャモニタに表示された状態 ・波形モニタに表示された状態 ・各図形のルミナンス値 https://www.itu.int/rec/R-REC-BT.814/en BT.815 Specification of a signal for measurement of the contrast ratio of displays ディスプレイのコントラスト比を測定するための信号仕様 テレビ調整時のコントラスト測定用、単純な図形映像の取り決め。 50%グレー(126/235)を背景に、ブラック(16/235と、ホワイト(235/235)の四角形が表示される。 https://www.itu.int/rec/R-REC-BT.815/en BT.1127 Relative quality requirements of television broadcast systems テレビ放送システムの相対品質要件 https://www.itu.int/rec/R-REC-BT.1127/en BT.1128 Subjective assessment of conventional television systems 従来のテレビシステムの主観評価法 https://www.itu.int/rec/R-REC-BT.1128/en BT.1129 Subjective assessment of standard definition digital television (SDTV) systems SD解像度テレビの画質に対する主観評価法 https://www.itu.int/rec/R-REC-BT.1129/en BT.1210 Test materials to be used in assessment of picture quality 画質評価に使用する試験素材 画質評価のときに流す映像素材に必要な条件を述べている。 しかし抽象的な文言が多く、具体的な素材映像名は挙げていない。 https://www.itu.int/rec/R-REC-BT.1210/en 映像情報メディア学会 テストチャート BT.1210などに適合する実物として作成された映像素材サンプル。有償頒布。 https://www.ite.or.jp/content/chart/ BT.1846 Notations for video systems 解像度/フレームレート/階調の表記方法 実際の記述例がある。(1920×1080/50/I 1080/30/PsF など) https://www.itu.int/rec/R-REC-BT.1846/en BT.1886 Reference electro-optical transfer function for flat panel displays used in HDTV studio production HDTVスタジオ制作で使うフラットパネルディスプレイのEOTF ブラウン管に近い表示をフラットパネルにさせるためのガンマカーブ(=EOTF) 詳しい内容は過去の投稿 >>673-678 に記載済み。 https://www.itu.int/rec/R-REC-BT.1886/en BT.2020 Parameter values for ultra-high definition television systems for production and international programme exchange 番組制作および国際番組交換用のUHDTV規格パラメータ値 SD解像度の色空間 BT.601、HD解像度の色空間 BT.709 これらの規格に続き、4k/8k解像度の色空間として定義されたもの。 最新版は2015年10月発行、第2版となっている。 https://www.itu.int/rec/R-REC-BT.2020/en BT.2022 General viewing conditions for subjective assessment of quality of SDTV and HDTV television pictures on flat panel displays フラットパネルディスプレイでSD解像度/HD解像度テレビ画像品質を主観的評価するための一般的な視聴条件 研究所の実験室と、一般的な家庭の視聴環境では、規定値が異なっている。 実験室環境 部屋の照明: 低いこと 背景の色度: 分光分布 6500k ピーク輝度: 70-250 cd/m2 モニターコントラスト比: 0.02以下 画像のピーク輝度に対する背景画像の輝度の比: 0.15 家庭環境 スクリーンの環境照度: 200 ルクス ピーク輝度: 70-500 cd/m2 非アクティブ画面の輝度とピーク輝度モニタのコントラスト比:0.02以下 (注) スクリーン上に落ちる環境からの入射光は、スクリーンに対して垂直に測定する必要がある (注) ピーク輝度は部屋の照明に合わせて調整する必要がある https://www.itu.int/rec/R-REC-BT.2022/en BT.2035 A reference viewing environment for evaluation of HDTV program material or completed programmes HDTV番組素材または完成番組を評価するときの参照視聴環境 ピーク輝度値に要注意。前述のBT.2022と異なる。 BT.2022ではかなり幅を持たせていたが、BT.2035は100cd/m2の固定値。 どちらの規格書に従うかは、内容精読の上、個々の状況に応じて選んで頂きたい。 ・基準白および基準黒基準白 (値940) 100cd/m2に対応させること ・基準黒 (値64) 0.01cd/m2未満にすること ・白色点 D65にすること ・ガンマカーブ(EOTF) BT.1886に従うこと ・その他 BT.2129に従うこと https://www.itu.int/rec/R-REC-BT.2035/en BT.2087 Colour conversion from Recommendation ITU-R BT.709 to Recommendation ITU-R BT.2020 ITU-R BT.709からITU-R BT.2020への色変換 https://www.itu.int/rec/R-REC-BT.2087/en BT.2095 Subjective assessment of video quality using Expert Viewing Protocol 専門家による視聴手順を用いたビデオ品質の主観評価 BT.500で求められる観察者は最低15人。 用意すべき機材も考えると、実施はかなりの負担になる。 少人数・小規模で評価テストを行いたいという要求に応えて決められたのが このBT.2095のようだ。 映像関係の専門家、最低9人から実施可能とされている。 https://www.itu.int/rec/R-REC-BT.2095/en BT.2100 Image parameter values for high dynamic range television for use in production and international programme exchange 番組制作および国際番組交換に使うHDRテレビの画像パラメータ値 言及される事が多い規格書だが、原本は下記URLからダウンロードできる。 最新の第2版は、2018年7月発行。 https://www.itu.int/rec/R-REC-BT.2100 BT.2129 User requirements for a Flat Panel Display (FPD) as a Master monitor in an HDTV programme production environment HDTV番組制作環境におけるマスターモニターとしてのフラットパネルディスプレイ(FPD)のユーザー要件 >>686-690 >>727 で紹介したもの。 自分の手で実際に業務用モニターを調整するとき、 印刷して手元に置けばチェックシート代わりにできるだろう。 https://www.itu.int/pub/R-REP-BT.2129 BT.2246 The present state of ultra-high definition television 超高精細テレビの現状 世界各国の基礎研究を包括的にまとめた内容。第6版発行は2017年。 実際の機材を運用するときのガイドブックにはならないが、さまざまな機関の研究成果が垣間見える。 考察レベルではなく、反証作業などを終えた確定レベルの情報も多い。 表示デバイスの先端研究成果を知ることができる、貴重な一次情報引用元として覚えておきたい。 http://www.itu.int/pub/R-REP-BT.2246 BT.2390 High dynamic rangetelevision for production and international programme exchange 番組制作および国際番組交換に使うHDRテレビ OOTF, OETF, EOTFの定義、PQ<->HLG相互変換方法、各方式の概要などがまとめられている。 https://www.itu.int/pub/R-REP-BT.2390 BT.2408 Guidance for operational practices in HDR television production HDR映像制作における運用方法のガイダンス >>703-705 で紹介したが、撮影/編集を職業とする方は必読。 今後、HDRコンテンツ制作時に指標と成りえる、ルミナンス値が記載されている。 主要な被写体のルミナンス値が書かれた TABLE2 は、第0版(2017年10月)と第1版(2018年4月)で、内容が変わった。 第0版 物体 | cd/m2値 | PQ値 | HLG値 ーーーーーー|ーーーーー|ーーーーー|ーーーーー 肌色 | 地域によって異なる (値は未記入) | | | 森林樹木 | 30-65 | 39-47 | 40-55 氷の表面 | 155 | 55 | 71 放散白色 | 140-425 | 54-66 | 69-87 第1版 物体 | cd/m2値 | PQ値 | HLG値 ーーーーーー|ーーーーー|ーーーーー|ーーーーー 明るい肌色 | 65-110 | 45-55 | 55-65 中間の肌色 | 40-85 | 40-50 | 45-60 暗い肌色 | 10-40 | 30-40 | 25-45 | | | 森林樹木 | 30-65 | 40-45 | 40-55 最新版は、2019年4月発行の第2版。ページ数は 19->35->41 と増える一方だ。 改版は、ページを増やすだけではない。内容の一部が書き換えられる場合もある。要注意。 油断せず、こまめな再チェックをおすすめする。 https://www.itu.int/pub/R-REP-BT.2408 公共空間で多数の人間が集団視聴する大型表示デバイスについても、ITU-Rは規格書を出している。 BT.2000 Use of large screen digital imagery Recommendations in video information systems applications 大画面デジタル映像(LDSI)を使う、ビデオ情報システム(VIS)を運用するときの推奨事項 BT.2000規格書自体は、あまり詳細を述べていない。 参照すべきほかの規格書番号を紹介し、振り分けている。 (BT.1662〜1666, 1679, 1680, 1686〜1690, 1694, 1721, 1727, 1734) https://www.itu.int/rec/R-REC-BT.2000/en ITU-R BT規格書、主要なものを見つけやすいようURLがまとめられた一覧ページはこちら。 https://www.itu.int/pub/R-REP-BT/en 規格書紹介はここで一区切りし、終了する。 後日、注意喚起が必要と思われる事柄が見つかれば、随時投稿する。 ITU-R BT.2245 HDTV and UHDTV including HDR-TV test materials for assessment of picture quality 画質評価用のHDR-TVテスト素材 (HDTVとUHDTVも含む) >>732 で述べた、BT.1210 (画質評価に使用する試験素材) の具体例提示。 映像機器のテストで使う指定映像素材が、サムネール静止画付きで示されている。 サムネールのうちいくつかは、CIE1931色度図内の色分布グラフも併記。 https://www.itu.int/pub/R-REP-BT.2245 指定映像はおそらく有償頒布、用途も制限されている。 入手方法は、下記団体いずれかに問い合わせたほうがよいだろう。 日本ITU協会 https://www.ituaj.jp/ 映像情報メディア学会 https://www.ite.or.jp/ ITU-R BT.2245 指定映像 使用制限 映像設備構築業者は、システム調整時や障害調査時、共通映像素材を必要とする事がある。 メーカー・輸入代理店・販売店は、技術セミナーや販売促進展示会をひんぱんに行う。 これらの状況で、前述の指定映像を使えるか否かの基準は、BT.2245規格書 Annex3項に書かれている。 許される使い方 a) 技術的評価 - 機器及びシステムの、研究開発 - 開発及び製造工程中の、機器試験 - 放送及び電気通信のための、伝送条件試験 - 機器のメンテナンス b) 技術的デモ - 技術会議やワークショップでの発表 - 展示会で、機器の性能と機能の発表 禁じられる使い方 商用制約 - 販売商品に同梱 - 販売商品の宣伝用デモンストレーション コピーの配布 著作権者、あるいは許可された頒布者にのみ許される ITU-R BT.2245-6 (2019年4月発行) 指定映像 撮影使用機材 解像度 1920×1080 カメラ: ソニー製 HDC-1500 / SRW-9000 / HDC-F950 / HDW-750P ARRI製 D21 RedDigital製 RED ONE レンズ: シネレンズ各種 (キヤノン製 or フジノン製) レコーダ: アストロデザイン製 HR-7401 JiuHeCheng製 非圧縮HDレコーダ 解像度 3840×2160 カメラ: ソニー製 PMW-F55 レンズ: ARRI/ZEISS製 マスタープライム レコーダ: ソニー製 AXS-R5 解像度 7680×4320 カメラ: ハッセルブラッド製 H4D-200MS センサー種類 CCD センサーサイズ 49.1×36.7mm デモザイク後ピクセル数 8176×6132 pixel 色階調 16ビット レンズ: 不明 レコーダ: カメラ挿入メモリカードにRAW記録 read.cgi ver 07.5.5 2024/06/08 Walang Kapalit ★ | Donguri System Team 5ちゃんねる