戦争映画・統合スレ 34

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2021/06/13(日) 18:34:11.02ID:PTlDWBNo0
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戦争に関する映画を語るスレッドです。

前スレ
戦争映画・統合スレ 33
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2021/10/11(月) 19:55:48.52ID:8Do+mhG30
>>710
コピペな

映画「将軍たちの夜」で書いたコラムについての追記です。先日、ネットショッピングで原作本を入手しました。昭和42年早川書房刊。
 映画化されたとき、ヴィルヘルム・タンツ中将は中盤からいきなり陸軍から親衛隊(SS)に転属になっています。勿論、何の説明も無しに。が、原作では、転属もなく陸軍将官のままでした。
 同じく、ハンス−ヘルムート・キルスト原作「08/15」の映画版でも、悪役のSS将校は、実は原作では陸軍将校であったりします。
 別の映画では、史実以上にヒロイズムが幅を利かせた「レマーゲン鉄橋」。主人公のパウル・フォン・クルーガー陸軍少佐を濡れ衣の反逆罪で裁くのはSS将官ですが、史実では特設軍事法廷の判事はヒューブナーなる頭のイカレた陸軍将官です。

 今日、歴史資料の解明により、ドイツでは、国防軍(陸・海・空軍の総称)は「綺麗な戦争を戦い」、悪逆非道だったのは「ナチ」である、と言った一種の伝説も見直されているようです。敗戦後、多くの復員軍人を抱え、ドイツにも「良識があった」との考えに慰めを見出すためにも、伝統ある「国防軍」はドイツ人達の心の支えになったのかもしれません。
2021/10/11(月) 19:56:31.27ID:8Do+mhG30
 が、伝統と栄光ある「国防軍」にも、実は「悪逆非道」の徒はいたのです。ヴァルター・フォン・ライヒェナウ陸軍元帥はその戦略能力の高さからあまり悪い評判は立っていませんが、国防軍を「ナチ」と迎合させた張本人です。フォン・ライヒェナウと同じく高い戦術能力を持ったヴァルター・モーデル陸軍元帥は生粋の「ナチ主義者」でありました。「陸軍は皇帝派、海軍はキリスト派、空軍はナチ派」と言った色分けも一部ではありますが、事実は、「ナチ共」はあらゆる組織に浸透していたのです。
 逆の場合もあります。テオドーア・アイケSS大将は強制収容所の看守部隊の親玉で、戦時中は武装SS師団「トーテンコップフ(髑髏)」の司令官でした。強制収容所の劣悪で非道な環境や待遇は彼が考案したとも言われていますが、ロシア戦線で見事な部隊指揮を見せ、「ドイツ参謀本部の傑物」とまで言われたエーリッヒ・フォン・マンシュタイン陸軍元帥ですら、「勇敢な軍人であった」と評しています。
 
 映画「将軍たちの夜」でも大きなウェイトを占める7月20日のヒトラー暗殺未遂事件に連座した罪で処刑されたアルトゥーア・ネーベ警察大将(兼SS大将)、独ソ開戦時には「アインザッツグルッペン(特別行動隊)」の指揮官としてロシアに赴きますが、「特別行動隊」の任務はユダヤ人狩りとロシア知識階級の絶滅でした。また、実話を元にした映画「大脱走」で、脱走後に再び囚われた連合軍捕虜の処刑者リストを作成した(国際条約違反であることは明らかですが)のも、このネーベ将軍であったと言われています。
2021/10/11(月) 19:57:09.89ID:8Do+mhG30
 お解りでしょうか、軍務で勇敢な功績を立てれば、或いはその他の行為で過去の罪の「御祓」を行えば、過去にどのような行為を行って、どのような危険思想に染まっていようとも、その人物は高く評価されているのです。言い換えれば、軍務による功績によって彼らの犯した罪が「隠滅」されているのです。
 おそらく、この風潮は戦後の一時期に著名なドイツ軍人達が氾濫させた「回顧録」の影響によるものでしょうか。当然、戦友であった「身内を庇う」ため、回顧録を書いた人間が故意に事実を隠している場合もあります。作中、この手の「回顧録」を書くのは、ヘルベルト・フォン・ザイトリッツ−ガプラー大将です。 作者キルストは、空軍の下級将校でありました。彼は、著名な「将軍たち」と違った低い目線から作品を描いています。あくまで、軍隊という機構の持つ「非情性」と「残忍性」をえぐり出し、同時に上層部(「将軍たち」)の「愚劣さ」を浮き彫りにさせるのです。

 「国防軍の栄光」のみならず、「軍務に服した者の栄光」を堅持したい戦後の「将軍たち」、しかしキルストの作品は、それは「虚飾」であって事実は、戦争によって異常性を発揮する人間は何処にでもいる、「軍隊機構」によって異常性を発揮する人間がいる、そもそも戦争自体が異常である、と実感させるのです。だから彼は、「将軍たち」と違って国防軍の軍人が興味本位で街一個を平然と破壊できる様を描くのです。映画ではやはり、ヴィジュアル的にも髑髏に鉤十時マークを付けた「極悪な」親衛隊員が悪役である方が面白いし、そういった演出にもなるのでしょうが、それでは本当の戦争の「無意味さ」や「異常性」を描くには至りません。自らの中に異常の芽が育っていった事実を暴露することこそ、真に「異常性」を告発する重要な要素なのです。
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