北朝鮮がアメリカに届く能力のある長距離ミサイルの発射実験を準備していることを、金永南(キム・ヨンナム)最高人民会議常任委員長から直接聞いたとロシアの議員が証言しました。

 これは、今月2日から北朝鮮の招待で平壌(ピョンヤン)などを訪れていた「ロシア自由民主党」議員団のモロゾフ団長が、
朝鮮労働党の序列ナンバー2にあたる金永南最高人民会議常任委員長との会談の中で聞いたこととして語ったものです。金委員長は図を示しながら、
現在のミサイルのエンジンを強化したうえでアメリカ西海岸に届くよう改良し、発射実験を準備していることを明らかにしたということです。

 モロゾフ団長は、北朝鮮が厳しい制裁下にある中、アメリカとの対決で極端な方法を使わざるを得ない状況に追い詰められていると語りました。
 「(北朝鮮は)最近のトランプ大統領の発言に大変失望している。彼らは武力で対決するんだと、かなり強い決意を持っている」

 モロゾフ団長は、アメリカの軍事的脅威が朝鮮半島情勢を不安定にしているとし、ロシアを含む周辺国が緊張を緩和させるため対話に向け協力し合うべきたと訴えました。

 一方の北朝鮮ですが、「対話を」と主張してきたロシアを通じて、国際社会へ北朝鮮の窮状を訴えアメリカの軍事行動を抑える狙いがあるものとみられます。