井上尚弥”ライバル”WBO世界王者カシメロが3回圧巻TKO勝利でV3成功

ど迫力のTKO勝利だ。
 カシメロは新型コロナで試合ができなかった期間の鬱憤を晴らすか
のように1ラウンドの開始直後から強引にパンチを振り回す。右のスト
レートに、左右ボディを一発、一発、力を込めて打ち込んでいった。
24戦無敗19KOのKO率を誇る挑戦者のマイカーはガードを固めて左ジ
ャブを軸に警戒を強めることしかできない。

 2ラウンドに、マイカーは主導権をとられまいとプレッシャーをか
けたが、これが裏目に出た。高いガードを崩せないと見たカシメロ
は、強烈なボディ攻撃を続け、アウトサイドから左フックを思い切り
スイングすると、その一撃でマイカーがぐらついた。半端ないパワー
だ。フォローしたカシメロの右のパンチは、かすった程度だったが、
左フックを効かされたマイカーはダウン。なんとか立ち上がったが
まだ1分30秒以上時間が残されていた。
 カシメロは猛ラッシュをかけた。途中、反撃するマイカーのパンチ
が空振りして、そのままスリップダウンしてしまうほどダメージは大
きかったが、必死で持ちこたえた。カシメロも力んで仕留めきれずこ
のラウンド終了のゴングを聞く。
 だが、もう時間の問題だった。
 3ラウンドの開始前にはマイカーのダメージをドクターがチェック。
再開のGOサインが出たが、右の大振りのパンチを外したカシメロが
インサイドに潜り込み左アッパーを突き上げた。結果的には、この
キレのあるアッパーがフィニッシュブローとなる。ふらふらになった
挑戦者にカシメロが追撃したところでレフェリーが割って入ってTKO
勝利を宣言。カシメロは、「まだ力が余っているぞ」とばかりに右手
1本での片手腕立て伏せをリング上で何回も披露。3度目の防衛の成功
の喜びを表現した。