■「幼年期ー職人の時代」
事業の幼年期を見分けるのは簡単である。なぜなら、オーナー=事業なのだから。
お店の経営が、きみの才能や人柄、そしてやる気に依存しているのなら、きみがいなくなれば、お客さんも
どこかほかの店に行ってしまう。(中略)きみが現場で働かなければならないなら、それは事業を
経営しているとは言わないんだ。それは仕事を抱え込んでしまっているだけじゃないのかな?(中略)
きみが事業を立ち上げた目的が、これまでと同じ仕事をしながら、もっとお金を稼いで自由時間を増やしたい、
ということなら、それは単にわがままで欲張りなだけじゃないのかな?
■「青年期ー人手が足りない!」
事業の青年期は、人手が必要だと感じたときから始まる。
幼年期を経て、多少安定した売り上げが見込めるようになると青年期に移行し始めます。青年期では、いよいよ人を
雇うときが来た、ということになり、多くの場合には、あまり採用基準なども考えず、自分がやっている雑務を
やってくれる人を雇うことになります。
青年期では、マネジメントの仕組みを作らなければ、人が増えれば増えるほど問題が生じます。そして、最も多い問題が、
本書にも出てくる、「管理の仕事の放棄」です


職人の視点ではなぜ成長できないのか?
ガーバー氏は起業家と職人に違いを次のように紹介しています。

○起業家は「事業が成功するにはどうするべきか?」を考え、
職人は「何の仕事をするべきか?」を考えている。
○起業家にとって会社とは顧客に価値を提供する場所である。
その結果、利益がもたらされる。
職人にとって、会社とは自己満足のために好きな仕事をする場所である。
その結果として、収入がもたらされる。
○起業家は、最初に会社の将来像を確立したうえで、それに近づくために、現状を変えようとする。
一方で職人は、不確実な将来に不安を抱きながらも、現状が維持されることをただ願うばかりである。
○起業家は自分の描く将来像から逆算して現在の自分の姿を決めるが、
職人は現在の自分を基準に将来の自分を決めてしまう。