>>97
今回の場合、高高度飛行中に何らかの理由で急降下した後「訓練中止」を宣告した段階では通信に何の問題も無かったとされている。
そして宣告した段階で既に海面までの距離は余裕が無く、そのまま海面に突入したと。
仮にバイザーに表示されていた情報に異常が見られたとしても、それにパイロットが対応した痕跡は見られない。

つまり、自殺以外の可能性は「普通に飛んでいるつもりで、何か警報が鳴ったと認識するかしないかのうちに墜落した」しか無い。
そしてそれが起こりえる状況とはバーティゴ以外に考えにくい。

機体の側ではF-16などで「パイロット気絶時、自動的に姿勢を回復するシステム」が備わっており、Youtube動画も知られてる。
F-35Aに同種のシステムがあるかは不明だが、あるならばパイロットは最後まで意識して操縦していた事になる。

バイザーに表示された各種情報は死へのカウントダウンを表示していたはずだが、何しろ高高度から1,000km/h前後の速度で
一直線に海面に向かっているので、最後の通信まで何も気づいていなかったなら、そこから海面までの間に何か気づいたとしても、
もはや全てが手遅れだったと思われる。

そして「操縦士の問題」というと何かミスがあったような印象だが、実際のところ「錯覚」は誰もが起こす事なので、F-35Aに限らず
単座航空機の宿命とも言える(F-15Jでも他の飛行機でも軍民問わず同種の事故はある)。

たとえば8年前にはエアーニッポンのボーイング737が和歌山県沖で夜間に背面飛行&急降下をやらかしてるが、原因となった
副操縦士は操作ミスによる異変に気づくまで14秒もかかってる。
https://www.sankei.com/premium/news/141017/prm1410170005-n1.html
事故原因は全然違うけど、錯覚など「人間の限界を超えた現象」が生じた場合、生還できるかどうかは対応時間の余裕次第。

なお、他に2011年のF-15J墜落事故のように、パイロットが意識喪失した可能性がある事故もあるが、今回は直前まで通常の
無線交信を継続していた事から、バーティゴと推測されている。
http://web.archive.org/web/20130114000812/http://www.mod.go.jp/asdf/pr_report/houdou/H23/1108.html