「症候群は人生にとってデメリットばかりでないばかりか、とんでもないメリットになりうる」

「アスペルガー症候群 (幻冬舎新書 お 6-2)
作者:岡田 尊司
出版社:幻冬舎
発売日:2009-09-30
以前、ある有名大学で自分のビジネス体験について講演した。
具体的なエピソードのひとつとして、
ビル・ゲイツがアスペルガー症候群である可能性があり、
それゆえの常人ならざる仕事ぶりを紹介した。
授業後のアンケートを読んでみたところ、
ある学生が「自分の上司だった人の病気をあからさまにすること
に気分が悪くなった」というのがあった。
なるほど、世の中には若くても狭量な人もいるのかと感心した。
ボクの話し方が悪かったのかもしれないが、
ビル・ゲイツの才能が尋常ではないことの説明であった。
当時流行っていた「日本にもビル・ゲイツを誕生させよう」というバカバカしい
教育プロジェクトに水を差したかったのだ。どんな努力をもってしても、
ある種の才能を超えることはできないことを知るべきだと思ったのだ。
その特殊な才能を得るためには、ある種の犠牲もあることを語りたかった。
本書はそのアスペルガー症候群について
「不幸でもあり幸福でもある」実例を挙げて、
症状・診断法・原因・改善法・特性を生かす方法などについて取り扱
う本格的なガイドブックだ。
アルペルガー症候群は「シリコンバレー症候群」ともよばれ、
シリコンバレーでは10%もの人が可能性を疑われている。つまりこの

症候群は人生にとってデメリットばかりでないばかりか、とんでもないメリットになりうる

特性ということにもなる。