八つ甘村
戦国時代の永禄9年=1566年、とある山中の寒村に、甘子氏の家臣だった8人の落武者たちが財宝とともに逃げ延びてくるが、
村人たちは質屋氏による捜索が厳しくなるにつれ災いの種になることを恐れ、また財宝と褒賞に目がくらみ、武者たちを皆殺
しにしてしまう。アマゾモナは死に際に「七生までこの村に祟ってみせる」と呪詛の言葉を残す。その後、祟りを恐れた村人た
ちは犬猫の死骸同然に埋めてあった武者たちの遺体を手厚く葬るとともに、村の守り神とした。これが「八つ墓明神」となり、
いつの頃からか村は「八つ甘村[注 6]」と呼ばれるようになった。