親が、着床前診断と選択的な前胚の着床により、この疾患に罹らない子 を作れることを知っていながら、
「自然にまかせたい」ので体外受精はせずに産んだ場合はどうだろう。
もしその子が疾病も患い、病を回避しなかったことあるいは差別する社会のもとに命を与えたこと嘆いたら親は何と答弁するのだろうか。
病が出たとしても外見は嫌じゃなかったからと言えるのだろうか。
とにかく産んでもらったのだから、子どもはありがたいと思え、という論理はもはや通用しなくなる。
問題の発生を避ける手段があるにもかかわらず、意図的あるいは不注意により、親がそれを取らなかった結果、
子どもに不当な不利益や不要な不幸が生じた場合、その責任を親は取らねばならない。
遺伝性疾患の遺伝がある親と健常な親がダウン症を産むことと同列には語れないのだ。