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藤井が悔いた一着

第4図 http://originalnews.nico/wp-content/uploads/2017/12/1223_04.png

 第4図で藤井は▲4三桂と歩頭に放り込んだ。△5五角と飛車を取るのは、▲2三角△3二飛▲同角成△同歩に▲3一飛で後手玉が詰む。
すなわち▲4三桂は詰めろだ。以下△4三同歩▲同銀成△5一玉に▲6六角と進めたが、「逆転されているかもしれない」と藤井は表情を曇らせる。実際にコンピュータ将棋ソフトPonanzaの評価値も先手優勢から一気に下降して、ほぼ互角の数値を示すことに。以下△5五角▲同角に△8一桂と粘られて藤井は焦ってしまう。
 藤井は局後、▲4三桂を失着だったと悔いた。単に▲6六角なら桂を渡していないので、△8一桂の粘りを与えることはなかったからだ。しかし、本譜△5一玉に対して▲6六角ではなく、解説の中村太地王座が指摘した▲4二角と打てば先手が優勢だった。以下△6一玉▲4四成銀△同金に▲5三桂不成(参考1図)の妙手順があったのである。

参考1図 http://originalnews.nico/wp-content/uploads/2017/12/1223_s1.png

以上