大山名人が連盟職員に駒落ちで全勝したときのエピソード

ある日、大山と腕っこきと自負している十数名の連盟職員とが、駒落ちで対決したことがありました。
大山からは「一人でも私に勝てたら全員にご馳走しますよ。手合いは好きにしていいから」という、とんでもなく職員に有利な条件が提示されました。
初段から三段連中は二枚落ち。四、五段連中はおおむね飛車落ちか角落ちで挑みました。
しかし、ただ一人、オレが職員の中じゃ一番強いだろうとおそらく思っていた小泉さんが、下品にもなんと二枚落ちという誰が見てもメチャクチャに有利な手合いで挑んだのす。
大山対腕っこき職員駒落ち戦は粛々と進み、最後の一人に五段だけど手堅く二枚落ちで挑む小泉さんが皆の期待を一身に背負って登場しました。
終局の瞬間のどよめきはまるで名人戦七番勝負最終局で決着がついたかのようでした。まれに見る二枚落ちの大熱戦に、ご馳走にありつき損なった応援の職員らはそんなことは忘れて、大山の強さに興奮していたものです。
https://shogipenclublog.com/blog/2017/12/27/ooyama-25/

このエピソードは駒落の対局、すなわち、中終盤の力戦に大山が無類の強さを誇っていたことを示している