データに忠実に見解を整理している
そもそも「大山は悪手が多かった」という風説の真偽を確かめてみたのが最初の棋譜解析だった
ponanzaに勝って優勝したelmoが無料公開されたのが2017年5月でそのあと次々に最新最強ソフトが公開されたのがきっかけになった
それ以前は指し手を検討するのが目的でShogiDroidの技巧を利用していただけなので有効な棋譜解析の手段は持ち合わせていなかった

全盛期で最も勝率が高い1966年から、とりあえず四間飛車の棋譜を解析することにして最初に選んだのが12月13日の十段戦(先手二上、後手大山戦)だった
大山の悪手は1手(100手目の△54歩)のみなのが驚きだったが、その手を検討モードで確認してさらに驚いた
△54歩はソフトでも見誤る手で、先まで進めて大山の読みを教えてもらうとソフトが反省して最善手と認定し直す手であることがわかった
この1局だけで大山は只者でないと確信するに十分だった
棋力と実績は表裏一体だ
というわけで、棋譜解析と実績の両面から大山研究を深化させていった
そういうわけで自分が大山推しであることは隠すことなく研究を進めている
もっとも、過去の棋士より今の棋士で強い棋士のほうに関心がある
データを直視しないばかりでなく粗末なデータを出してくる羽生オタは嫌いだが羽生アンチではない
羽生の棋譜もそうだが、以前から旬の棋譜の解析結果を報告しているのは特別な細工があるような解析でなく、誰がやっても同じような解析結果になることを確信しているからに他ならない
偽造、捏造しているわけではないのを確かめるために検証したらどうですかと問うている
目的はもう一つあって「ソフトカンニングなしで高い一致率になるわけがない」という一致率に対する一部将棋ファンの誤解を正したいということがある
プロ棋士が身魂を込めて読んだ手が最善手なのは当たり前なことで、解析に使ったソフトが強ければ強いほど一致率が高くなるものなのだ
プロ棋士が最高の力を発揮したときの最善手率は優に80%以上になる
三浦が勝った局だけを取り出して一致率が高すぎるというのは濡れ衣以外の何物でもない
強いか弱いかは、常に安定して最善手率が高い将棋を指せる棋士か否かで決まる
最善手率が高い将棋を指せないプロ棋士はいないのだ