周りのレベルが落ちていた時期に勝てただけで若いときの羽生は大して強くなかった
木村(1905年生まれ)のあと、塚田、升田、大山、二上、有吉、山田、内藤、加藤、米長、中原(1947年生まれ)と43年間に歴代級の棋士が11人誕生したが、中原以降羽生世代の前までは23年間に谷川しか出ていない
丸田、松田、原田、加藤博二、大内、森、桐山、森安らは谷川より格下になるが、こうした棋士に相当する棋士かそれ以下の棋士しか23年間に出ていない
何せ満足にA級を張れる棋士が出ていない
中原が持つタイトルを奪取したのも中原より後に生まれた棋士でなく、大山、二上、加藤、内藤、米長、有吉といった、何のことはない大山に挑戦した面々だった

中原は慢心と夜遊びがたたって羽生との対戦が実現した頃には200近くレートが落ちていた
それでも60歳まで羽生に3回に1回は勝っていた
中原のあとの世代棋士を見ると、高橋は1996年が最後の勝利で37歳以降一度も羽生に勝っていない(15連敗)
森下は2005年が最後の勝利で40歳以降一度も羽生に勝っていない(4連敗)
谷川は2006年が最後で44歳以降一度も羽生に勝っていない(16連敗)
中原は2008年60歳のときに羽生に勝った
加藤は2009年59歳のときに羽生に勝った
羽生が20代の若い時期に七冠獲れたのは、中原よりあとの棋士が弱かったからだった
中原以前の棋士の全盛期にデビューしていたら、20代の若い時期は、タイトル戦に出ることも無理だっただろう