1959-05-12 名人戦
>101手目▲2四歩には当然△同歩とすべきところだったが本譜は△7七歩成としたため簡単な頓死

力戦に分類される将棋で両者ともに驚くべきことに長考することもなく100手まで悪手疑問手が一つも記録されていない
101手目の▲24歩も最善手で升田はこの応手を間違えた
間違えたといっても指摘された簡単な頓死というのは事実ではない
▲24歩は詰めろではないから放置しても頓死にはならない
しかし、放置すると先手に形勢が傾く局面ではあった
升田は強い棋士にありがちで手抜きで攻め合うことを重点に読んでいた
その読みは指し手の手順で▲23歩成△同金▲同飛成△同玉と強く応じても詰みはなく、手抜きして勝てるという読みだった
ところが、△同玉の局面には△14角以下の簡単な詰みがあった
これもプロ棋士にもよくあることで升田だけがやらかしているポカではない
いずれにしても有利に局面を進めても悪手疑問手が一つも出なかった大山に勝つのは容易でなかったことだろう

参考
一手詰めを見逃して頓死した“あの対局”を振り返る
https://originalnews.nico/23346/2