1958-03-28 王将戦
>101手目▲9一龍に対しては△7七馬とすべきところ△8九飛成▲同玉△7七馬と不用意に駒を渡したため簡単に逆転

解説
この将棋は最終局の第7局で大山升田ならではの互いに譲らぬ変則形の熱戦になった
問題の局面もその局面までも極めて難解な将棋でプロ棋士なら並べがえのある棋譜に違いない
ぜひ盤上に並べるなり、一手一手ソフトで検討させながら観賞してみるといい
こうした名局がわからないのは相当にフシアナだ
ソフトの手をカンニングできると△77馬以下後手必勝ではないか思うのは素人考えで、ソフトのように先の先の変化まで読み切れない人間には極めて難解な局面だ
升田が選んだ△89龍▲同玉△77馬の寄せも十分に勝算があっての寄せで、▲同金△同角成となればソフトなら可能だが棋士が受け切るのは容易ではない
大山は△77馬に▲同金とせず、86に金を打っている
これが名手で大山の棋譜にはこうした手が飛び出すから並べがえがあるのだ
おそらく、相当読み込んだはずで、この1局はこの▲86金を観賞するためにあるといっても過言ではないだろう