「ラッキ〜何にもしていないのに中邑殿ゲットでおじゃる〜♪…と浮かれられないわらわは貴族の風上にも置けない小者…」
「「「「甘彦様〜!大変にござります〜!」」」」
「プロ小姓の皆の衆、どうしたでおじゃる?」
「真恒様が永崎に留学あそばされると〜。どうか御止め下さるようご説得を〜!」
「しかし…」
「「「「しかしではございません!甘彦様は美を追求し醜を憎むお洒落貴族様ではないですか!どうか愛し合い想い合うお二人を別れさせぬようお力をお貸しください!」」」」
「で、でも恒殿がいなくなれば、そち達プロ小姓は主上をパトロンにするチャンスが出来るのではないのでおじゃるか?」
「ザワ・・・ザワ・・・」
「おりょ?急に空気がアウェーな感じになったでおじゃる」
「甘彦様はまさか本当にそのようなことをお考えで?」
「い、いや、一般論を訊いてみたまでじゃ」
「痩せても枯れてもわたくしたちプロ小姓は真に愛し合う方たちの間に入るような真似は致しません!」
「ま、麿が悪かったでおじゃる!美のために恒殿と主上を幸せにするでおじゃる〜!あああ、でも留学阻止したら朝倉殿が怒ってしまうかもしれないでおじゃる。なんと難しい局面でおじゃるか〜」

「では明日の朝早いので余は先に休む。皆のものは無礼講を楽しむがよい」
「…そんなこと言われたって、明日からお相手するのは我々ですよね?」
「はっはっは…まあそうですけど、真恒殿がいなかったら殿が何でも身の回りのことは一人で完璧にこなすから小姓たちは楽ですよね」
「でも執政面で真恒殿以前の殿に戻られるんなら無礼講で浮かれてなんていられないですよね」
「え〜、でも真恒殿の影響で殿もあの頃からは変わったんじゃないかとあたしなんかは思うんですけどね」
「はっはっは、どうなんでしょうねぇ?」
「難しい局面は明殿に打開してもらうのが一番でおじゃる。明殿〜」
「え〜、知らねぇよ。そんなの二人に直接話させれば良いんじゃねぇの?」
「ブツブツ・・・でもそうすると麿が点数稼げないでおじゃる」
「アン? なんか言ったか?」
「何でもないでおじゃる〜」