「いや……俺のこと気遣ってくれるところや将〇に前向きなところに惚れ直しとった」
「もう〜才たろうくん……!そんなこと言われたら俺も惚れ直しちゃうじゃん……」
「ならもっと惚れ直して、惚れ直して」
「ふふふ、もう……」
「俺がもっと強くなったら惚れ直してくれるんかなぁ」
「だね。俺ももっと強くなったらまた才たろうくん惚れ直してくれる?」
「もちろんや。お互い頑張っていこうな」
「うん!ありがとう」
新幹線が発車する少し前。参毎道くんが思い詰めたような顔をしてる。
「才たろうくん、俺……」
「ん?」
「俺、これからずっと才たろうくんのこと好きだから。ずっと、才たろうくんだけだよ」
「……おぉ、あ、ありがとう……!」
「じゃ、また」
照れくさそうな笑顔で新幹線に揺られていく彼に手を振る。きっと彼は俺の嫉妬や不安を察してたんやな。だから安心させるためにこうやって……えぇ、なんやこれ……どんだけ惚れ直させる気やねん。俺も惚れ直させるしかないやん。

そんなふうに交際が始まって、2020年3月。今期の順〇戦が終わりお互いの結果が出た。
「才たろうくん、Aクラス入りおめでとう!」
「参毎道くんも昇級おめでとう!一度ドツボにハマると実力あっても抜けるの大変やからなぁ。ほんまおめでとうなぁ」
「才たろうくんがいてくれたからだよ。才たろうくんに追いつきたい、強くなりたいって励みになった」
「俺も参毎道くんの存在が励みになったわ。もっと強くなったら惚れ直してくれる言うてたから頑張ったわ」
「ふふ、実は俺も……惚れ直してくれた?」
「もちろんや。参毎道くんは?」
「もちろん!」