B時代背景比較
1 将棋人口と棋士数C
原田九段の才能から知れるように大山が出てきた時代はレベルが低いどころか秀才の宝庫だった
羽生世代のように多くのA級棋士を輩出している
松田茂行は戦争がなければ佐藤康光並みの棋士で、大山と同年棋士には加藤博二、広津久雄、原田泰夫、松下力、五十嵐豊一がいた
大山、升田、塚田という飛び抜けた棋士がいた時代に松田、加藤博二、原田は通算10期のA級棋士だった
20代の加藤一二三が二度も陥落するほどA級の壁は厚かった
全盛期の大山の強さを知らないと全盛期の大山に3割も勝てなかった二上、内藤、加藤が弱い棋士に見えてしまうが、とんでもない
大山に勝率3割はいいほうでA級棋士でも2割勝つのも厳しかった
全盛期の大山は、中原、谷川、羽生より強い棋士だったから当然の結果であった

大山がどのくらい強かったかは大山の全盛期に対戦したA級棋士とのデータでわかる
原田に25勝2敗(0.926)
坂口、松下、広津、高柳、南口に合わせて42勝6敗(0.875)
花村に43勝9敗(0.827)
五十嵐に14勝3敗(0.824)
高島に23勝6敗(0.793)
加藤博二に21勝6敗(0.778)
大野に23勝7敗(0.767)
関根に18勝6敗(0.750)
灘に28勝10敗(0.737)
松田に25勝10敗(0.714)

50歳代が初手合いのA級棋士との対戦成績からも全盛期の大山がどれほど強かったか想像できよう
佐藤大五郎に17勝1敗(0.944)
石田に15勝4敗(0.789)
桐山に28勝10敗(0.737)
大内に24勝10敗(0.706)
勝浦に23勝11敗(0.676)
森に16勝11敗(0.593)

50代の羽生がこれからA級に昇級してくる棋士を相手にどれだけの勝率を残せるかを想像したら、とても大山にはかなわないことがわかる