「(三浦棋士は)休場の申し出を行ったのか、という事実関係についてお話していきたいと思います。
2016年10月11日、将棋連盟において三浦棋士は多数の将棋連盟理事と、その場に居合わせた棋士から不正行為を指摘され、
竜王戦七番勝負を辞退し休場届を提出するよう要求されました。三浦棋士はこの申し出を拒んでいました。
職員から電話を取り次いだ将棋連盟理事が会議室に戻ってきて、
「今回の竜王戦七番勝負が開催されない事になりました」と報告しました。
その上で将棋連盟理事は「竜王戦が開催されなくなった。それを承知してくれるか」と三浦棋士と渡辺竜王、各々に尋ねました。
三浦棋士としましては、主催者側の判断で竜王戦が開催されなくなった以上、もう仕方がないとして、
これを受け入れざるを得ませんでした。渡辺竜王もこの申し出に頷いていました。
さらに連盟理事は「今回の事は連盟にとって大変な損害ですよ。分かっていますか」などと三浦棋士を責め立てて、
続いて「三浦さんには休場届を出していただきます。それでいいですね」ということで休場届を提出することを求めました。
三浦棋士はソフト指し疑惑によって竜王戦が開催されなくなったと聞かされたため、その場では休場届を提出することに承諾しました。
けれどもその後、不正をしていないのに休場届を提出することは、自らの不正を認めたこととも捉えられかねないとして、
休場届、口頭の休場の申し出ではなくて、休場届というものを提出することを拒みました。
要は、こちら(三浦棋士)から「休場届を出します」とか「竜王戦辞退します」とか言ったわけではなくて、
竜王戦が開催されなくなったので承知してくれますかという事で仕方なく承知したというのが、事実経緯であります。
実際には開催されないと決定したはずの竜王戦七番勝負は挑戦者を変更する形で開催される事になりました。
三浦棋士は本件出場停止処分が下された後にこの事実を知ることになりました」

(2016年12月26日会見より)