>>732
その分類に当てはまらない悪役で、『カムイ伝』のシブタレを挙げたい。
シブタレは作中とにかく徹底してクズの小物。
何かというとすぐに役人に告げ口をして小銭をもらってる。
つまり「権力者に取り入ることで、自分も権力者側に立っていると勘違いしてる」手合いの典型。
だけど最クライマックスのある出来事で、「本当の権力者側からすれば、刃向かう農民も従順な農民も
結局変わらない。都合が悪くなれば簡単に殺されるだけ」という現実を突きつけられる。

ここ、なろう脳的には所謂「ザマァ」とかされるパターンよね。
それまで完全な憎まれ役の小物ゲス悪党。こいつのせいで死んだ農民も数多くいる。
けどそこでシブタレは今まで一切逆らうことの無かった役人権力者相手に啖呵を切る。
「てめえら侍は自分達だけ上等な人間で、農民なんざとは違うと思ってるだろうが、変わりゃしねえんだよ!」
と。
これを、今までかっこよかったキャラに言わせるんじゃなくて、農民側で一番クズで憎まれ役やってたキャラに言わせる。
「死に際に、クズで小心な小悪党が男を見せる」パターン。意外性で惹きつける。
なろうなら炎上必至だけどね。