0023この名無しがすごい! (ワッチョイ 8e0e-aYWJ)
2017/10/23(月) 20:09:40.57ID:eWOxJB2R0ほんではまず戦闘外の1話冒頭。基本ここに私の言いたいことが集約されてるので。
◇
ダスティル・タウンは大都市である。
ウィスト王国の中央に位置し、古くから陸路の要衝(ようしょう)として栄え、
今では一大交易都市として発展を遂げている。
同心円状に広がった街並みは、無骨な城壁ですっぽりと覆われ、魔獣避けの術式まで施されている。
壁外に広がるのは広大な平野だ。
南北にのびた街道には隙間なく石畳が敷き詰められている。
ほか、地平の果てまで続く鉄道が、重厚感のある列車を走らせていた。
そんな大交易都市の中心――多様な人種でごった返す商店街を、ナツキ・アークライトはゆったり歩いていた。
手ぐしで整えたような黒髪の、大柄な青年である。
羽織っているのは地味なジャケットで、前は開け放たれ、袖を肘までまくっている。
それも含め、服装はどれも使い古した――歴戦の気配がある。
重たげなブーツを鳴らして歩く、その足取りも軽い。
ふと、顔を上げる。
この人混みの中でも珍しい、紫色の瞳だった。
それが、眠たげに時計塔を見上げる。
十時すぎ。
軒を連ねるほとんどの店舗が開店準備を終え、伴って混雑が増していく。
ナツキはわずかに眉をひそめたが、すいすい通りを行く。誰かにぶつかる様子もない。
ほどなく、到着したのは裏通りの飲食店だ。『リア・キッチン』という看板が掛かっている。
ナツキは扉を開いた。
入店の鈴が来客を知らせると、女給が駆け寄ってきて、弾んだ声で告げた。
「いらっしゃい、ナツキ」
「一人だ。適当な定食を頼む」
女給は呆れたように笑う。
「いつも一人じゃない。空いてるから、好きな場所に座って」
客に対する態度ではないが、親愛のこもった口調だ。
◇
150字くらい削りました。
原文の情報はあまさず伝えたつもりですがどうでしょうか。
戦闘はちょい時間かかりますね。気長にお待ち下さい