0018添削八部作 その九? あれれ?
2019/07/15(月) 12:15:57.68ID:sZT1O4t+「そうか。なら俺は、お前を殺す」
突然の言葉に少し驚いたが、だからと言って泣いて詫びるものでもない。
だからどうしたんだ。舐めるなよ。私はそう思った。瞬時に状況を判断した。
そして、わざと少し間を置いて動揺した振りをすることを忘れずに行った。私は言った。
「ふうん。どうするつもりなの?」
「俺は銃を持っているが、それは使わない。俺は喧嘩だって強い。腋を締めて真っ直ぐ腕を突
き出す。眉間か蟀谷(こめかみ)を狙う。女相手でも俺は容赦をしない」
私は大畑がそう言い終わるか言い終わらない内に、大畑の脛を思い切り蹴り上げた。大畑は
呻き声一つ上げなかった。
そのまま躊躇わず急所を蹴り上げる。
初めてうっ、と呻って、大畑は倒れた。
ええと、大畑は私の彼氏だ。でもこうなったら仕方がない。
私は男の尻ポケットからリボルバーを取り出し、頭を六回撃った。どこを撃っても死ぬんだ
から、深く考えなかった。穴から血が吹き出した。
弾はなくなり、男は死んだ。
「喧嘩が強い自慢なんかしたら負けフラグが立っちゃうわよね」
そう、呟いた。
暴力や殺人に、男も女もない。今はそういう時代なのだ。
死体の処理を淡々と済ませて、私は東京に帰った。もう二度とS県には来ないだろう。
さようなら、私の彼氏。次はもっと格好いい名前の彼氏がいいな。
頭がよいと、もっといいのだけれど。