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高等遊民(こうとうゆうみん)
日本で明治時代から昭和初期の近代戦前期にかけて多く使われた言葉であり、
大学等の高等教育機関で教育を受け卒業しながらも、経済的に不自由がないため、
官吏や会社員などになって労働に従事することなく、読書などをして過ごしている人のこと。

高等遊民はなんら生産的な活動をせず、ただ日々を雅やかに過ごしたり、
学問の延長として己の興味のある分野(趣味の活動を含む)を追い求めていたりした。
夏目漱石が作中にしばしば用い、『それから』の長井代助、および『こゝろ』の先生、
川端康成の『雪国』の主人公のように、しばしば文学のテーマとしても取り上げられた。
石川啄木は、旧制中学校卒業後に立身出世がかなわず父兄の財産を食い潰して
無駄話を事業として生活している者を遊民としていた。