俺が、欲しいのは彼女でも母の優しさでも無かった
酒に浸る父の改心とか、暴力を振るってくる弟の破滅でもない。
俺が唯一望んだもの。それは、望んでも絶対に届かない。夢のように曖昧なものだった。

弟は言った。「この出来損ないの兄貴が、とっとと死ねよ」僕は何も思わなかった。

この世界に求めるものなんか何もない。そう思っていたんだ。なのに…欲しくて欲しくて欲しくて…たまらない

「なぁ、神よ。一つだけ。一つだけでいいんだ。薄汚れた俺の人生に与える価値なんてないかもしれない。でも、望んでもいいだろ? 頼むよ…」


作品タイトル:ブクマが欲しい