中島英樹を創作文芸板から排除するスレ [無断転載禁止]©2ch.net
レス数が950を超えています。1000を超えると書き込みができなくなります。
創作文芸板をむしばむ癌、中島英樹の排除について知恵を出し合いましょう お前が中島氏の粘着を止めない限り、24時間365日罵倒してやるからなww
お前と違ってこっちには覚悟があるんだよ
名無しで自分を上げてもすぐバレるからなww
覚悟しとけよ精神障害者 みじめな土方仕事して金はみじめな書籍とみじめなゲームとみじめCDにつぎ込み、
みじめにドトールで読書するかみじめに2ちゃんするかしかすることがない人がコテってたらしいぞww
みじめですなーww
みじめすぎて泣けてきますなーww お前が中島氏の粘着を止めない限り、24時間365日罵倒してやるからなww
お前と違ってこっちには覚悟があるんだよ
名無しで自分を上げてもすぐバレるからなww
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みじめすぎて泣けてきますなーww 4 名前:ブルーアイリス ◆1pVQTmlaVU [sage] 投稿日:2015/08/09(日) 17:46:50.42
はい、コイツですが、別にオレが建ててくれと頼んだわけじゃないので。
一人、自分をねたましく思っているのが集中して建ててるのが実相じゃない
でしょうか。
もうすぐ私は2ちゃんねるとは無縁の高レベルのコミュニケーションサイト
に移動しますので、中島ウザイな、と思ったらスルーすれば、その内消えて
行くでしょう。残ってるのは人格障害の自宅警備員だけ、と言うことになります
それでは 6 名前:名無し物書き@推敲中?[] 投稿日:2015/08/10(月) 03:32:11.22
中島ってバブル世代でも最悪の丙午世代?
まぁ、バブル世代は40超えても大人になれないねぇ
若い時の成功にしがみついて
それは自分の実力じゃなくて時代背景がよかったからなのに 683 1 名前: 名無し物書き@推敲中? Mail: 投稿日: 2015/08/12(水) 01:44:35.15
>>682
印刷屋の社長に見捨てられて電子書籍出版社も作れなかった奴がなにを言ってやがる
それで零細印刷屋は無能と名誉毀損
君、いつになったら合同会社とやら作るの?
それとIndesignできるのになんで固定レイアウトのKDPを一太郎でやるの
Indesignはepub3に対応している
684 名前: ブルーアイリス ◆1pVQTmlaVU Mail: sage 投稿日: 2015/08/12(水) 02:35:57.30
>>683
残念でした。「お金がまったく無くなった、中島君どうにかしてくれ、
インターネットで新しい事やるって聞いたよ、ウチにもお裾分けして
くれ」と月額5000円で自分の信用と評判を貸したのは私です。で、零細
印刷屋は新しく借金する事が出来て、なんとか持ちこたえるようになったら
安心した社長は、態度を変えただけの話。お陰で自分でやる事が一年延びた。
で、これからの話。なぜ信用と評判を貸したかと言うと昔、いい金くれて、
研究もまぁ大変だったけどやらせてくれた負い目があったからだね
あ、あと683。683の〇〇は無理だから、あきらめろ。2ちゃんねるなんかやってる
のなら〇〇は無理だから。〇〇は公募か、なにか夢とかそういうのが入る。
683よ、その程度のゴミだよ、君は。何にも成れずにこの国で消えていくだけ、
さっさとこのスレから出て行け。能なし 14 名前:名無し物書き@推敲中?[] 投稿日:2015/08/15(土) 10:29:27.95
中島のIPアドレス
219.193.254.50 16 名前:名無し物書き@推敲中?[] 投稿日:2015/08/17(月) 17:43:05.33
27 :ぷぅぎゃああああああ ◆Puuoono255oE :2015/08/16(日) 22:44:22.21
幸せな妄想で己の弱い心を包んでも意味はない!
2ちゃんねる程度の書き込みで心を乱す者が、
創作者として作品を世に発表して批難の矢面に立つことができるのか!
文章で金銭を得ているワイからすれば甚だ疑問である!
批判が怖いのであれば世に作品を発表しなければよい!
自ら作り出したぬるま湯にどっぷり浸かることで外の寒さを忘れ、
前進している夢を見ながら朽ちていくのが望みなのか!
批判や称賛の全ての意見を真摯に受け止める!
悔しさや苦しさを飛躍に繋げて前進する!
楽な道に多大な成果を望んではいけない!
ワイの考え!(`・ω・´) 379 :月子 ◆RT1.rFPzRh9P :2015/09/03(木) 21:47:59.30
こちらこそありがとうございました。
やはり芋焼酎さんみたいに音楽をわかってらっしゃる方との
コミュニケーションは楽だし楽しいです。
一応閉店ですが、お使いになる方はご自由にどうぞ。 23 名前:ブルーアイリス ◆1pVQTmlaVU [sage] 投稿日:2015/09/21(月) 00:20:27.67
倉庫嫌いじゃないけど、もう年だから。40代前半までじゃない?あと
倉庫の仕事に飽きているのは事実だけど。 27 名前:名無し物書き@推敲中?[] 投稿日:2015/09/22(火) 22:38:43.61
http://blogs.yahoo.co.jp/blueirisr8/64027376.html
普通に生活してたら絶対に遭遇しないきわどい危ないのがどこも行き場が無いようだか
ら引退宣言・卒業宣言を繰り返し、最後、誰も相手にしなくってもまだ2ちゃんねるに
居る。いいことだ。俺は2ちゃんねるを見なければ、それで、不愉快に成る事も無いの
だし。あんまり誹謗中傷が過ぎれば、刑事告訴できるレベルまで達すれば、それはそれ
で面白い。人格障害に見えるが、2ちゃんねるは人間の情報をそこまで伝えない。
負け犬 28 名前:名無し物書き@推敲中?[] 投稿日:2015/09/24(木) 00:16:54.71
中島は2ch.netでスレ立てすると自分のものと勘違いするから、
ねらーに嫌われるのわかんないのかねぇ
マナーを守らないのは自分の方って気づかない 33 名前:名無し物書き@推敲中?[] 投稿日:2015/11/24(火) 22:47:03.35
中島ってデザイナーをやっていたみたいな話をするけど、
よく聞くと印刷職人なんだよね
オペレーターに過ぎない 34 名前:ブルーアイリス ◆1pVQTmlaVU [] 投稿日:2015/11/24(火) 22:55:27.59
>>33
アシスタントデザイナーも出力オペレーターもエディトリアルデザイナー
もwebデザインも経験しながら、やってることは絵描きなんだけど。
もともと絵を描きたいから働いているだけざんす。それは今後も変わらないよ
ただ方法をいくつか考えて、自分の理想を実現するために試行錯誤している
わけ。小説を書いているのも自分の思い通りになるコンテンツデータが欲しい
から書いているだけ。出力先はKDPだけ。
紋きりでいうなら33は永久に公募で受賞出来ないワナビに過ぎない。
と言われたらどう思うかね? 51 名前:名無し物書き@推敲中?[] 投稿日:2015/12/02(水) 08:24:26.77
五十近いおっさんが正社員でもなしに胸張って働いてると言えるのか?
俺にはお前の方が普通の人間には見えないよ、現実と妄想の区別すらつかない統合失調症患者さん。 52 名前:ブルーアイリス ◆1pVQTmlaVU [sage] 投稿日:2015/12/02(水) 08:37:27.59
>>51
出版業に関わる、非正規の人の職業。フリーのデザイナー・フリーのライター
フリーのスタイリスト、カメラマン。などなど出版業は多くの非正規雇用で
成り立っている、と言う事を知らない51は、出版業に係わった事ないのだな、
と、思う。正社員・非正規・個人事業・合同会社の代表社員などなど、自分
のゆく道は一つなのだが、51はそんな可能性も考えられない判断基準しかない
未熟者の能なし、と世の中の年よりには見切られる。そして相手にされない
程度に社会で外されて生きていくのだろう。51は正社員かも知れない、でも
正社員以上の事に絶対成れないで、「会社に飼われて」、65歳まで働きっぱなし。
51が死ぬ前に思う事は「ああ、公募で受賞したかった」と言う事かな。 こそこそROMり〜の♪
ネットストーキングし〜の♪ 402 名前:デンドロビウムファレノプシス ◆NaMORuhNce4w [sage] 投稿日:2016/03/28(月) 12:51:41.95
https://kakuyomu.jp/works/4852201425154927761
中島センセの小説まともに読むの初めてなんだけど、
びっくりするぐらい文章が下手糞だな。
403 名前:ポッポ ◆s6Vme6ztkk [sage] 投稿日:2016/03/28(月) 12:54:16.76
ほんとだ、一行目から終わってる笑
404 名前:ポッポ ◆s6Vme6ztkk [sage] 投稿日:2016/03/28(月) 12:55:48.03
これは酷い、中島は文章の基礎技術ができていない。 516 名前:デンドロビウムファレノプシス ◆NaMORuhNce4w [sage] 投稿日:2016/03/30(水) 14:14:34.80
キャラクターがびっくりするぐらいに生きてないんだよ。
ナカジーに言わされている感が半端ねぇ。
棒読みって感じ。
五十路手前でこのレベルじゃ、一生僕には追いつけねぇな。 埼玉県と東京都を中心に様々な世界をさまよい歩き、人生の核心とは何かを考える様になって、20年。現在倉庫で働きながら、「考える」事の結果を小説や絵画にして発表しています。より遠く、より高く、自分の心が飛んでいければな、と思っています。 超連載小説 PERFECT SITUATION
第一話 真里さん
僕は明日で三十歳になる。それまでの間、七人の女性と付き合った。告白されて、OKした数を入れるともう少し増えるが、そんなのは付き合った内に入らない。
かといって、その七人の中でも最後まで関係を持ったのは三人なので、正確にすると、三人の女性と付き合った、という事ことになるのかもしれない。
しかし重要なポイントはそこではない。七人の女性と付き合って、その内六人に振られて終わった。結婚を前提とした付き合いもあった。
そういうことが繰り返されると、もう彼女なんて作ろうとも思わなくなる。上手くいって付き合ったとしても、どうせ振られる。それはもうわかりきっていることだ。
色々あって、友人も激減した。記憶はないが、おそらく僕が悪いんだろう。連絡なんて全く取っていないし、取ろうとも思わない。
今日、つまり木曜日、訪問看護の女性に起こされ、体温やら血圧を計り、少しだけ話をして、その足で大学病院の精神科へ行く。
十一時半に受付を済ませて、ごった返している精神科の椅子に座り、読書をする。今読んでいるのは、図書館で借りた、奥田亜希子の左目に映る星だ。
すばる文学賞を受賞した作品だ。僕も以前、すばる文学賞に出したが、結果は散々なものだった。
スマート・フォンで時計を確認すると、もう十二時半になっていた。小腹が空いたが、ひたすら我慢。あまりお金は使えない。相変わらず席はほとんど埋まっている。
本を鞄にしまい、一度だけ背伸びをし、煙草を吸いに行くために立ち上がり、何となく右隣の席に目をやると、一人の女性とばっちり目があった。
顔は十分なまでに整っていて、化粧は濃くなく薄くなく、髪はショートカットの茶色で、肩以降がむき出しになった服と――僕はファッションに関しては無知だから、
それが何なのかはわからない――、生足をさらけ出したショート・パンツ――さすがにこれはわかる――で、胸はそれなりにあり、髪が壁に備え付けられた扇風機の風力でたまになびいて、耳たぶと軟骨に貫通したピアスが光っている。
瞬間的にこの女性の全身をくまなくチェックし、導き出された答えはただ一つ。
「結構美人!」 しかし、そんな女性が僕と何か関係を持とうだなんて、思うはずがないので、目をそらして廊下を歩いていく。
様々な人たちとすれ違う。老若男女関わらず。病衣を着て点滴棒をからからとさせながら歩いている人たちもいる。
階段を下りて、一号館と二号館の間にある自転車置き場で喫煙するのがいつものパターンだ。
八月も半ばとあって、完璧なまでに暑い。特に、院内はエアコンが完備されていたので、その寒暖の差が余計に暑く感じさせる。
高校時代から吸い続けているハイライト・メンソールを吸いながら、腹が減ったからどこかに食いに行きたいが金がない、
喉が渇いたから自動販売機で買いたいが金がない、毎日パスタ生活はきついだのなんだの、どうでもいいことをうだうだ考えていると、
突然隣に誰かが現れた。僕は心臓が赤ちゃんの爪ほどもないぐらいに怖がりなので、小さな悲鳴を上げて少しだけ後ろに飛んだ。その衝撃で煙草が地面に落ちた。
隣に立っているのは、待合で僕と目が合った、さっきの女性だった。
「いっつもここで煙草吸ってんの?」と女性は、笑顔でもって軽快に言った。
「え? あぁ、はい、そうですよ」と僕は、無表情でもってつまりながら言った。
「ここは禁煙なんだよ」
からかうような表情。とても可愛い。
「いや、まぁ、でも、注意されたことないし……」
「ふうん。じゃあ私も今日からここで吸おうっと」 と言いながら、ショート・パンツのポケットから、素早い動作でセブン・スターを取り出し、口にくわえ、ライターで火を付けた。この煙草になりたい。
女性は煙草を口にくわえたまま、地面に落ちた吸いかけのハイライト・メンソールを取り、僕に渡した。
「ごめんねぇ」
「いや、大丈夫ですよ」
僕はその煙草をくわえた瞬間、女性が、「あぁ!」と声を上げた。
「ど、どうしたんですか?」
「そいやさぁ、自己紹介がまだだったね」
「は、はぁ」
「私の名前は小林真理。年齢不詳」
「僕は、渡辺透、明日で三十歳です」
「へぇ、もうちょっと若いのかと思ってた」
こうやって女性と話すことを事前に知っていたら、学生時代から着古しているボロボロのTシャツで来なかったし、髭だって剃っていたし、
何より坊主頭って何だよ。しかしそれが逆に、心を落ち着かせてくれた。こんな格好をしている男に、好意を抱くなんていうことはありえない。
村上春樹の小説や、古谷実の漫画じゃないんだから。 「精神科ってかなり待つよねぇ」
「そうですね」
「毎週来てんの?」
「はい、毎週です」
「私も今回から毎週になった。どうも眠れなくてね」
言いながら、座り込んで石壁にもたれたので、僕もそれにならう。看護師や患者が、僕たちに何か言いたそうな顔をして通り過ぎてゆく。
「僕もです。色々睡眠薬は試してるんですが」
「合うのなかなか見つかんないよねぇ。主治医は誰?」
「T先生です」
「あ、だからよく見かけたのか。私もTだよ」
この病院のデイケア繋がりの友人たちは、T先生の事を呼び捨てにしていた。しかしそういうことも関係なく、医者は呼び捨てにされるものなのだろうか。
「T先生ってかなり待ちません?」と、初めてこっちから話題を振ってみた。
「待つ待つ! 三、四時間なんて当たり前だよね!」
同時に煙草を地面に落とし、踏みつける。
「話す人もいないんで、もっぱら読書か音楽聞いて時間潰してます」
「私読書は全然しない。音楽はそれなりに聞くかな」
「へぇ、誰聞くんですか?」
「最近はホルモン、マキシマム ザ ホルモンを結構聞いてるよ」
「え、僕も好きで集めてるんですよ。高校の時からファンで、何度もライヴ行きました」 「あ、そうなんだ! 共通点一個あったね。私はDEATH NOTEの主題歌を聞いて、ファンになったよ」
「ありましたね。そこからガクンと売れ始めた感じがします」
「いやぁ」と言いながら、小林真理は大きく背伸びをした。綺麗に毛が剃られた腋が目の中に入る。慌てて顔を逸らせた。
「よかったよかった、こうやって話せる人がいて。待ち時間暇しないよ」
「ほんとそうですね。僕も暇だったので」
「家どこなの?」
僕はここから歩いて三十分かからない、自宅の住所を教えた。小林真理も住所を言ったが、それがどこなのかわからなかった。それを正直に言うと、小林真里は少し小馬鹿にしたような表情を浮かべた。
「あのねぇ、蒲田駅あるじゃん?」
「はい」 「そっから自転車で十分ほど、こっちとは反対方向に行く感じ」
「あ、じゃあ、病院から結構近いんですね」
「遠かったら来ないよ」と小林真理は大きく笑った。どきりとさせられる。
「遠いわ何時間も待つわじゃ、近所のクリニック行った方がまし!」
「ほんとそうですね」
「渡辺君はスマホ?」
「はい、iPhoneです」
これは……。
「LINEやってる?」
もしかして……。
「やってますよ」
来るか……?
「ID交換しない?」
ビンゴ!
「も、勿論です。お願いします」
お互いにスマホを出して交換作業を終える。
「まだ待つかなぁ」
「取り敢えず待合い戻って受付に聞いてみますか?」
「うん、そうだね。まだ待つなら、どっかご飯食べ行こう」
「あ、はい、ぜひぜひ!」 診察でさっきの話をすれば、間違いなくからかわれるだろうから、言わないでおいて、家に帰って、ちょっと意味がわからなくなった。素直に喜べない。
巷では彼氏にしたくない男ナンバーワンを長年キープし続けている僕に、綺麗な女性が話しかけてきただと? そんなことあるわけじゃないじゃないか! まったくもう……と、
部屋に敷きっぱなしの敷布団に寝転んで、煙草を吸っていると、鳴らなすぎて怖い、最新のiPhone使ってる意味あるの? いやあれは、宇宙人との連絡手段なんだよ、という都市伝説を生みだした僕のスマート・フォンが鳴った。同時に心臓が跳ねた。
どきどきしながら確認すると、あの女性だった。しかし果たして、目に見えているものが、本当なんだろうか。液晶には、小林真理という表示がある。それはただの僕の願望であって、
実際は、アダルトのスパム・メールなんだ。ふん、そんなものに引っかかるほど、僕は落ちぶれちゃいない。
僕はスマート・フォンを布団の上に投げ捨て、横になって、日課の読書に励むことにした。奥田亜希子の左目に映る星だ。毎月文芸誌を買うようになってから、色んな知らない作家を知ることができた。
その中には外れもあるが、当たりだってたくさんある。 部屋には時計がないので、どれぐらいの時間、読書に没頭していたかはわからない。
ちょっと休憩するか、と思った瞬間、スマート・フォンが激しく鳴り始めた。メールやLINEではなく、これは電話だ。
最近の僕は電話を知らないふりする傾向があるので、スマート・フォンを確認することさえしない。またもや読書に没頭していると、次は一度だけ鳴った。
僕の大切な読書タイムが侵される苛々で、つい確認してしまった。
そこにはくっきりと三つ、小林真理と書いてあった。LINEメッセージが二回、LINE通話が一回。僕は指紋認証システムを使い、LINEを開いた――。
「渡辺君今なにしてる? 私ちょー暇!」
「忙しいの〜?」
着信:一件 いったい全体、何が起きているんだ……? もうわけがわからない。これは現実なのか? 幻覚なのか? 妄想なのか? iPhoneを持っている右手が、小刻みに震えている。
目をつむって、一度だけ深呼吸をし、目を開く。何も変わっていない。つまり、これは現実だし、幻覚ではないし、妄想ではない。
ふむ……。
僕の頭の中に、僕Aと僕Bが現れた。
「ちょっと、何してるんだよ? あんな美人が、冴えないお前みたいな男に、連絡をしてきているんだぞ。
しかもLINEだけでなく、着信までも! 早く返事しないと、変に誤解が生まれるぞ!」と僕Aは言う。
「騙されないで! 僕Aは、あなたにどん底の絶望を味あわせようとしているのよ。
よく考えてもみなさい、あなたは美人から好かれる要素なんて、これっぽっちもないの! 騙されないで!」と僕Bは言う。
思考をまとめるべく、煙草に火をつける。僕Aと僕Bが、頭の中で争っている。どちらの意見も、間違ってはいない。
少し言葉遣いが荒くて、少し僕を傷つけているだけだ。僕ならどちらを選択する?
「向こうは待っているんだよ。こういう時ぐらいしっかりしてくれよ?」
「駄目よ! 宗教かねずみ講の誘い、もしくは絵か何かを高値で売りつけてくるに決まってるわ」 僕はこれまで、かなりの辛酸を嘗めてきた。人間関係、特に女性関係で。DV男から逃げてきた女と付き合ったのに、結局DV男のもとへ戻られたり、
告白されたから付き合ったのに、「思っていたのと違う」と言われて振られたり、そもそも付き合ったのに自然消滅したり、絶対に浮気をするなと言った女性に、
逆に浮気されたり、浮気相手の子どもを身ごもられたり、告白されたから付き合ったのに、次の日にはもう他人になっていたり、好意を抱いていることを逆手に取られて、
色々利用した挙句、「私たちって、友達だよね」と言われたり、きりがないくらいに辛酸を嘗めさせられてきた。反吐が出るぐらいに。
だから、女性関係に関しては、すごく臆病になっている。いや、それだけではない。
もう一つは、僕は精神病で生活保護を受けている、ということ。どんなにイケメンであろうが、働いていない男に女性はなびかない。
いや、正確に言うとそうではない。それなりに歳を重ねて結婚を意識しだした女性は、働いていない男になびかない。三人目以降とは、
無職の間に知り合って、付き合った。若い女性ばかりだ。一度三十九歳の女性に勢いで告白したら、「働いていない人はちょっと……」と言われた。まあその歳ならね。 いや、単に、逃げているだけなのかもしれない。いろいろな理由を作って、自分が傷つかないようにしているだけ。男として、情けないを通り越している。
もう逃げるのはやめよう。傷つかないように生きていくなんて不可能だ。何を恐れるものがあるか。今回が駄目なら次がある。……おそらく。
僕はもう一度深呼吸をして、煙草を灰皿にねじ入れ、iPhoneを左手に持って、小林真理をタッチし、文字を打ちだした――
「着信に気づかなくてすみません!」
「いいよ〜。でももう薬飲んじゃったから、今日はできないわ〜」
今日はできない? 今日は? ということは、今日じゃなかったらできるということか? 例えば、明日ならできるかもしれないということか? ふむ……。 それから他愛もない話が続き、終わった。僕は前述したように、女性に対して臆病になっているが、文字上なら話は別だ。
積極的な男を演じることができる。だから一つ約束をした。次の木曜日、診察待ちの間に食事に行きませんか? と――
土曜日に友人のAがやってきたので、真里さんとの一部始終を説明した。するとLは少し興奮気味に、
「向こうから来たんだろ? だったら行けんじゃん!」と言った。
僕もそう思っていたが、一応のポーズとして否定しておいた。
「で、木曜日飯でしょ? どこへ行くか決めたの?」
「いや、診察待ちだしそんなに時間取れないし、金もないから、近場のファミレスでいいかな、と」
「いいねいいね、当然こっち持ちでしょ?」
「まあ、誘ったのはこっちだし、礼儀としてね」
「盛り上がって来たな!」
しきりにAは楽しそうにしていた。 あんなにも木曜日が来ることを待ち焦がれていたのに、いざ当日になってみると、不安と緊張が体を支配していた。
アルコールでも入れたらましになるんだろうけれど、さすがに昼間っからは呑めないし、
一応薬の関係もあってアルコールは禁止になっているので、ばれると色々まずいことになる。
十二時過ぎに家を出て、三十分近くかけて歩き、受付を通す。ざっと椅子を見渡しても、真里さんはいない。
早かったか? と思いながら、喫煙スポットへ行く。大量に並んだ自転車の隙間を通り、石壁にもたれかかって火をつける。
白い煙がゆらゆらと空へ流れていくのを見ていると、突然目の前に顔が現れた。僕は瞬間的に、殺される! と感じ、小さな悲鳴を上げた。しかしそれは、誰でもない、真里さんだった。
「びっびっ、びっくりしたぁ」
僕が何度もその言葉を繰り返すたび、真里さんは腹を抱えて笑っていた。
今日も、シンプルな薄着だ。Tシャツから白くて細い腕が伸びている。これも考えものだと思う。僕のように、生腕や生足に興奮する性癖の持ち主もいるんだから。
外を歩くだけで発情してしまう。
腹痛い腹痛いと言いながらひとしきり笑った後、急に真剣な目つきになった。
「なんかさぁ、今日も結構待つみたいだよ」
「まあ仕方ないですねぇ」 僕は敢えて、先週の約束のことは言わないでおいた。これはある意味、生きる上での重要な作戦だ。なによりも、自分から言って拒否されるのが一番苦しい。
「だとしたら、時間どうやって潰そうかなぁ」
白々しいまでのこの独白に、真里さんは一言、「覚えてないの?」と言った。完全に僕の作戦に引っかかった。約束事を忘れたふりをして、相手に言わせる。
相手が言ってこなければ、相手が忘れているか、ただの社交辞令かのどちらになる。しかし相手は言った。つまり、僕と食事へ行ってもいい、ということだ。
「あ、そうだ、食事でしたよね!」と、さも今思い出した、木曜日を待ち焦がれて指折り数えていたわけではない、あなたを特別視しているわけじゃない、
という思いが伝わるように言った。そしてすぐさま謝罪する。
「えぇ? 忘れてたの?」と、いたずらな目で僕を見る。……っ可愛いなぁ。
「いえいえ、忘れてませんよ。じゃあどこへ行きます?」
「まあいいけれどさ。……あそこのファミレスでいいんじゃない?」
「わかりました、行きましょう」
二人並んで歩く。ぴったりくっついたり、手を繋ぎ合ったり、腕を絡ませたりすれば、彼氏彼女に見えるだろうが、悲しいかな、
会って二回目の僕たちの間には、四十センチ以上の隙間が空いている。 ランチ時なので、中はそれなりに混んでいた。しかし順番待ちをすることなく、席を案内される。四人席のソファー。向かい合って座り、メニューを二つ取って、片方を真里さんに渡す。
「あ、ありがとう」
「いえ。なににしようかなぁ」
二人してメニューを開き開き、数十秒間食べたいものを探していると、ウエイトレスが、氷の入った水と、箸フォークナイフスプーンの入ったプラスティックの細長いケースを出してきて、
「今日のランチは、洋食が三番、和食が四番です」と言って去った。洋食の三番は、ライス、ハンバーグ・プレート、スープ・バー。
「じゃあ私は、洋食のランチにしようかな」
「僕もそれで。押しますね」と言って、呼び出しのブザーを押忍。しばばらくして、今度は別のウエイトレスが来た。「洋食の三番、片方ご飯大盛りで」と注文する。
「よし、スープ入れに行こうよ」
「わかりました」
二人して、ドリンク・バーの横にあるスープ・バーへ行く。今日のスープは、とうもろこしと玉ねぎのコンソメ・スープだ。小さなカップにすくい入れ、席へ戻る。
その際、灰皿を二つ取るのを忘れずに。 煙草を吸い合い、他愛もない話をしていると、プレートが計四枚運ばれてきた。大盛りライス、ライス、ハンバーグ・プレート。プレートにはオーソドックスなハンバーグ、茄子とひき肉の炒め物、少量の刻んだサラダ。
僕はナイフやらフォークやらを使うのが嫌いなので、箸で食べる。食事の時は、目の前の飯を食べることだけに集中し、一気に済ませる。そんな姿を見た真里さんは、少しの驚きと少しの笑いでもって、
僕に、「もっと噛んで食べなくちゃ」と言った。口の中にハンバーグと米を押し込んだ直後だったので、それを咀嚼して飲み込んで水を一口飲んでから、「癖なんですよね」と、苦笑いを浮かべた。
そんな真里さんは、ナイフとフォークを上品に扱い、一口サイズにしてから口へ運んでいる。真里さんが半分食べ終わる頃には、僕の皿は二枚とも空いていた。食後の一服をしたいところだが、我慢。
居酒屋は例外として、食事を続けている人の前で食後の一服をするなんて、マナーがなっていない。
真里さんが食べ終わり、水を飲んで煙草に手を伸ばしたのを確認して、僕も煙草を手に取り、火を付ける。
「小林さんって――」と言葉を出そうとした瞬間、真里さんが煙草を持っていない方の手で僕を制した。
「そんな、堅苦しいじゃん。真里でいいよ真里で。私も透君と呼ぶからさ」と笑って言った。 「じゃ、じゃあ、真里さんって、生まれは東京ですか?」
「うん、そうだよ。実家が蒲田」
「いいですねぇ、都会っ子ですね」
田舎者の九割は、東京に憧れているというデータがある。自分で作ったデータだが。
「透君はこっちじゃないの?」
「いや、僕は生まれも育ちも兵庫ですよ」
「あっ、そうなの? その割には全然訛ってないじゃない」
「もう東京に来て六年ぐらいなので、さすがに薄れてきましたねぇ」
「なるほどねぇ。じゃあ一人暮らししてるの?」
真里さんが、吸い終わった煙草を消す動作を眺めていた。
「そうですよ。バリバリ一人暮らしですよ。狭い狭いアパートで」
「へぇ、いいなぁ。私はずっと実家暮らしで、ストレス溜まるんだよね」
「まあそうですね、ストレスは溜まりますね。でも、洗濯や食事は家族がやってくれるから、その点で言えば、実家暮らしは楽ですよ」
「そうなんだよね、そこはありがたいよ。でもうるさいよぉ。もう結構な歳だからさ、顔合わすたびに、結婚しろ結婚しろって」
情報一 結婚していない。入手。
「あぁ、結婚かぁ。僕ももう三十なんで、そろそろ親に言われそうな……」と言いながら、僕も煙草を揉み消した。
「透君は彼女いないの?」 この質問が来るのを待っていた。背中がひんやりとする。
「いるわけないじゃないですかぁ!」と、おどけながら笑って言う。
「いそうだけれどねぇ」
一旦精神を落ち着かせるため、煙草に火をつけ、一口煙を吸って吐く。
「……そんな真里さんこそ、彼氏はどうなんですか?」
この質問をする最中、ずっと煙草を挟んでいた右手指が小刻みに震えていた。
「いるわけないじゃん!」と、おどけながら笑って言った。
その返事を聞いて、ほっと胸をなでおろしつつ、緊張しつつ、喜びつつ、「いそうですがねぇ」という言葉を絞り出した。
そろそろ呼ばれているかもしれないので、店を後にする。僕が伝票を持って入口前のレジへ行き、財布を開くと、真里さんは、「私いくら?」と聞いてきたので、
「僕から誘ったんで、僕が出すのが普通ですよ」と僕が言うと、「いやいや、そこは年上の女性に任せなさい」と返してきたので、そこは素直に従っておいた。 病院へ戻ると、もう真里さんの番号は呼ばれていたので、受付で話を通し、並んで椅子に座った。お互いが、ファミレスで話したことを掘り下げないで、違う会話をしよう、と思っているのか、話題は趣味の方へ飛んでいった。
共通するもの、しないもの。しないものは相手が興味のないからしないわけなので、そんなに長くは話さない。
二十分ほど話すと、真里さんが呼ばれ、五分十分で出てきた。さすがに診察が終わっても会話を続けることはしないだろう、と思っていたら、まさにその通りだった。なんでも、家の近所にあるデイ・ケアに通っているようだ。
いや、正確にすると、通いたくないのに無理やり通っているようだ。T医師はどう言っているのかはわからないけれど、どうやら両親が、週にニ、三日は行くように、と言っているようだ。
いくら病気だからといって、毎日毎日家でごろごろとされるのは、たまったものじではないのだろう。家にいるのがストレスと言っていたので、家を離れて、デイ・ケアでいろんな人と交流するのもいじゃないですか、と言うと、
デイ・ケアはデイ・ケアで、ストレス溜まるのよ、と返してきた。そういえば、そのあたりの身の上話をしていなかったな、と少し反省。
「僕はまだ呼ばれそうにないので、ここで読書でもしてます。まあ嫌でしょうが、デイ・ケア頑張ってください」
「うん、わかった。今日はありがとうね、じゃあまた」
最後に、「こちらこそ、楽しかったです。また飯行きましょう」と言うのを忘れずに。 色々あって、もう自分から女性に向かっていくことはしなくなった。どうせ頑張ったところで、痛い目をみるのは自分だ。思い返せば、元々の性格がそうだった。
小学生の時は別として、中学生の時も、高校生の時も、その後も、自分から向かって成功した試しなんてない。前述した通り、辛酸を嘗めてきたから、という理由ではなく、
根本的なところの問題だ。友人が、「あの子絶対お前に惚れてるよ」と言おうが、向こうから迫ってきて、その勢いで僕の部屋に泊まろうが、そんなわけがない、あるわけがないと、シャット・アウトしてきた。
元々持って生まれたものが違う。日本には、目に見えるヒエラルキー――つまり身分や階級の制度がないが、目に見えないヒエラルキーはある。地位、仕事、金、そして見た目。
僕にはそのどれもが備わっていない。一言で言えば、負け組だ。負をを持って生まれた負け組は、どう足掻こうと、負け組にしかならない。鳶が鷹を生むわけがないのだ。海老で鯛を釣るなんてことは不可能だ。
そして負け組として生まれた者は、負け組として人生を終える。そこに光はない。ただひたすら――闇だ。
人は綺麗事を言う。努力がすべてだと言う。夢が大切だと言う。……ふざけるな。 レス数が950を超えています。1000を超えると書き込みができなくなります。