「五道」の修行の階梯にそって智慧の深まりを簡単に紹介しましょう。
最初の「資糧道」では、空の思想を言葉によって知的に勉強します。
次の「加行道」では、それを言葉を使いながら「観」の瞑想の中で理解します。
分析を進め、集中力もついてくると、しだいに言葉のない状態で洞察を行う「止」と「観」が一体の瞑想になり、直観的にあるがままを認識する「空」の智慧が生じます。
そして、瞑想をやめて言葉の世界に戻っても、空の認識が生きた「後得智」が働きます。
この段階が「見道」です。
さらに瞑想修行を進めて、先天的な煩悩まで取り除いていくのが「修道」です。
最終的に、一切の煩悩がなくなると、言葉のない直観と言葉のある認識が一致して、すべてを知る仏の智慧が生まれます。
この最後の段階が「無学道」です。