花見の思い出

子供の頃住んでいた家は、
電車の線路を挟んで向かい側の丘に納骨堂があった
納骨堂は子供たちの遊び場だった
桜の木がたくさん植えてあり
満開になるととてもきれいだった
山桜やソメイヨシノが終わると八重桜が咲いた
中学一年生のころ1人で納骨堂にいって
ハラハラ落ちてくる桜の花びらをずっと見上げていた
そしてその花びらを食べた

ロンギヌスのいう孤独と似ているのかもしれないが、そこには寂しさはなく
自然の一部となってここにいる
自分というものをはじめて意識した時だった

桜が満開になるといつもその時のことを思い出す