(2)混乱を招く話その2
まず辞書的な因果律の意味
https://i.imgur.com/9GMy1FJ.jpg
これを踏まえて次の2つを仮定すると、必然的に因果律は順序を肯定する

・任意の出来事には原因が存在する…ア
・原因が無い出来事は起こらない(起こったこともない)…イ
イは単にアの対偶に見えるが、イの対偶を取ると「出来事が起こるなら、出来事が起こっていなかったタイミングに、原因が存在した」になるから
「その出来事自身」に含まれない原因の存在が保証される。しかも、その出来事自身は

よってア、イはまとめて次のように言える
・任意の出来事には、その出来事自身に含まれない原因が存在する…☆

ここでAだからBという因果関係に対して、BだからAという関係も同時に成り立つか考えると
A+Bという出来事の原因は、Aの原因を遡ってもBかAしか、Bの原因を遡ってもAかBしか出てこないことから、原因はA+Bに含まれたものしか存在しないことになる。これは☆と矛盾する

故に因果関係が成立する時片方が原因で片方が結果と一意に決定できるから、因果関係を持つ2つの出来事に関して因果律は順序を肯定する
これにシュタゲの非多世界解釈を追加すれば、遷移したことのある全ての世界線同士に因果関係があることになるから、任意の経験した世界線同士に順序があることになる

ちなみに相対性理論の言う因果律は、「2つの出来事に因果関係があるなら、誰の立場から見ても結果は原因より時間的に後に起こる」という過去改変を否定するものだけど
もし過去改変を認めるような物理理論が出来たとしたらその因果律を拡張してやはり順序を肯定するものになると思う