(覆面のエスムラルダ登場)
伏見 早稲田のGLOWというゲイサークルに入ったんですよね。
斎藤 最初はパソコン通信側で遊んでたんですけど、2年のころに遊び仲間で知り合った子からそういうサークルが存在するのを知って入ったんですよね。
メディアがゲイブームになっていたので、色々な場所で露出が始まって。
伏見 そのころはゲイということに肯定的だったんですか。
斎藤 本当に伏見さんに教え込まれた世代ですよ。
伏見 また姑息に持ち上げようとして(笑)。あのね、会場のみなさん、僕は昔からブルちゃんの大ファンなんですよ。
でも、ブルちゃんが僕のファンだったことは一度もないの! 本なんて読んだこともないでしょ、あんた。
斎藤 『プライベート・ゲイ・ライフ』は本当に読みましたよ(笑)。でも文字に弱くて、一番最後に読んだ小説が『バトル・ロワイヤル』なんです。
伏見 当時から今のブルちゃんの原型はでき上がってたと思うんですが、エスムラルダさん、斎藤さんの第一印象を教えてくれますか。
エスム 最初に「ブルってどういう人?」って聞いたら、みんな口を揃えて「かわいいけど怖い人」って言うんです(笑)。
初めて会ったのが、パソコン通信のオフ会で鵠沼海岸に行った日。
当時から私は、性に対して頑なというか、オクテなところがあったんですが(笑)、ブルの口からは「穴がどうこう」みたいなセリフがポンポン飛び出して、「この人、性に奔放だ。怖い!」と思いました。
自分とは違う強烈な人がいるというのが、第一印象でしたね。
斎藤 会う前に友達に聞いたエスムの噂は、「文通欄で知り合ったんだけど、1通送っただけなのに、向こうから“生き別れた兄弟と知り合ったみたい”って言われて、ちょっと大げさで怖いんだよね」って(笑)。
しかもその子とエスムが一橋大学の生協で会ったとき、クネクネしながら手を振られて、「井田真木子の『同性愛者たち』読んだー?」ってデッカイ声で言われて困ってた(笑)。お互いエロとリブに暴走気味だったね。
伏見 エスム、デビューはアカーなんだもんね(笑)。ギョーカイ的にいうと、僕のイメージでは、小倉東さんがブルちゃんを拾ってきたんだよね。
斎藤 正確にはライターの萩原まみちゃんがうちのネットの会員だったんです。それでオフ会に来てくれるようになって。
あとは溝口彰子さんとか、レズビアンでメディアに強い人がいっぱい入ってきてくれて、そっちから小倉さんを紹介され、伏見さんを紹介されたんですね。