産経新聞 8月28日 11時50分配信

 大企業や国、地方自治体に積極的な女性の登用を促すため、
数値目標の設定と公表を義務化する女性活躍推進法が28日午前の参院本会議で自民、民主、公明などの賛成多数で可決、成立した。

安倍晋三首相は「すべての女性が輝く社会づくり」を重要政策に掲げており、
労働力不足が懸念される中、女性の採用や昇進の機会を増やして力を発揮してもらうことで経済成長につなげたい考えだ。

 政府は昨年秋の臨時国会に法案を提出したが、衆院解散によりいったん廃案となっていた。

 菅義偉官房長官は28日午前の記者会見で、
「女性の就労環境がなかなか十分でない状況の中、女性活躍推進法によって女性の社会進出が進んでいくことを期待している」と述べた。

 女性活躍推進法は、従業員300人超の企業や国、地方自治体に、
男女による労働時間や勤続年数の差、女性管理職の割合や女性の採用比率などの現状を把握し、改善すべき点を分析するよう要請。
その上で、数値目標を自主的に設定し、「行動計画」を策定、公表するよう義務付けた。

 国は従わない場合に企業に必要な報告を求めることができる。虚偽の報告を行った場合の罰則も設けた。
ただ、数値目標を設定、公表しない企業への罰則規定はなく、従業員300人以下の企業については努力義務とした。

 また、女性活躍の取り組みが優れた企業を国が認定し、
事業入札で受注機会を増やす優遇策も盛り込んだ。
企業などは平成28年3月末までに「行動計画」をつくる。
集中的な取り組みを促すため、37年度まで10年間の時限立法となる。

 日本では管理職・役員に占める女性の割合が26年時点で11・3%にとどまっており、諸外国に比べても極めて低い水準にある。