■「9060問題」へ移行!? 経済的困窮で親子共倒れとなる


ひきこもりを放置し続けた結果、問題はより深刻に

8050問題の原因は、1980〜1990年代にかけて顕在化した若者の"ひきこもり"を
放置したことにあると多くの専門家は指摘しています。前出の勝部麗子氏いわく
「高度経済成長期に働いて年金がある親を、バブル崩壊のあおりを受けた無職の子が
頼ってひきこもる。この30年間で生まれた、平成の時代を象徴するかのような問題だ」と
(産経新聞2019年5月13日版より)。

つまり、昭和末期から平成黎明期にかけて当時10〜20代だった若者が数十年間も
ひきこもり生活を続け、50代を迎えてしまったことになります。親が現役世代ならば
収入もある程度は見込めるため、ひきこもりの子どもを養っていくのはそう難しくは
ないでしょう。しかし定年を迎え、経済的にも体力的にも衰えた状態で、
昔と同じような生活レベルを子どもに提供し続けていくのは、どう考えても現実的では
ありません。

子どもからしても、「(自分が)働かなくても生活していける」という現実を
一度味わってしまったため、社会に出る必要性を理解し、働くことへのモチベーションを
もつことはそう簡単ではありません。
一緒に生活していると自分の両親が衰えていく姿には気づきにくいもので、
何の危機感も感じず、この生活が未来永劫続いていくという幻想から逃れることが
できなくなります。


この無職板 そのものだな